「勉強のスケジュールの立て方」では高3生の弱点の洗い出しとして過去問を勧めています。勿論、自分の弱点を把握することで、受験まで期間効率的な勉強をすることが出来るようになりますし、計画も立てやすくなります。
今回は改めて過去問の演習方法とその落とし穴について説明していきたいと思います。
Contents
赤本の購入
高校3年生ではなくても、志望の大学決まっている場合、赤本を購入することを推奨します。年度が新しくなるごとに、古い年度の問題がなくなりますし、どの様な問題形式かを確認することで普段の勉強に対する意識も強くなりやすくなります。
高校1年生などまだ十分に学習が進んでいない段階で、過去問を解いても多くの科目で出来ないことを確認するだけとなります。ですが、現代文は語彙に関する知識の有無や評論などへの慣れも大事ですが、高校1年生の内から解いても問題無いと思います。
現代文の記述式などは、早い内から問題と形式に慣れてしまわないとセンター試験が終わってから手を付けて全然解くことが出来ないなんてこともあります。
合格最低点を確認
自分の志望校の合格最低点を確認しましょう。最低でも何点とれば良いのかを確認をしないと、得意、苦手な科目や分野でどれだけ点がとれるかを計算していく必要があります。
また、最低合格点を確認したら、自分の目標点を決める必要もあります。目標点というのも、最初は最低合格点の中での各科目の配分だったり、確実に合格するような目標点だったりしますが、より具体的に各科目の点数を決めていきましょう。
演習と傾向と対策
過去問演習の仕方は大きく2つあります。
本番の試験と同様に制限時間を設けて解答
制限時間の2倍程度の時間にして、調べながら解答
本番の試験と同様に制限時間を設けて解答
通常予期する通りの方法で問題を解くことになりますが、問題を解く際に注意点が1つあります。それは集中力が持つかどうかと言う点です。試験時間は大体1時間以上となることが多くなります。
まず正直に言うと、1時間以上の試験で集中力が切れてしまうのは仕方ないことでもあります。そのため、どのタイミングで集中が切れるのか、どの問題で集中が切れるのかなど、自分の集中が切れるタイミングを理解しておく必要があります。
集中力が切れるタイミングが分かれば、実際の試験の時に集中力が切れてしまっても焦ることはありません。また、問題別で集中が切れることが分かれば、見直しをより重点的にするなどの対策でケアレスミスを防ぐことが出来ます。
制限時間の1.2倍程度の時間にして、調べながら解答
制限時間を通常の試験と同じようにして解く以外にも、制限時間を増やして、調べながら解くという方法も可能です。
この様な解き方の場合に問題になるのが、どこまで時間を増やすのかと、どこまで調べるかということです。
時間も調べるのもいくらでも時間と手間をかけようと思えば、いくらでも時間と手間をかけることが出来ます。復習の時に、1つ1つ分からない部分に時間と手間をかけることは大事ですが、実力を測る段階で過剰に手間をかけてしまうと結局自分の実力が分からなくなってしまいます。
どこまで時間を増やすのか
最大1.2倍と考えてください。元が90分の試験だとしても108分となり、2時間とはなりません。あまり時間をかけると、確実にだらけます。また、そんなに時間をかけるくらいなら、早く問題を解いて解ける問題と解けない問題を判別してから、解けない問題に時間をかける方が効率が良いです。
どこまで調べるのか
例えば、英語であれば設問に関わる部分以外は調べないとか、英作文・英訳問題でのみ辞書を使用するとか、使用するにしても回数制限を設けるなどのルールが必要になります。他の科目にしても同じなのですが、全く分からないものをゼロから調べるのではなく、解き方のとっかかりをつかむために調べるという方法にしてください。
全く分からない問題に関しては、その問題の解説をまず読むべきです。
演習の落とし穴
過去問演習にも落とし穴があります。この落とし穴は模試や実践問題演習などでも同様のものです。
過去問演習、模試、実践問題演習に共通するのは、自分の実力を確認するということです。この実力の確認には、単に点数が何点だったというだけではなく、この種類の問題が良かった、悪かったという確認も当然含まれます。出来の良かった問題は次も解けるようにとか、よりレベルの高い問題も解けるようにするとか、出来の悪かった問題は基礎から確認するとか、その様な確認も当然含まれます。
この確認をしないと、60~90分とか多くの時間をかけて問題を解いたにも関わらず、ただ出来ないことを確認しただけとなります。スポーツにおいても試合形式や試合というのは大事ですが、普段の練習の成果を発揮したり、そこで見つけた課題を練習に組み込まないと、ただただ時間を無駄にするだけの作業となります。
多くの時間をかけて、難しい問題を解くと勉強したつもりになれますが、重要なのは何点とったかではなく、どの問題が出来たかと、どの問題が出来なかったかです。これを理解していないと過去問演習は全く無意味なものとなります。
実践問題集という選択
一部の有名大学やセンター試験に関しては各予備校の模試を受けることで実力を測ることが出来ます。
また、それらの模試を収録した問題集も販売されています。
各模試の各科目でレベルに多少ばらつきがありますが、過去問のあまりに古い問題に手を出すよりは、問題形式が近年のものと近い模試を解いた方が良いと思います。
まとめ
過去問演習と言っても単に問題を解くだけは無いことが分かってもらえたでしょうか。目標や計画を立てることは勿論ですが、解いてからの行動も非常に重要になります。上で書いたことはいたってシンプルなことなので、漠然とこれで良いのかなと思っていたことの補強になればと思います。