大学受験に向けての勉強で、モチベーションに悩まない人はいないでしょう。そもそもが勉強というのは面白くできる人というのは稀ですし、その中で覚えることが多かったり、やるべきことの絶対量の多い大学受験の勉強は、モチベーションの上がらない時が来るのは必定です。
世の中にはそのような時に、いかにしてモチベーションを上げるべきか、という論は数多ありますが、今回は少し逆張りで考えてみようと思います。つまり、「勉強のモチベーションを下げてしまう原因は何なのか」ということです。原因がわかれば自ずと対策は見えて来るものです。
成績が上がっていかない
例えば、運動部に所属していてなかなかまとまって勉強はしてこれなかったけれど、3年生になり「さあ受験期」と思い、1日5時間ほど勉強をし始めるとします。ところが、1ヶ月ほどそのように勉強してみたのちのGW前の模擬試験を受けてみると、上がるどころか2年の時の学校で受けるBenesseの模試よりも結果が下降している。萎えますよね。当然です。
これは、実は科学的にその原因が解明されています。学習にはプラトー効果というものが一般的に言われております。
つまり、投入した勉強時間と成果とは比例関係にはない、ということです。正しい勉強方法で取り組んでいたとしても、「時間は投下したものの成果の感じられない”高原部分”」というものが存在します。
その高原部分はとても苦しいです。やってもやっても結果が伴わないように感じます。しかし、その先には必ずブレイクスルーするポイントがあり、そこを越えると、急角度で一気に上昇します。そして、また、高原部分に入っていく、という循環です。
これを知っているだけでも、少しは気持ちがポジティブになれますよね。
ゴールイメージがわかない
イメージをして欲しいのですが、あなたは大海原に一人でボートに放り出されました。周囲は四方八方海と空しか見えません。どこに行くべきか、今自分がどこに向かっているのか全くわかりません。この状態で、「いいから頑張って漕げ!漕ぎまくれ!」と言われても、力が出て来ません。なぜならば、そうすることで、本当にどこかにたどり着けるか分からないからです。
ところが、そうしていると、ある時東の彼方に小さく島が見えて来ました。木が見え、家も見えます。「よし、あそこに行こう!」と思った瞬間、あなたには力がみなぎります。これまで無為に思えたボートを漕ぐという行為が、一気に未来を切り開く一歩に思えて来ます。そして、辛くともなんとかあそこまで行こう!という気持ちが湧いて来ます。
ゴールイメージというのは、この「島」です。私たちは勉強に多大な時間を割くあまり、実は本当はどこに向かっているのか、なぜ何のために大学受験に向かっているのか、見失ってしまうことが多くあります。これは、勉強をすればするほど気づかないうちにそのようになっていることが多いです。
また、どうすればその目的地にたどり着けるのか、ということもぼんやりしがちです。先の事例ならば、ボートを手で漕げばいい、というシンプルなものですが、受験の場合はゴールに向かう「手法、道筋」がイメージできないことも多いです。
このような状態では、なかなか腹の底から力がみなぎる、ということにはなりにくいです。
やるべきことが多すぎてしんどい
2つ目の裏返しのようになりますが、ゴールを見据えると今度は「やるべきこと」があまりにも多すぎて気持ちが萎えてしまう、ということが多くあります。英語は単語をやって、熟語を取り組んで、文法の基礎を固めて、整序や英作文を取り組み、長文をやって英文解釈をやって、そしてリスニングをして過去問をして。さらに国語では古文の文法の助動詞とかの意味と活用をやって、古文単語を覚えて敬語をやって、そこから長文やって、現代文も読まなければいけないし、漢字も取り組まないと。日本史もあるなあ、などなど。
やることをられるつすると、やる気が一気に失せる、そんなことになりがちです。これは、やるべきことを、きちんと「分解して」何にどれくらい時間がかかるのか、そして自分にはどれだけ勉強に費やせる時間があるのか、それを明確にすると一気に解消したりします。
勉強していない自己嫌悪
これはあるあるではないでしょうか。しなければならない、と思っているけれど、実はあまりできていない。やると決めたこと、どうしてもその通りに進められない。それを、特に親御さんなどの周りから指摘されると、気持ちが萎えてしまう、というところです。
してないのは自分で、それはわかってるんだけど、それを認識させれるとよりやる気が無くなるという循環です。これは結構深い問題で、本質的には「実はみんな大して変わらない状況だ」ということを明確に認識させてあげることが大事です。決めたことをやれていないのは、ほぼ全員で、だから次にどうして行くか、それを考えて行くだけなのですが、ここがなかなか17、8の高校生には難しいところです。
時間がない
時間がない、部活もあるし、学校のなにがしもあるし、通学時間も長いしなどなど。だから、なかなか集中してできる時間が多くない、というようなケースですね。これは、勉強しなければならないこと多い、ということとセットだったりします。
でも、時間がない、という理由をモチベーションの低下の原因と感じる人、あるいは言っている人は、概ね行っている本人がそれを「言い訳」だと認識をしています。ですから、時間がない、というのはほとんどの場合は本当の理由ではありません。時間がない、じゃあ部活をやめたら、となって部活をやめても基本的には大して様子が変わらない、というケースはたくさん見受けます。
原因がわかるから対策が見えてくる
勉強のモチベーションが下がるには、そこには当然になにがしかの原因があります。その原因を見誤ると、対策をしそこないます。例えば、やるべき事が多すぎてげんなりしている、そういう状態の時に、その状況を認識せずに、ただただ「勉強時間を増やせば成績が上がる」と思って踏ん張ってみようとしても、実はなかなか問題は解決していきません。講じている対策が原因を解決するための手段になっていないからです。
モチベーションの上がらない時こそ、「自分のモチベーションを下げている原因はなんだろう?」と立ち止まって考えてみる事がとても重要です。
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