日本史選択の受験生にとって、センター試験は1つの大きな関門です。本番で高得点を取るためには、夏休み中にセンター試験で7割を突破していることが、特に高いレベルの大学を目指す場合に必要です。今回は「センター日本史」について知ることから始めて、センター日本史の7割突破のためにするべきことを紹介していきます。
センター日本史について
センター日本史の問題は例年、全ての時代を対象としたテーマ史の第1問と原始・古代を対象とした第2問、中世・近世初期を対象とした第3問、近世中期~後期を対象とした第4問、近代(明治時代中心)を対象とした第5問、そして近現代(大正時代以降)を対象とした第6問の計6つの大問で構成されています。解答方法は全てマークシート式で、古文書や地図などが問題に取り上げられることが多いです。
問題用紙に書かれている内容が、最大のヒント!
「問題用紙を見る」ということは、選択肢を見ることだけを指しているわけではありません。今回は、2010年のセンター日本史の本試験の問題を使って、解き方を紹介します。
センター試験日本史(本試験)・2010年
今回は空欄㋒に入る歴史用語だけ考えていきます。㋒に入る歴史用語は「アロー戦争」と「アヘン戦争」のどちらかです。答えを出すために、まずリード文に書いてある内容を見てみましょう。リード文に書いてある㋒の直前には、1842年という年号が書いてあります。この年号で判断すれば速攻なのですが、今回はこれだけで判断はしません。1842年ということは19世紀前期、つまり江戸時代後期です。これを頭に入れて、リード文に書いてある㋒の直後を見てみましょう。「ペリーの来航後」と書いてあります。つまり、㋒には文章の流れから判断して、ペリー来航後の出来事は入りません。ペリー来航は幕末の出来事です。つまり、㋒には幕末より前の出来事が入るということになります。よって、江戸時代後期の出来事の「アヘン戦争」が正解となります。この問題は少し難しい部類に入りますが、このように問題用紙に書いてあることを最大限活用していけば、難しい事項を覚えていなくても解けるわけです。
センター日本史で点数を取るための見方・考え方
センター日本史の平均点は例年60点前後で、基本知識があれば解けるはずの7割を突破したことがありません。多くの受験生は、暗記力が強く試される私立大学の入試を意識しすぎて、センター日本史を同じ考え方で解いているためなかなか点数が伸びずに、「難易度が高い試験だ」と感じてしまうのです。
センター日本史が試している力はずばり、「歴史用語の時期や地域(覚える必要性による)・内容を、歴史用語を問題用紙で見て思い出し、選択肢から選ぶことができる力」です。そのため、答えを出すために必要な歴史用語は、全て問題用紙に書いてあるのです。
よって、Q17世紀初期に江戸幕府を樹立したのは誰か A徳川家康 といったような、“用語を暗記”するタイプの一問一答式の勉強法では、私立大学の入試ではある程度通用しても、センター日本史ではほとんど通用しません。センター日本史で通用する暗記の仕方は、Q徳川家康とは? A「17世紀初期に(時期)」、「江戸に(地域)」、「幕府を開いた武将です(内容)」 といったように、先述のQ&AのQとAの内容をそのまま逆にして、“時期と地域と内容”を意識して暗記する勉強法に変えれば良いのです。
まとめ
いかがでしょうか。この記事を読んで、センター試験で7割を超えることは決して難しいことではない、と感じて頂ければ幸いです。
関連記事
日本史のファーストステージ学習のための参考書5選
日本史は通史の後にテーマ史。テーマ史を軸にした勉強法
日本史~センター試験の勉強方法