我が子と考える入試制度〜AO入試編〜

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保護者のみなさんはお子さんが受験する際の入試制度についてご存知ですか?
以前は入試制度と言っても一般学力試験が普通であり、推薦や帰国子女といった特別な選抜方法はあくまで「特殊」なものであり、絶対数も少ないものでした。

しかし現在は状況が変わっています。
慶應や早稲田をはじめとする超有名私大の内、一般学力試験から選抜するのはたったの約50%です。
逆に言えば、半分の学生は推薦やAO入試などの制度を使って入学しているのです。

もちろん学力試験よりも高い可能性で入試を突破できるに越したことはありません。
しかし、その弊害についても理解しておく必要があります。
そこで、今回は最近有名になっているAO入試について解説します。

AO入試とは

AO入試とはアドミッションズ・オフィス入試の略であり、アドミッションズ・オフィスとは「入学管理局」という意味です。
意味合いとしては学力試験によらず、大学の求める人物像と受験生の人物像を照らし合わせて、その結果合否を決めるというものです。

AO入試ではいくつかの書類を用意する必要があります。
大学により要求は異なるものの、内申書、高校時代の活動報告、大学入学後の学習計画等の他、試験として面接や小論文が存在します。

通常の学力試験を受ければ、たくさんの暗記や問題演習をしなければなりません。
しかしAO入試であれば、上記の資料の準備や一部面接対策をするだけですから、かなり受験しやすい制度だと言えるでしょう。
高校時代に特筆すべき経験をしているお子さんには適合している試験かも知れません。

問題が起きるのは入学「後」

AO入試で大学に入った場合、待ち受けているのは一般入試で入学してきた周囲の同級生です。
先ほど提示したように一般入試での入学者は半分程度。
しかし、一生懸命勉強して大学受験を突破してきた努力の人たちです。

そして大学の授業は「大学が必要だと認識しているレベル」すなわち一般入試を突破したレベルに標準を合わせて行われます。
ですから一般入試組よりも学力で負けているのであればその分後から勉強しなければなりません。

しかしそのときのお子さんはもう大学生。
サークルやアルバイト、友達との遊びなど、誘惑はいくらでも転がっています。
ましてや今まで一般入試から逃げてしまった状態から、毎度の大学の講義の予習と復習をするなどというのは、かなり難しいのが実情です。

待ち受ける最悪の事態

大学の勉強についていけなければ留年です。
さらに留年を繰り返すと大学にいられず、退学になります。
もしくは勉強に一切ついていけず自分から諦めて退学する場合もあるでしょう。

読売新聞の調べによれば、実はAO入試組は一般学力入試組よりも2.6倍の退学率があるそうです。
また、計算上はAO入試組の約6人に1人が退学しているという計算になります。

もちろん退学という表面的な数字だけでなく、仮に社会人になったとしても就職活動や実際の仕事の面で、一般入試組が持っている知識や努力量に対しては不利な状況である可能性が高いと言えます。

まとめ

AO入試自体は画期的な選抜方法であり、大学としても人物評価を行った選抜形式の採用は大きな決断だったと言えるでしょう。
しかしお子さんがそれに甘えてしまい、学力のないまま入学してしまうと、大きな落とし穴にはまってしまうかも知れません。

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