受験勉強のストレスは実が根が深い。「決めつけ」をせずに向き合おう!

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大学入試に向けての勉強過程では、ほとんどの人が多かれ少なかれストレスを感じるのではないかと思います。現代は子供達にとっても多くのストレス要因のある社会と言われ、比較的若い頃からストレスにさらされることが多いとも言われます。

ただ、受験期のストレスは、単なるストレス、と侮ってはいけないケースが多くあります。ストレスと思ったけれども実際は「受験うつ」だったというような話も少なからずあり、しっかりとストレスと向き合ってみることが大切です。

今回は、実際にあった事例をもとに、受験勉強のストレスへの対応方法を考えて見たいと思います。

事例1 防衛大学志望の真面目だけれど低位校の生徒A君

A君は都内の私立高校に通う3年生。学校のレベルは中位より少し下、というところで学校の半分以上の生徒は3年の夏前までに進路を決定します。そのため、一般受験で大学を目指すという子は決して多くない状況でした。

陸上部に所属し、とても真面目に見えるA君ですが、もともと高校も単願推薦で入ったこともあり受験勉強、というものがそもそも初めて、という状況でした。高3の春の中盤に部活の大会が終了して、そこからいざ受験勉強を本格的に取り組んで行ったのですが、学力的にもともと難しいレンジだったこともあり、課される勉強量、しなければならない勉強の過程はとても膨大な量でした。

2ヶ月くらいして7月の夏休み前に、彼は明らかに受験勉強による過度なストレスが目に見えるようになりました。具体的には、

・指示されたことをすぐに忘れてしまう
・5分くらい前に取り組んだことを忘れてしまう
・勉強について問われると受け答えに時間がかかる

というような内容です。

悩む

初めは「なんで言ったことをやらないのだ」とか「話を聞いていのか」「やる気がないのか」という目で見てしまいましたが、よくよく話を聞いてみると、どうもそういう状況ではないのです。彼自身も、なぜすぐに忘れてしまうのか、どうしてそうなるのか、よくわかっていない状況でした。

そこで、ご家庭の方とも相談して、定期的にメンタルヘルスの先生に通っていただき、アドバイスを受けることにしました。

その中でメンタルヘルスの先生からいただきましたアドバイスが、

・勉強に対しての強いプレッシャーで精神が過度に緊張している状態で、勉強をしなければ、と強く思ったり思わされたりすると、適切な思考ができなくなっている可能性がある

・行きたい学校があるのはわかるが、決して人生それだけではないし、今過度な勉強を課しても身についていくとは思えないので、目標を下げ勉強強度を下げるべき

・学習量は、定量、決まった時間にすることを約束する(それ以上求めない)

・毎日適度な運動をする

というところでした。

私たちもそのお話を受けて、一旦夏場の目標は自衛官候補生に下げ、1日4時間までの学習時間として、すべき学習内容も基本事項に限定して準備をしました。

一般的に言えば、高3の夏場にこのように学習レベルを下げることは非常に勇気のいることなのですが、彼の場合は、これが劇的な成果をもたらしました。

7月の河合の試験ではランク外だった防衛大学の判定が、9月のマーク模試ではDランクまで上がってきました。結局そこからの1ヶ月強は自分で学習時間を8時間くらいまで引き上げて一気にスパートして行き、残念ながら防衛大学には間に合いきらかなかったのですが、最終的にその後もがんばり、法政大学理工学部機械工学科に入り、パイロットを目指して頑張る、というところに行き着きました。

彼の場合は、そもそもが長時間の勉強や勉強で成果を上げるための経験が少なく、いきなり強烈にその2つを求められたことでパニック的になっていたところに、適切なアドバイスを受けられたため、一旦身をかがめながら、やれる範囲のものを身につけて、それがちょっとした結果になったことで、自分の中で「やれる!」という意識が明確に芽生えてきた、ということでしょう。

事例2 朝が全く起きれなくなってきたBさん

疲労

Bさんは早慶レベルを目指すいわゆる上位校の3年生。1年次から学校からもしっかりとしたカリキュラムが施され、3年夏前の模試でもすでに志望する学校はB判定まで来ており、もう一息、というところでした。

夏休みは大手予備校でほぼ朝からガッツリ勉強をしていたのですが、お盆を過ぎた頃から、それまでは普通に毎朝6時に起きていたのが、夜更かしをしているわけでもないのに、9時、10時くらいまで起きれなくなり、起きても午前中はぼーっとしてしまうということが増えて来てしまいました。

特段夜遅くまで勉強しているわけでもなく、決して特別な疲れとかを認識しているわけではないのですが、なんとなく朝がだるい、という感じです。そこから、朝起きれないことに自己嫌悪と焦りを感じるようになり、「自分はダメなんじゃないか」という思いが強くなってしまい、勉強時間がどんどんと減っていってしまいました。

その後、予備校や学校の先生と相談して、彼女が言われたのは、「朝起きれなくともいいじゃないか」ということです。学校があるわけでもなし、寝たければ寝たらいい。朝起きなければいけない、なんていうのは思い込みで、勉強はしたいときにすればいい、ということです。

やる気

すると、そこで彼女が話したのが意外なことでした。「実はプレッシャーで全然寝れていない」というのです。夏休み段階でそういうところまでプレッシャーを感じている、というケースもあまり聞かなかったので、そういうことを想定していなかったのですが、11時にベッドに入っても、夜中まで寝付けない、日によっては全然寝付けない日がある、ということでした。

そういうプレッシャー系はもっともっと近くなってから、というのが一般的に思いますが、一般論というのは、目の前の個別の子供には当てはまらないものです。

その後はご家庭の方を交えて、志望校のランク分けや親御さんの思い、本人の思いなどを確認して、少しずつプレッシャーは減っていったそうです。

2つの事例からわかること

たった2つの事例ですが、ここからわかるとても大事なことがあります。それは「ストレスの原因は一般論では言えない」ことと「本当のストレスの原因を、本人が口にするとは限らない」ということです。ストレスの原因には「言いにくい」こともとても多くあります。ですので、一人一人のストレスと、その原因については「決めつけ」をせずに、じっくりと向き合うことが重要です。

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