大学を選ぶにあたりどの学部、あるいは学科を選ぶのかというのは大きなテーマの一つでしょう。もしも高校生の段階で既に「絶対に弁護士になりたい!」というような明確な目標がああるならば、それを実現するための学部を選べばいいので簡単です。
しかし、相当数の方々はまだそのような明確な目標がない中での学部選択をすることになるでしょう。今回はそのようなケースにおいて学部選びに失敗しない3つの条件を考えて見たいと思います。
現在の得意・不得意科目で選ばない
大学「受験」を考えると、どうしても学部選びにおいて「自分は数学が得意だから理系」とか「理科ができないから文系」とかのように、概ね文理の選択の段階では自分の得意科目不得意科目で選択をしがちです。しかし、これは是非とも避けるべき考え方です。
学校で取り組んでいる勉強というのは、それ自体ができるようになることが目的であはりません。受験という軸で見れば受験をパスするための手段であり、受験そのものを見てもそれは、自分の希望する学部学科に入り自分の人生を前進させることが目的です。
科目というのはそのうちの1つの要素であり、手段でしかありません。手段が目的を拘束するというのは本末転倒です。まして、学校で習っていることというのは周知の通り、それ自体が決して将来の仕事や様々な出来事に直接的に役に立つわけではありません。そのような「科目」に自分の人生を制限されるべきではありません。
そうではなくて、各科目というのは自分が選んだ学部学科に進学するための手段であるわけです。クリアすべき課題、であるわけです。そこを逆に捉えるのは、自分の人生の可能性を大きく規定してしまいます。自分が行きたいと思う学部学科があって、そこに入るために試験科目があるからそのために勉強を一生懸命するわけです。
仕事も同様で、ちょっと出来るからプロジェクトや目的があるのではなくて、プロジェクトや目的に対してクリアしていくべき課題があります。その逆はありません。受験だからといって得意な科目が使える不本意で面白いとも思えない学部学科を選んでも人生にとってプラスになることはありません。
損得勘定で選ばない
これも大変重要で陥りやすいところです。就職に有利だから、将来的にこういう分野の需要が高そうだから、などなど、そのような損得勘定で学部学科を選んでもいいことは何もありません。
もちろんまだまだ大学名やどの学部学科なのかというのが、就職に対して一定の影響力があるのは間違いありません。しかし、かといってそれが絶対的な影響力があるものでなくなっているのも間違いありません。昨今の就職活動の様子を見ても、大学名ももちろん大事ですが、それ以上にどのような活動をして来たのか、どのような考えを持っているのか、どのようなアビリティを持っているのか、そういった面をきちんとシビアにみていくのが一般的です。
そして何よりも就職において最も重視されるのは「主体的に行動できるか、してきたか」という点でしょう。言われるがままに勉強をしてきたというような受動的な姿勢の企業戦士予備軍から、自ら考え・動き、課題に向かっていくそういう姿勢の人物を求めていないところはないでしょう。
そう考えると、損得勘定で自分がやりたいとも思っていない学部学科を選んでも、本当の意味で主体的に勉強に臨めるかといえば、そこは甚だ怪しいです。ましてその質となると、そもそもの学部選択の段階で思い入れが損得なのですから、なかなか本気でその分野の学問に向き合えるかといえばそれは難しいでしょう。
もう1つ大事なのは、高2の段階でそのように損得で学部を選んでも、就職し社会に出る6年後あるいは8年後にその損得勘定が適切であったのかどうかは非常に不透明です。現在のようにITとネットワーク化が進みAIが浸透してくる中において、仕事のあり方そのものが変わっていくことが十分に予想されるわけですから、現段階での損得勘定などなんのアテにもならないというものでしょう。
学部学科は「面白そう」と思えるものを選ぼう
そう考えてくると、ではどのような視点で学部学科を選ぶべきかといえば、その視点はただ1つです。それは、自分自身が「面白そう」と思えるものを選ぼう、ということです。
システムエンジニアが面白そうと思えば、そういう勉強ができる学部学科を探しましょう。環境系の仕事が面白うそうと思うならば、そういう学科を持つ学部を探しましょう。(意外と農学部とかが多いのです)いやいや、国際政治学面白そうと思うならばそれもいいでしょう。
どんな分野でもいいです。でも、現段階での自分が「面白そう」と思えるものを4年間取り組む勉強として選択していくべきです。大学は、多くの人にとっては人生で初めて「自分で勉強したいことを選べる」機会です。この機会に思いっきり勉強するためには、自分が興味と関心を持って臨める、面白そうなものでなければ勿体無いです。
面白そうだと思えるから、勉強も研究も自分から主体的に動き参加していくことができます。だから良い勉強や研究ができ、それが就職活動の時に大いに語れる、伝えられる内容になっていくはずです。
そして、1つ大事なことは、だから、そのために、しっかりと高校生は世の中のことに敏感になりアンテナを張り、情報を取りに行こうということです。世の中で何が起こっているのか、どんなことになっているのか、何が変わって行こうとしているのか、その変化のスピードというのはドンドンと高速化しているわけでそこに敏感にアンテナを張っていくことで、自分が本当に「面白そう」と思えることに出会えます。
まとめ
面白そうと思える学部学科を選び、そこから大学を選定し、そして必要な受験科目を決めて必要な学習を決めていく。この順番が学部学科選び、並びに受験勉強に失敗しない大原則と言っていいでしょう。