皆さんは大学まで実家から通いますか?それとも一人暮らしを始めますか?
必然的に一人暮らしをする方もいれば、通える距離なので一人暮らしをする必要性を全く感じない方もいるのではないでしょうか。しかし、中途半端な距離だった場合、どうしますか?
今回は「実家から通うか、一人暮らしをするか」の判断基準についてお伝えしたいと思います。
Contents
大学生が通学にかける平均時間
まず、大学生が通学にかける時間を確認して置きましょう。
実家から通う大学生が通学にかける平均時間は1時間強といわれています。しかし中には1時間半~2時間以上かけて通う学生もいます。
時間は有限であり、ムダな時間を過ごすことによる損失は意外と大きいものです。皆さんの通学時間をこれと比較してみましょう。
金銭的な話
一人暮らしには家賃・光熱費等が掛かりますが、単に「お金が掛かる」だけではありません。
実家通いと比較して「お金が掛からない」部分や時間的なメリットもあります。
一人暮らしは通学定期代がかからないだけでなく、アルバイトに回す時間の確保も可能なのです。ケースバイケースですが、家賃・光熱費だけを見て判断するのは得策ではありません。
例えば、
「実家から通うと交通費月2万円&片道2時間かかるのに対し、一人暮らしすると家賃+光熱費で7万円(後者の通学時間は軽い運動と捉えて考慮せず)」としましょう。
一見すると、一人暮らしは毎月5万円の赤字のように見えますよね。
しかし、実家からは通学時間が月80時間です。
(※往復4時間×週5日×4週)
時給1000円換算で80時間働くと8万円になるため、一人暮らしした方が3万円相当お得との見方が出来ます。
実際に通学に充てるはずだった時間全てをバイトに回すか否かはまた別の話ですが、時間もタダではないので「時給1000円で換算する」のは、一人暮らしすべきか実家通いすべきかを検討する際、有効だと考えます。
通学時間は人生のロスタイム(無駄な時間)
筆者自身の話をしますと、大学時代の通学時間は片道およそ1時間45分でした。当時は「通える距離だしお金もかかるから」という理由で一人暮らしをさせて貰えず、4年間通っていました。
感じ方には個人差がありますが、筆者にとっては「いつまでも慣れない距離(時間)」でした。
1日3.5時間のロスなので、週5日の通学として計算すると、1週間で17.5時間、1ヶ月で70時間が無駄になっていることが分かります。
通学時間を読書や勉強、情報収集、睡眠に充てることも可能に思われるかもしれませんが、通学手段や道・交通機関の混み具合によっては難しい場合もあります。
以下が通学時間毎のロスタイム早見表になります。
片道 | 1日 | 1週間 | 1ヶ月 | 1年 |
30分 | 1時間 | 5時間 | 20時間 | 240時間 |
60分 | 2時間 | 10時間 | 40時間 | 480時間 |
90分 | 3時間 | 15時間 | 60時間 | 720時間 |
120分 | 4時間 | 20時間 | 80時間 | 960時間 |
150分 | 5時間 | 25時間 | 100時間 | 1200時間 |
※週5日の通学を想定。長期休暇はサークルや部活動、大学の友人と会う可能性もあるため無視して算出。
例えば、通学時間が1時間半の人は30分の人に対し、年間およそ480時間のディスアドバンテージを負っています。TOEIC433点の人がTOEIC850点を取得するのに必要な総勉強時間は約1000時間ですので、2年分の通学時間差だけで取得出来てしまいます。
(TOEIC433点は大学1年生の平均点。参考:https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/pdf/DAA.pdf)
一人暮らしのメリット、デメリット
一人暮らしにはメリットもデメリットもあります。
項目毎に見ていきましょう。
家事
実家に居れば家の方が料理や洗濯、掃除をしてくれるという人も多いと思いますが、一人暮らしではこれら全てを自分一人でこなさなければなりません。
