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なぜ単語を覚えられないのか
単語が全然覚えられないと悩んでいる人は多いかと思いますが、シンプルに原因は一つです。「十分に数をこなしていない」これだけです。
「エビングハウスの忘却曲線」というのをご存知でしょうか。これは人間の記憶メカニズムをグラフにしたもので、ある知識を完璧に暗記したとしても、人間は1時間後には半分以上のことを、1日後には4分の3ものことを忘れてしまうのです。
人間は生来暗記が不得意であり忘れるのが当たり前の生き物です。すべての事を覚えていたら、脳がパンクしてしまいます。忘れることは正常であり、覚えている方が異常なのです。
とは言っても、英語において単語の暗記は避けられません。
覚えるためには、忘れる度に適宜復習を入れていく必要があります。経験からもわかると思いますが、復習をする度に忘却曲線は緩くなり、記憶に定着しやすくなっていきます。ですから、単語を覚えるためには「1回で覚える単語数」×「復習回数」×「復習のタイミング」の3つが重要になります。覚えられない人はこのどれかが足りていないということになり、もっと言えば「単語を覚えるのに十分な数をこなしていない」ということになるのです。
暗記における4つの段階
単語の暗記の質には、以下の4つの段階があります。
①知らない
②見たことはあるが、思い出せない
③少し時間はかかるが、意味は出でくる
④瞬時に意味が出てくる
この単語の暗記の質で最も辛いのが、②から③に行く過程です。これは「覚えている」と「覚えていない」の境目ですので、時間がかかりますし何度も繰り返さなければなりません。
最終的には、入試に必要な単語を全て④の状態にしないと、全く使い物にならないことは覚えておいてください。
1ヶ月で2000語覚える単語の勉強方法
具体的に単語の勉強法についてお話していきます。
①うろ覚えを繰り返す
電車の中で単語の勉強をしている高校生を見ていると、単語カード1枚に何分も時間をかけたり、1ページを完璧にすることに執念を燃やしている子をよく見ます。しかしどちらも効率が悪いと言わざるを得ません。
単語を大量に覚えるコツは、うろ覚えでもいいから何度も繰り返すことです。単純に10分間勉強するならば、「1単語に1分間かけて10単語=10分」より、「1単語に6秒かけて10単語を10セット=10分」の方が、何倍も効果的を発揮します。一回完璧にしたところで、人間は必ず忘れるのです。
1回の質より、繰り返しの量を増やすことに始めは注力してください。うる覚えとは、英単語とその訳をみて「ふーん、そういう意味なんだー」で大丈夫です。
②最初は1単語1訳
最近の単語帳は、フルカラーであったり、複数の訳の意味や、派生語、類似語、といったようにかなり多くの情報があり、かえって受験生を混乱させてしまっているように思えます。
最初は質より量が単語を覚えるために重要であり、うる覚えをどんどんなくしてくためにも、情報は少ない方がいいです。ただ1単語1訳の単語帳は無いと思いますので、1個目の意味だけを覚えるといいでしょう。
③同じ単語を1週間以内に触れる
エビングの忘却曲線を思い出してください。人間は1日経つだけで、約7割のことを忘れてしまうのでした。単語帳を1周するのに2ヶ月もかけていたら、最初に記憶した単語はもう覚えていないでしょう。
そこで、 1週間で目標語数(ここでは1800語)を1周するようにします。厳しいと思うかもしれませんが、①②を徹底すれば、誰でもこなせる量です。
④「1日350個×6日」を1か月繰り返す
この暗記法では、最低でも1日2,3時間単語に費やすことになります。そんなに時間を取れないと思うでしょうが、単語をマスターするには、このくらいは必要なのだと覚悟してください。
このペースを守れれば、6日で約2000単語をとりあえず1周することができます。7日目は、前の6日で遅れが出た部分をやったり、復習をしたりする時間にあてます。これを毎週繰り返していくのです。やはりつらいのは序盤です。覚えた実感がないですし、単純な作業なのですぐ飽きも来てしまうでしょう。
でも、これはいつか必ずやらなければいけない作業です。受験生の後半でせっぱ詰りながらやるのと、今やるのではどちらがいいでしょうか。
⑤3か月ほどはメンテナンスを忘れずに
早い人は1か月でほぼ覚えられる人もいますし、中にはそれ以上かかる人もいます。本来持っている知識量に影響するので、個人差が出るのは仕方がないことです。
ただ、覚えたと思ってもそこでやめず、数か月は暗記のメンテナンスをした方がいいです。高マスの場合は、完全修得しても修了判定テストを受けることができます。これで1800語の中からランダムで100語のトレーニングができます。10分で終わるので、3か月くらいは毎日やるようにしましょう。
まとめ
大学受験で英語ができるようになるためには単語の暗記が絶対欠かせません。しかし、同じように単語を暗記していてもる人でも、ただ暗記している人とこのように工夫して覚えている人では確実に差が開きます。
効率的=楽をする、のように聞こえがちですが、実際は違います。大学の受験日は決まっており、その時間の制約のなかでいかに効率的に自分の漏れている単語を拾っていくことができるかどうかが合否を左右します。
人にはそれぞれ適した単語の覚え方がありますが、思うように覚えられていない人は是非試してみてください。
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