大学受験で最も重要とされる勉強の1つが過去問対策です。
最近数が増えている勉強法を謳う書籍の多くも「まずは過去問ありき」な論調で書かれているものがどんどんと増えています。
大学受験では、受験勉強のスタート時に過去問の形式やスピード、合格に向けた具体的な戦略があるとないとでは、結果が大きく異なります。
しかしどんなお子さんにとっても過去問から勉強するのはハードルが高いのが事実です。
どうしても目の前の課題や宿題、参考書から始めてしまうのが普通でしょう。
そこでここでは、過去問対策から受験勉強を始めるための方法について解説していきます。
①購入!
まずは赤本を購入するように誘導しましょう。
もしくは保護者のみなさんが買ってあげる形でも良いでしょう。
いわゆる「赤本」でなくとも、過去問と解答、解説がついていれば何でも構いません。
センター試験や有名大学の過去問はネットでも入手できますが、解説がないものが多いので推奨できません。
なぜなら、解説を使って今後の勉強方針を立てていくため、どうしても必要な要素だからです。
②主要科目を解いて、答え合わせ!
いきなりですが、過去問をお子さんに解かせ、答え合わせをしましょう。
全然できなくても構いませんし、責める必要は全くありません。
大切なのは、問題がどのようなものか知ることなので、読み流さず解くよう伝えましょう。
できない問題は飛ばして構いませんし、得点を取るよりも志望校で出題される問題とはどのようなものなのか、大学が何を求めているものは何かを考えて解くことを伝えるべきです。
答え合わせをしたら、お子さんと話しながら、全ての問題を下記のグループに分けます。
1.問題も理解できたし、解けた
2.既習範囲だったが応用力が足りず、解けなかった
3.既習範囲だったが忘れており、解けなかった
4.未習範囲だったため、解けなかった
5.適当にやったら、解けてしまった
その上で、5については不正解だった場合2〜4のどれになるかを話し合い、再分類しましょう。
③合格最低点と、課題分野を照らす!
過去問において①〜④の分類を認識しながら、志望校の合格最低点を見ます。
はじめの段階ではお子さんも各問題の配点や記述の途中点も細かくは知らないため、まずは合格最低点の得点率がどの程度かを把握してください。
パターンとして、センター試験を除き6〜7割で合格という大学が多いです。
④科目別戦略を策定する
最後に科目別の戦略を決めます。
どの科目でどのくらい得点するかの作戦を、お子さんと話し合って考えるのです。
得意科目を重視しつつ、苦手科目の負担を減らしましょう。
ポイントは、極端な得点配分を行うと勉強に偏りが出て他大学の対策に支障があったり、本番で1科目のミスが不合格に直結したりするので、ある程度平均的に得点することを心がけてください。
その後、各科目の目標点に合わせ、各分野の1〜4のうち、2〜4を潰します。
このときの注意は、すぐに得点が取れるものから対策することです。
基本的には3→4→2か、3→2→4の順番になります。
10の労力で1点上げるなら、5の労力で1点上げるものを優先することで、勉強効率を上げるだけでなく、得点アップのイメージが湧きやすくなります。
まとめ
大学受験は過去問からと言いますが、本当に過去問対策からスタートして効率的に勉強ができているお子さんはなかなかいません。
予備校の講義や学校の授業を聞くことも大切ですが、志望校に向けた確かな羅針盤を、まずご本人手に入れることが重要です。