近年、内部進学により大学まで進学できる学校が増えています。
有名大学では早稲田や慶応なども一貫校制度を採用しており、いまや中学受験や高校受験でも一貫校の存在がごく当たり前になりつつあります。
一貫校の良いところは、文字通り受験勉強なしに有名大学に進学できることです。
成績によって進学できる学部は変わるものの、有名大学卒業が保証されているのは大きなメリットです。
一方、一貫校で内部進学した場合、学力的な側面で社会的批判が存在することも事実です。
そこで今回は、一貫校の内部進学事情について、幾つかの事例を見てみましょう。
敢えて大学受験をするケース
一貫校に通っていても大学受験をするご家庭もあります。
事情は様々ですが、多いパターンは本人が「チャレンジしたい」と思うことが多いようです。
マーチ(明青立法中)クラスの一貫校に通っていたKさんは、ほぼ無条件で大学進学できるところ、大学受験を選びました。
彼は友人と一緒に勉強し、本人は東大、友人は慶応に進学しています。
Kさんの場合は高校受験もしており、第一志望に行けなかったという悔しさがあったようです。
そのため、一貫校であることに満足せず、早期から受験勉強を開始して見事合格を勝ち取りました。
内部進学なりの道を歩むケース
Sさんは早稲田系の一貫校に入学しました。
彼は高校受験の第一志望で入学したため、大学までも内部進学をするつもりで進学し、実際に早稲田大学を卒業しました。
彼の場合は大学受験に注力しなかった分、かねてより希望していた文化系の部活に専念し、全国大会に出場する機会に何度も恵まれました。
そして同じ活動を大学時代も続け、その強みを活かして就職活動をしていました。
世の中偏差値だけではないと言いますが、Sさんのように早稲田というネームバリューではなく、高校から一貫した活動の実績をアピールできるならば、内部進学らしい道を歩んだと言えます。
内部進学により学力が伴わないケース
これは教育現場ではなく就職活動の事例ですが、内部進学で有名大学の肩書きは得たものの、学力があまりにも足りず困った例です。
その方は慶応大学でしたが、幼稚舎出身の内部進学者でした。
就職活動では筆記試験と言って国語、算数、英語などが試される試験がありますが、それらは自分で解けないため友人に代わりに解いてもらう。
さらに参加したインターンでは役割分担されたデータの四則演算に困る始末。
就職活動の結果は言うまでもありませんが、そのような事例もあるのが事実です。
まとめ
内部進学できるシチュエーションで、敢えて大学受験をするのは本人にとってもリスクのあるチャレンジです。
しかしそのチャレンジの可能性をはじめから捨ててしまったり、内部進学を前提に考えすぎてしまったりすれば、普段の勉強も手につかず、学力の不足で将来困る可能性もあります。
何事も決めつけず、あらゆる可能性を検討していくことが大切です。