大学受験の模擬試験は現在は基本的には東進・駿台・河合の3銘柄、といっていいでしょう。代々木ゼミナールが学校ごとの模試しか行わなくなっていますので、大きなブランドとしてはこの3つでいいかと思います。
それではこれらの模擬試験のどれを、いつ、どのくらい受けていくべきなのかを今回は見て行きたいと思います。
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模試は大きく分けると3つに分類される
一口に模擬試験といってもその種類は様々です。しかし、しっかり見ると基本的には大きく3つに分類できます。①マーク式模試(センター模試) ②記述模試 ③志望校ごとの模試 です。特に高3・既卒生はこのどのブランドもこの分類になっています。東進だけ「全国統一高校生テスト」がありますが、これは少し毛色が違うので別物です。
これらの3つの模試がまずはどういう特徴を持っているのか見て見ましょう。
マーク模試(センター模試)
マーク模試のレベル感は基本的にはセンター試験レベルです。このレベル感というのは各ブランドで基本的には大同小異というところです。11、12月になるとセンター直前模試というような扱いになり、11月末、12月前半というセンター試験直前まで受験することができます。
レベル感がセンター相応で記述はありませんので、自らの志望校が日東駒専レベルまでという場合は、一部の記述式の多い学部を除けば受ける模擬試験はここまでで十分です。MARCH以上や国公立を志望する方も、志望校判定はドッキング判定判定というのが用いられますのでマーク模試も必ず複数回受験する必要があります。
記述模試
記述模試もどのブランドも実施していますが、ここはレベル感が違います。まず駿台の記述模試はこの3ブランドでは一番レベルが高いと言えます。ですので上位校の志望者が中心に考えていくべきでしょう。次に一番のメジャーブランドの河合は記述模試は一本ですので、ここは幅広い層の受験者が参加します。東進は難関模試と、有名模試とに分かれます。難関が早慶上理以上、MARCHまでならば有名模試でいいでしょう。
記述模試の大事なところは、国公立志望者には直近のマーク模試とのドッキング判定がされるという点です。ですので国公立をメインに考える場合は、マーク模試との記述模試は合わせて受けましょう。だいたいどこも、最大1ヶ月以内に二つを受験できるような日程になっております。
大学別模試
旧帝大、早慶、医学部系については学校ごとの模擬試験が設定されております。これらの学校を志望する際には夏の終わりから11月にかけて各ブランドで学校別の模試が実施されますので、是非とも複数回は受験しておきたいところです。特に医療系の受験をする場合は、秋以降は記述模試よりもこちらを優先させるべきです。
どういうスケジュールで受けるべきか
もちろん志望する学校やご自身のレベル感によって大いに違ってきますが、オーソドックスには、例えば早慶MARCHあたりの志望ならば、夏休み前までにマーク2回、記述1回、9〜12月にマーク1回、記述・学校別模試2回、センター直前模試1回、を基本に考えて行きましょう。
現役生で夏休み前までは部活動などで忙しいケースも、最低でもマーク模試1回は夏前までに必ず受験をしておきましょう。旧帝大、早慶あたりの志望者は、秋には学校別の模擬試験はできれば2回は受験しておきたいところです。
留意すべきこと
模擬試験で留意したいのは答案返却の時期です。高校入試や中学入試の模擬試験の場合は長くとも10日後くらいまでには必ず結果が出ます。中学受験などは数日で判定されるケースも多いです。高校受験でも1週間程度です。しかし、河合と駿台の模試は結果が出るまでに概ね30〜40日前後の時間がかかります。
ですから、模試の結果を知ることなく、次の模試を受けているということになります。忘れた頃にペラっと結果がやってくるという感じになっています。40日前の模試の振り返りをそこからしても遅いので、これらの模試を受ける際に肝に銘じたいのは「答え合わせは模試が終わったらすぐ行う」ことです。結果が出てからでは遅いので、自分の解答をきちんとメモをしてきて、即日できる範囲で答え合せをし、その結果を見ながら明日からの自分の学習計画に反映させて行きましょう。
結果については、東進のマーク模試だけは8日程度のスピードで返却されます。
ブランドは統一すべきか
受ける模擬試験について、東進なら東進で駿台なら駿台で続けて受験すべきかという質問はようくけるところですが、ドッキング判定がかかっているところ以外は、基本的にはブランドを気にする必要はありません。というよりも、積極的に複数のブランドの試験を受けてみることをお勧めします。
試験の受け方、進み方、会場の様子、答案用紙や問題用紙の違いなどなど。細かいところですが、ブランドが違えば流儀が違います。当然、入試本番も学校ごとのに入試の進み方というのは皆違います。そのようなところで戸惑いを生まないためにも、いろいろなところでブランドを超えた模試を受けてみることが、試験本番の対応力を上げて行きます。
同じところで同じように試験を受けていると、そこが「ホーム」のようになってしまって、アウエーで弱い、というようなことになりかねません。
まとめ
最終的には、どの模試をどれくらい受けるのかは一人一人によって違うわけですが、少なくとも「3つの種類」「答え合わせは即日自分で実施」「ブランドはどんどんまたぐべき」という3つのポイントは認識しながら考えてほしいと思います