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なぜ赤本を解かないといけないの?
そもそもなぜ赤本を解かないといけないかということを理解できないということであれば、受験までの道筋が正しく見えていないということになります。
いつから赤本を解かなければいけないかを考える上では、まずその必要性の理解が重要です。
目指すべきゴールを予め”実感”しておく
志望校が決まると、それに応じてセンターではどのぐらいの点数をとらなければならないのか?偏差値はどのぐらい必要か?といった数字的なデータはすぐに知ることができます。
しかし、まだ実力がない生徒にとって数字だけ見てもいったいどのぐらい今の実力との差があるのかがわかりません。
大切なのは、赤本を解く事で実際に本番までに解けるようにならなければならない問題を実感することです。
例えば、英語の問題であれば文法問題が少し解けるが長文は一文目から意味が正しく把握できない。わからない単語が多過ぎて全く読めない。といった、具体的に自分の実力が足りてないことを感じることになります。
これが、その後の日々の勉強にもつながるのです。
志望校の傾向を理解する
少なからず大学ごとに入試問題には傾向があります。
一番わかりやすいのが出題形式とその分量や、配点です。
英語であれば、文法問題の出題形式はシンプルな択一なのか?間違いを指摘する正誤問題なのか?などの形式の違いがあります。
長文では、物語文が出るのか?論説文がメインのなるのか?という文章テーマの違いもあります。
もちろん、英語に限らず全ての科目において一定の傾向があり、毎年大幅に変わるということはほとんんどありません。(もちろんたまに変更はしていきます。)
本番での聞かれ方を予め知っておくことで、文法の勉強をしている中でも「もしこの知識が正誤問題の形式で聞かれたら?」という観点で考えることができます。
この積み重ねが本番での一点につながるのです。
ありがちな失敗
過去問の重要性がわかったところで、過去問演習の進め方(特にスケジュール)におけるありがちな失敗をシンプルなかたちで紹介します。
早すぎるパターン
過去問に時間を使うのが早すぎるパターンです。
過去問演習は、授業や他の参考書と異なりインプットした知識をアウトプットする練習です。そのため、当然ながらインプットがほとんどできていない状態でアウトプットを行ってもなにも出てこない(解けない)ということです。
このような状態では問題を解こうとして悩んでいる時間が無駄になってしまいますし、解説をみてもほとんど復習になりません。
遅すぎるパターン
逆に遅すぎるという失敗もあります。
知識のインプットを完璧にしてから解こうと思ったまま受験直前を迎えてしまい、十分にアウトプットの実力をつけることができないケースもあります。
知識を完璧にすることは不可能なので、最終的にはそこにこだわりすぎないで赤本を使ってアウトプットにも比重をおいていく必要があります。
いつからが一般的?
重要性を理解し、解き始めが早過ぎても遅過ぎても行けないことがわかったところでいったいいつが一番いいのでしょうか?
一般的なスケジュールを紹介します。
高校3年の夏、できれば春に1回は解く
最低でも高校3年生の夏休みには第一志望と第二志望の過去問を1回分は解いておくことが必須です。
もう少し基礎に自信があるのであれば(センターレベルの知識のインプットが一通り終わっている状態)春に1回解いておくことがいいでしょう。
夏休みは基礎を固める
夏休みまでには1回は過去問を解くと言っても、夏休みの時間を過去問に費やしましょうということではありません。
夏休みはまとまった時間で基礎を固めきる最後のチャンスです。英語であれば文法問題集、数学であればチャート式、社会であれば一問一答など基礎の領域でまだまだやるべきことが非常に多い時期です。
秋から本番にかけて計画的にやりきる
夏までに基礎を固めていったら、秋以降はどんどん赤本を使ってアウトプットの練習を進めていきます。
本番までに解くべき赤本の分量は下記になります。
・第一志望校:7〜10年分(できれば別の学部3つ程度×3〜5年分)
・第二志望校:5年分
・それ以外:3〜5年分
当然受験科目分の量になり、おおまかに60分〜90分の問題を合計100〜150回解くような計算になります。
この量をこなすためには事前に月ごと、週ごとの予定に落とし込んでおき、遅れた分はこまめに取り戻さなければなりません。
赤本を計画的に進めるコツ
計画性が大切なことを伝えたうえで、進め方のコツを紹介します。
開始日を決める
もっとも重要なのが本格的に過去問を解き始める日を高校3年の春ぐらいの段階で決めておくことです。
好ましいのはやはり9月初旬に設定しておくことです。
問題の準備は早めに
赤本はみんなが使っているメジャーな書籍のため、いつでも買えるというイメージもありますが、自分の志望校が必ずしもすぐに手に入らないかもしれません。
また、さらに気をつけるべきなのが3〜5年以上昔の問題です。多くの大学の赤本が直近3〜5年分のものになっています。
本当はさらに昔の問題を解く事が好ましいので、数年前に発売されている赤本を入手しておく必要があります。
借りる、中古で買う
数年前の赤本を手に入れるためには、友人や先輩などに借りるかウェブ上で古本を検索して購入しておくことがお勧めです。
いずれにしてもすぐに見つかるとは限らないので、早めに持っておくことをおすすめします。
入試直前まで粘ろう
理想的な過去問の開始時期とスケジュール等について解説しましたが、いくらスケジュール通りに進めていてもなかなか解けるようにならないこともあります。
そのようなときも最後まで諦めずに続けてください。やり続けていれば入試2週間前などから急に赤本が解けるようになるなんてこも珍しくありません。
赤本を使いこなして合格を勝ち取りましょう。