大学に子供を行かせるというのは親御さんにとりましては一大行事です。Benesseさんのマナビジョンによると国公立でも4年間で学費と設備費で合計200万円以上、私立文系だと約360万、私立理系だと約500万円程度が必要とされています。これにもしも下宿をさせるようなことになりますと、さらに月々10万円以上はプラスされてきます。
今回は教育については、教育ローンと奨学金の違いに注目して、代表的な「使い方」をご紹介したいと思います。
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教育ローンと奨学金の違い
まず教育ローンと奨学金の違いについて重要な点を確認しておきましょう。何と言っても大きな違いは、誰が借主なのかといところです。教育ローンは親であり、奨学金は子供です。ですので、どうしても親御さんとしては優しさから「本人に負担を少なくしてあげたい」という思いがあるかもしれません。
また、奨学金は概ねほとんどにおいて成績要件など子供の学業の様子についての条件が定められております。他方で、教育ローンはそのような成績要件がないもの大きなポイントです。
しかし、他方で金融の側面から見ると教育ローンは代表的な日本政策金融公庫の教育ローンでも現在の利息は2%強で、奨学金の利息と比べると雲泥の差です。これが民間の金融機関や信販系のローンになると3ー8%まで跳ね上がります。
さらに返済についても、教育ローンはすぐに返済を始めなければなりませんが、奨学金は卒業後からであり在学中は利息も発生しません。そのため、金融的側面から見ると明らかに奨学金の方が返しやすくなっています。
ただ、教育ローンは200万ならば200万をその場で一括で借りれるのに対して、奨学金は基本的には毎月の定額振込です。ところが、大学の費用は入学時点で入学金・設備費・半年分か1年分の授業料を払ってまとまって支払わないといけません。ですので、奨学金は入学時の納付金には使うことができず、現実的には毎年の授業料の支払いにも直接当てることはできません。
教育ローンは高校入学時点から検討すべし
このような特徴を見て見ると、大学の費用で最も重たいのは入試前の冬期講習あたりから入試、そして入学時が何と言っても重たいです。冬期講習で50万円、10学部受ければそれで35万円、入学金と初年度授業料等で150万円、このくらいが3ヶ月くらいで一気にやってきます。
この最大の支出どきに対しては奨学金は当然使えません。ですので、ここに資金を手当てする場合は当然に教育ローンが必要なわけですが、この時点でローンが必要かどうかは概ね高校入学時点には分かっているはずです。銀行の融資に対しての審査は時々によって姿勢はまちまちですので、「必要になった時に相談」では遅いです。
そうではなくて、子供が高校に入学し大学を目指すことがほぼ明確になった時点で、できる限り早い時点で教育ローンについては相談に行くべきです。日頃公共料金や給与振込口座に使用しているメインバンクには必ず相談するのと、教育ローンについては日本政策金融公庫については金利が最も安いですからまず検討をしてみましょう。とにかく、高3の冬になって慌てて検討・相談をするということのないようにしましょう。
奨学金の返済はあらかじめ親子で負担割合を決めておきましょう
昨今は奨学金の返済に苦しむ人が増えており社会問題化しております。そのような点からも、親御さんとしては奨学金よりも自分の負担でと思いがちですが、金融商品としては奨学金とローンでは圧倒的に奨学金が有利です。ですから入学後の生活費や授業料としては必ず奨学金は検討しましょう。
ただ、返済については「本来親御さんが借りるつもりだった分」については返済がスタートしたならば親御さんが一緒に返済をして行く、そのような返済計画を子供と一緒に決めておきましょう。奨学金の返済を子供任せにしない、あらかじめ返済の仕方を子供と相談した上で奨学金を借りる。これは、共に将来を一緒に語ることにもなり、金融知識に乏しい子供達にしっかりとお金を借りるということのリスクを伝え共有するということにもなり貴重な場になります。
返済不要の給付型奨学金も必ず情報収集しましょう
2016年頃より政府を中心に「給付型奨学金の拡充」が議論されてきております。すでに一部所得制限付きですが政府による給付型奨学金が2017年度より受けることができるようになっております。
実は民間や公的機関による給付型奨学金というのはすこ調べて見るだけでもかなりの数の本数があります。
非常に多種多様になっていますから、学校の進路相談室などに行ってみて申請できるものを調べたり聞いたりしてみてほしいです。ただ大事なことは、そのほとんどに「成績要件」が付随しております。つまり、成績優秀であることが条件になっていることがほとんどだ、ということです。
その内容もそれぞれですが、大事なことはこのような情報については高校1年生時点でしっかりと子供に伝えて行くことが必要だ、ということです。お金のために勉強をしっかりしろ、というわけではありませんが、しかしやっておけば選択肢が増えるということになりますので、給付型奨学金の情報収集は是非とも高校入学後早い時点で取り組んでおきましょう。
まとめ
教育ローンと奨学金は「どちらか」を選ぶというものではなく、使用する目的や必要となるタイミングに応じて組みわせて検討すべきものです。特徴をよく理解し情報を早い段階で収集して先手先手で対応をしていきましょう。