時間だけに焦点を当てるとデメリットに見えますが、主体性が身につく、家事のコツを若いうちに身に付けることが出来るなど、良い面もあります。
自力で起きる必要がある
朝弱い方も多いかと思いますが、一人暮らしでは自力で起きなければなりません。普通は慣れるものですが、万が一を考えると少し怖く感じてしまいますね。
対策としては、出来るだけ規則正しい生活を心がけましょう。1日7時間、決まった時間に寝て決まった時間に起きると生活リズムが整っていきます。
起床時間の数十分前から少しずつ明るくなって、自然な目覚めを実感できる目覚まし時計はオススメですよ。
家族との接触がなくなる
出かける時間帯や行き先等、家族に干渉されることがなくなります。
また、「家族といると疲れる」といった方も、これから解放されるので最高ですね。
しかし必然的に人と会話する機会が激減し寂しくなる可能性もありますので、今まで築いてきた人間関係は大切にし、積極的に新しい人間関係を作る努力をしましょう。
人生経験にもなりますので、1年生の段階からサークル活動・部活動に参加してみることをすることをオススメします。
体調管理がより重要になる
実家に居れば、体調を崩して寝込んでしまっても家の人が助けてくれますが、一人暮らしだとそうもいきません(頼っても差し支えないほど仲の良い友達や恋人がいれば別ですが)。
親の目がないと生活習慣が乱れがちになりますので、しっかり自分でコントロールする必要があります。
就職活動では大学時代の経験が問われる
皆さんのほとんどが就職活動で履歴書を作成し、面接を受け、自己PRをすることになると思います。
履歴書や面接では主に「大学時代に取り組んできたこと」が問われます。
つまり、通勤時間が長いにもかかわらず、無理に実家から通った結果、大学で相対的に多くの経験を積む事が出来ず、アピール内容が薄いということになってしまえば本末転倒です。
おうちの方を説得してみよう
これまでの内容を読んでみて「私は結構遠いにも関わらず実家通いになりそうで(あるいは、既にそうなっていて)納得できない」と感じている方もいると思います。
一度ご自身のケースで、以下の点をまとめてみましょう。
①通学時間(1時間1000円換算もして算出)
②通学定期代
③想定される家賃、光熱費等
④想定されるアルバイト代、必要な仕送り額
※その他、初期費用として引越し代(3~5万円程度)、家具家電費用(10~15万円程度)が掛かります。 物件によっては色々と初期費用が掛かるため要確認。
①②が実家通いの場合の月額費用、③が一人暮らしの場合の月額費用になります。④については洋服代、食費、交際費等々を考えて自分で決めましょう。
これらに加え、通学時間を短縮した分で部活やサークル、アルバイト、趣味、家事の経験を積みたい旨の内容を盛り込み、おうちの方を説得してみてはいかがでしょうか。
ご家庭の経済状況等によっては無理な場合もありますので、その場合は恨まず諦めましょう。
仮に失敗したとしてもプレゼンや交渉の練習になりますので、決してムダにはならないはずです(家族関係に影響があっても責任は取れません)。
遠いにも関わらず実家通いせざるを得ない人、或いは既にしている人はどうしたら良いか
就職活動を見据えているのであれば、まずは時間的なディスアドバンテージを負っていることを自覚しなくてはなりません。
そして、部活やサークル、アルバイトをするにしても授業を選ぶにしても、必ず目的を明確にしておきましょう。
また、その際は「それを選択した理由」をどこかに記録しておくのも良いでしょう。
これは別に立派なものである必要はありません。「好きな趣味を楽しみつつ、一生涯付き合える友人を作りたい」でも「心理学を学ぶことで人間関係を円滑にしたい」でも何でも構いません。就職活動で自己分析や自己アピールをする際、必ず役立ちます。
人というものは忘れる生き物です。「何となく惰性でやっている感」「仕方なくやっている感(やらされている感)」が出てくると勿体無いです。
初心を再確認することで意識を高く保つことにも繋がりますし、実際にやってみて「違うな」と思った場合は、続けるべきかの再検討・目的の見直しを行いましょう。