日本史のファーストステージ学習のための参考書5選

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学校での通史の学習が概ね終了すると、いよいよ日本史は受験に向けた学習のスタートになります。社会科目の中では一番選択者の多い科目であり、用語集などを見れば他の科目に比べて圧倒的に語数が多くなっている日本史ですが、効果的な学習のための参考書選びについてみていきたいと思います。

学習ステージを意識して参考書を選ぼう

世の中にはとても多くの日本史学習のための参考書や問題集があるわけですが、1つで全てを網羅できているものはありません。ですから、今の自分の学習ステージとレベルにおいて、次のステージ・レベルに上がって行くために必要な参考書をしっかりと見極める必要あります。そのために、まずは日本史学習のステージを分類してみましょう。

ファーストステージ〜基礎の学習〜

どんな科目でも、どんなレベルを目指す子でも基礎の確からしさというのは大変重要で、受験に向かうにあたりここを飛ばすことは推奨できません。たとえ東大を目指せるようなレベルの子でも、です。

基礎の学習については、目指すべきレベルなどによって学習内容を変える必要はありません。野球で言えば、素振りとキャッチボールとベースランニング、のようなものです。どんな名選手でも必要な練習です。

このステージの学習で大事なことは、いたずらに覚えようとするのではなく、きちんと物事の因果関係をインプットして行くこと、です。

例えば、武士が興ってきたのは、中央で藤原氏が外戚のポジションを得ることばかりに執着した結果、地方の行政が国司任せになり、その国司が徴税権を得た結果、やりたい放題をしたことが原因の1つです。その結果として、東で平将門の乱、西で藤原純友が反乱を起こすわけですが、この一連の流れを、ただただ「平将門の乱=939年」とか覚えてもほぼ意味がありません。年号は自然と時代感が入ってから、最後の方に必要性が高いならばしっかりと覚えていけばいいでしょう。この段階では、とにかく因果関係をきちんと整理して通史を確認したいところです。
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セカンドステージ 〜志望校の出題レベルに応じたレベルアップ〜

この段階では、目指すべきゴールが、旧帝大レベルの国公立なのか、早慶レベルの私立なのか、マーチレベルなのかあるいはセンターレベルでいいのか、という到達地点のイメージはできていると思います。ですので、それらの志望校群の出題レベルに合わせた参考書選び、問題集選びが必要です。

サードステージ 〜過去問演習と分野ごと演習〜

過去問に太刀打ちできるレベルができたならば、いよいよ過去問演習です。ここでは、過去問を取り組むことと、過去問を取り組んだ中で、補充すべき知識があれば、そこを重点的に学習していきます。例えば、近代の出題が多いが、どうも近代の経済史がよくわかっていないということならば、そこを重点的に補充できる問題集や参考書を選んでいきましょう。さらに、記述を重点的に対策する必要性の有無なども判断のしどころになります。

大きく分ければ以上のような形ですが、今回はこのうち、ファーストステージの学習にオススメの参考書と問題集を5つご紹介したいと思います。

ファーストステージの参考書オススメ5選

まずは要点整理を図解で「日本史要点 図解整理 ハンドブック」(旺文社)

このステージでまずしていくべきなのは、要点の因果関係をきちんと認識することです。そのためには、できれば「図解」されていることが望ましいです。字だけではなくて、ビジュアルでイメージできる、右脳も使っていこう、というところです。

約100個のテーマがコンパクトなサイズで要点だけを絞って解説されており、何よりご覧の通り、因果関係や相関関係をビジュアルを多用して記載されているので、パッとみてあたまのなかかが整理しやすいです。また文庫本より少し大きい、というサイズなので持ち運んでちょっとした時間にも確認をすることができます。

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ビジュアルの補完に向けて。「新詳 日本史」(浜島書店)

内容のビジュアル理解の補完という点でオススメしたいのが、おそらく多くの高校生が学校で配布されている、資料集です。

こちらは日本史の試験を受けるということで必要と思われる写真資料はほとんど収められている、といっていいでしょう。この資料集です注目したいのはとにかく「写真」です。また、関係図や地図での説明などもしっかりみておきたいところです。

資料集は、字を読もうと思うとかなり細かいのですが、写真・地図・図、であれば非常にみやすく出来ていますので、上記の要点チェックと合わせて確認していくと効果的です。

基本事項の定着の確認に。「詳説 日本史書きこみ教科書」(山川出版社)

この段階で通史については、一度定着を図りたいところです。網羅的に基本を確認するにはこれで十分です。書かなくていいです。穴埋めの問題を見て、わかればよし、わからなければさっさと下を見て確認をしていきましょう。書きこみ、となっていますが、書き込んでいく必要はないです。

文献資料を確認。「新版 日本史資料」(吉川弘文館)

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要点整理が一回りしたならば、是非とも抑えていきたいのが日本史資料の中の文献資料です。学問としての日本史の研究というのは、基本的には資料を読み込む、資料を重要視するというところにあります。その資料の大部分が文献資料です。入試の問題を作るのは大学の先生方ですから、当然にこれら文献資料は大いに扱われる可能性が高いわけで、実際のところ文献の引用問題は出題をどんどんと増やしています。

ですので、ファーストステージの基礎学習の中にも必ず「文献資料」の主だったものに目を通しておく、ということが必要です。

古文の苦手な人には一見すると罰ゲームのような参考書ですが、そう思えば古文にも役立つところでもありますので、まずは文献本文をたとえ何いっているかわからずとも読んで、その上で解説を読んでいきましょう。この際に、この参考書については、次にめくった時には何を見ればいいのかわかるように、重要箇所には必ずマーカーで印をつけておきたいところです。

また、文献内の言葉が何を示すのか、というのが問題になりやすいです。例えば「寛政異学の禁」のなかで「正学」というのが何を示すのかは絶対にわかって欲しいところですが、そういう用語の確認が各ページの上段にまとまっていますので、必ず確認をしておきましょう。

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文献資料の問題練習に。「日本史資料問題 一問一答」(東進ブックス)

文献資料については、理解の確認をするためにこの段階で一度しっかりと問題演習をしてみましょう。古文中心の文献ですので、なかなか一読しただけでは頭に入りにくいところですので、問題を解くことで整理・確認ができます。

ファーストステージとの取り組みとしては、暗記に走るのではなく、因果関係と相関関係を整理して、できる限りビジュアル理解を深めていくこと、そしてその情報を大学受験に向けては文献資料の中で活用できるようにすること、この2点にフォーカスして取り組んでいくことが重要です。特に、昨今の資料問題の活用の進み具合を鑑みると、センターまでしか日本史を利用しないような生徒でも、しっかりと知識を文献資料ベースで確認することは共通の基礎力、として認識をしていく必要があるでしょう。

参考書は少なければ少ないほどいい

世の中には日本史を学習するための参考書はものすごい数があって、WEBを使って調べれば、数十冊のオススメの参考書がすぐにでてきます。しかし大事なことは、「たくさんの参考書を扱うことではなくて、目的にあった参考書を選び、隅々まで深掘りしていくこと」です。ですから、なぜなんのためにその参考書を選ぶのか、そこをしっかりと吟味をした上で、できる限り「少ない」参考書ですが勉強を完結させていくことが大事です。

あれこれと参考書サーフィンをしていると、結局はどの参考書ともマスターできない、マスターできないということは、その参考書の持つ「効果」を習得できないということになりますので、効果的とは言えません。

参考書は少なければ少ないほどいい、という視点で吟味をしていきたいところです。

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