ノートは参考書ではない。世界史の”変換型”ノート作成の手引き

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世界史の学習においては、ノートを重要視する方法論は大変多くあります。時系列にまとめる、模試などの間違えなをしノートに行う、あるいは教科書や参考書を見ながら自分なりにまとめる、などなど。見栄えや様式まで含めて、たくさんの手法論があります。また、ノートを1から作るのではなくて、穴埋め形式のノート、というものもたくさん刊行されています。

どれも当然に実行する価値のある内容ですが、今回は少し視点を変えた世界史のノート作成についてご紹介をしていきたいと思います。

ノートを参考書として使うのは時間の無駄?

世界史の学習は膨大で多岐にわたるので、ノートを網羅的にしっかりまとめようと思うと、それ自体で相当の時間を費やします。仮に山川の教科書を見ながら自分なりに習ったことをノートにまとめるならば、特段特別なことをせずとも、A4のノートで4ー5冊程度にはなっていくのではないかと思います。

その行為を無駄、とは言わないのですが、この手のノートまとめはまとめることが目的ではなくて、しっかり覚えていくことが目的であるとすれば、まとめることに膨大な時間を費やすことは決して得策ではありません。上手にまとまっているものが、既にたくさん市販されており、それらのものはどれも非常にしっかりまとまっています。大事なのは、そこから理解し、覚えることに時間をしっかり費やすことです。そのまとめをするのに1ページ30分、200ページとすれば100時間かけるならば、100時間を覚えることに費やしたほうが得策であると言えることは多いでしょう。

ですので、ノートを「参考書の代わりに」まとめていくということは、決して効率的な学習方法だ、とは断定できないのではないでしょうか。

受験勉強時のノートは情報の変換出力のトレーニングと位置付ける

では世界史の学習においてノート作成というのは意味のないことなのか、といえば別な視点で捉えることができます。それは、ノート作成を情報の「変換出力」のトレーニングとして位置付けること、です。このアプローチをご紹介していきたいと思います。

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まず1つ目のアプローチは時系列に記載されている年表などの情報から、あるテーマに関することだけをピックアップして自分なりにまとめてみる、ということです。

例えば、「名誉革命とピューリタン革命の流れ」ということについて、その時代の年表を見ながら、「背景」「前後関係」「実施内容」「功罪」あたりを自分でまとめてみる、ということです。大事なことは、それを実施するときにまずは参考書などを見ず、年表情報だけから抽出してみよう、ということです。まずまとめて見て、その上で参考書などを確認して過不足を補充していく、という流れです。

そうすることにより、自分の知識の過不足の確認ができ、かつ情報の変換、という論述や資料問題などで重要になる技能が身についていきます。

同様にもう1つのアプローチはその裏で、プロジェクトごとに記載されている情報を、時系列に整理してみよう、ということです。簡単にいえば年表を作ってみよう、ということです。

たとえば、先ほど同様に「名誉革命とピューリタン革命の内容」のまとまっている参考書を見ながら、それを時系列の年表に書き出してみる、ということです。これにより、前後関係と因果関係が整理されやすくなり、選択問題などでの考察に大きな力となっていきます。

さらにもう1つのアプローチとしては、世界史ならではのところとして関係図を自分で書いてみる、というところになります。例えば、第一次世界大戦前夜の列強の関係図と、列強と辺境の関係図などです。あまり見栄えにこだわらず、フリーハンドで四角と→などを駆使して書いていけばいいでしょう。世界史では国や出来事の相関、というのはとても複雑になりますので、その辺りをきちんと自分で整理してみる、というところもとても大事な取り組みになります。

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このように、ある軸で書かれた情報を、別な軸で整理しなおしてみる、このような取り組みを情報の変換出力と呼んでおり、試験ではこのような取り組みがとても有効になります。なぜならば、試験では、年表に書かれていることから、ある出来事の因果関係や前後関係を問うような問題あるジャンルの出来事が羅列されていて、その時系列的な並びを問う、というような問題は非常に多いからです。また、論述していくということになると、なおさら断片的な保有情報でまずまとめてみる、というところはとても有効になります。

閲覧するものと同じ内容の転記には意味がない

単純にまとめること、に意味がないとは言いませんが、それでも極論すれば、今閲覧している参考書などと同じ内容を、同じように転記していくノートまとめは時間の無駄、といっていいでしょう。なぜならば、同じ内容で同じようにまとめられたものが今目の前にあるのですから。せっかく多大な時間を費やしてノートにまとめていくならば、単に書かれている内容を整理する、という以上の効果を求めていくべきです。その一例が今回ご紹介しました「情報の変換出力のトレーニング」という取り組みになります。

そういう観点でノートまとめに取り組まないと、ノートをまとめたことに満足するという典型的な中学生の定期テスト前の勉強と同様になってしまいます。

まとめ

世界史のノートまとめはともすれば膨大な時間量を要するものですので、その目的と効果性をしっかり認識しながら無駄にならない取り組みを心がけていきましょう。

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