分詞構文というと接続詞が省略され現在分詞や過去分詞で文が始まり、意味がたくさんあり分かりにくいというイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。接続詞など意味を持っていた単語を省略して書くということは、省略した単語の意味を文脈的に判断しなければいけないということでもあります。
そのため、分かりにくいというイメージは全く間違っていません。分詞構文は基本的に文章で使われるもので会話ではあまり好まれません。
今回のコラムではその分かりにくい分詞構文の作り方、意味などを解説していきます。
Contents
分詞構文の作り方
能動態で意味上の主語が同じ
When she entered my room, she saw me talking with another girl.
この文では接続詞whenが使われており、意味上の主語が文の主語と同じです。
手順としては以下の通りになります。
1 接続詞(when)の消去
2 意味上の主語(she)の消去
3 動詞部分を現在分詞に変える(entered→entering)
Entering my room, she saw me talking with another girl.
受動態で意味上の主語が同じ
Because this is written in simple English, this article is easy to read.
この文では接続詞whenが使われており、意味上の主語が文の主語と同じです。
手順としては以下の通りになります。
1 接続詞(because)の消去
2 意味上の主語(this)の消去
3 動詞部分を現在分詞に変える(is written→being written)
4 beingが文頭に来る場合、普通省略する
Written in simple English, this article is easy to read.
能動態で意味上の主語が異なる=独立分詞構文
Because her husband was away, she felt lonely and miserable.
この文では接続詞becauseが使われており、意味上の主語は文の主語と異なります。
手順としては以下の通りになります。
1 接続詞(because)の消去
2 意味上の主語(her husband)は残す
3 動詞部分を現在分詞に変える(was→being)
Her husband being away, she felt lonely and miserable.
With+独立分詞構文
独立分詞構文が付帯状況の意味を表すとき、withを伴う形になることが多い。
A zombie moaned to me, with his tongue hanging out.
否定語の位置
文の作り方は普通の分詞構文と同じで、否定語は基本的に分詞の前に置きます。
When she did not enter my room, she did not see me talking with another girl.
→Not entering my room, she did not see me talking with another girl.
Because this is not written in simple English, this article is easy to read.
→Not written in simple English, this article is easy to read.
分詞構文の時制
今回のコラムで紹介した例文の様に、文の動詞と時制が一致する場合には何か特別なことをする必要はありません。
文の述語動詞の時制よりも前のことを表現する場合、特別な操作が必要です。
Because I had read that comic book, I already knew that story.
手順としては以下の通りになります。
1 接続詞(because)の消去
2 意味上の主語(I)の消去
3 動詞部分を現在分詞に変える(had read→having read)
Having read that comic book, I already knew that story.
分詞構文の意味
冒頭にも書いた通り、分詞構文には意味が多いです。
時、原因・理由、付帯状況、条件、譲歩の意味を表します。文脈的にこれらの内どれかを意味するわけですから、長い文では意味が分かりにくく、また会話においては聞く側の負担となります。そのため、分詞構文は文語的な表現であると言えます。
時
Seeing a lot of zombies, he ran away.
→When he saw a lot of zombies, he ran away.
※この文だと接続詞はBecauseでも成り立ちます。そのため、接続詞が何かは前後の文脈から推測することになるので意味が曖昧になります。
原因・理由
Having left his textbooks in his class, he went to school to get them.
→Because he had left his textbooks, he went to school to get them.
付帯状況
「~しながら」
Those monsters chased after people running away from them, swinging a club.
「~して、そして」
A dragon came to me, asking me to hire it as a maid.
条件、譲歩
これらの表現は基本的に慣用表現で用いられるので、ここでの説明は省略します。
慣用的な分詞構文
代表的なものをとして下記の例を挙げますが、他にもたくさんあるので出るたびごとに覚えていくしかありません。
Assuming he is a zombie, what should I do?
→assuming~:~だと仮定したら
Considering his ability before his death, he should have run faster.
→considering~:~を考えると
Granting he is a zombie, he is my son.
→granting~:~だとしても
Judging from the look on his face, he must be a zombie.
→judging from~:~から判断すると
Strictly[Frankly, Roughly] speaking, he is a zombie.
→strictly speaking:厳密に[率直に、大雑把に]言えば
Taking his situation into consideration, we decided to run away from him.
→taking~into consideration:~を考慮に入れると
まとめ
分詞構文の作り方、意味、慣用的表現などを説明してきました。あまり細かい部分は端折っている部分がありますが、大まかな理解はできると思います。
特に分詞構文の作り方を覚えておくと文法問題で空欄の数が足りないと感じた時に分詞構文だと気が付くことが出来るようになると思います。