英語が苦手だと、文型志望でも理系志望でも大学受験の選択肢がとても狭くなってしまいます。
ただ、長文が読めない、英作文ができない、発音がわからないというように、特定の分野が苦手な場合はそれをしばらく集中して勉強すれば、比較的短期間にキャッチアップできます。
一方、どの分野も苦手で平均的に得点が低い人が、すべての分野を1つ1つ強化しようとするとかなり時間がかかりますが、こういう人には共通した特徴があります。
それは英語を「言葉」ではなく「教科」としてしか考えていないということです。
この意識を簡単に克服できて、英文の読み書きがずっと楽になり、発音やリスニングも怖くなくなる方法が、短時間の「音読」を毎日続けることです。
今回は、英語の音読の効果と方法についてお話ししますが、特定の分野が苦手な人の実力アップにも役に立ちますので、ぜひ参考にしてください。
英語が苦手な人になぜ音読が良いか
学校で使った英語のリーダーの教科書に何が書いてあったか覚えていますか?
恐らくリーダーで記憶にある話を、多かれ少なかれ日本語では言えると思いますが、特に英語が苦手な人は、そこにあった英語をほとんど言うことができません。
試験のために訳を丸暗記しただけで、英語が残っていないからです。
皆さんが日本語を読んだり話したりできるのは、学校や家で黙って教科書を読んだからではなく、毎日自分で使っているうちに単語も語順も身についたからですね。英語も同じことです。
英語がわからなくて成績が伸びない人は、単語や文法を覚える前に、内容を知っている基本的な英語を文の形で頭の中に入れることが必要です。これで英語の土台ができるので、読解にも作文にも使うことができます。
大学受験生で数学が苦手な人でも、かけ算九九なら小学校で毎日言わされたのでいつでも使えるでしょう。あれと同じことを英語ですればいいのです。
英語を毎日20分音読しよう
では音読のやり方を説明します。材料は一通り内容のわかっているものを使います。おすすめは中学2年の教科書です。
3年にならないと出てこないのは現在完了形と関係代名詞くらいですし、2年なら比較的長文も少ないためです。
発音のことを考えると、CDが別売されている教科書ガイドを選ぶのがおすすめです。
これなら自分が使わなかった教科書でもかまいません。
1章ごとにざっと英文を読んで、わからないところは訳で確かめ、意味がわかったらひたすらくり返し音読します。
これだけを毎日20分続けてみてください。
音読の時は暗記しようとしないで、ただ英語をくり返しましょう。九九と同じでだんだん英語が蓄積されてきます。
これを続けるとまず英作文で正しい英語の形が作れるようになります。
次に、少し長めの文を読んだ時に意味ごとの区切りが見えてきます。
また、CDの発音をまねして自分でくり返し口に出すことを続ければ、発音問題とリスニングの得点は飛躍的に伸びます。