大学受験に向けて一生懸命勉強している受験生の中には、定期テストの勉強をほとんどしない人がいます。その理由は簡単で、定期テストは本番の入試と科目や傾向が異なるため「あまり意味がない」と思っているからです。
しかし保護者のみなさんからすれば、高校へも学費を払って通わせている立場。なかなか「高校なんて疎かにして良いよ」などとは言えないでしょうし、いくら受験勉強をしているとは言え定期テストのようにすぐに結果が出るものではないので、不安があることも事実です。
よって今回は、お子さんと定期テストの付き合い方について紹介していきたいと思います。
定期テストと入試の距離
普段の定期テストの勉強や、学校の勉強が、受験勉強の基礎になるとよく言われます。これは半分正解ですが、半分不正解です。
当たり前ですが、入試で出てくるのは英語や数学といった指導要領の科目ですから、学校の授業がわからなければ入試でも話になりません。
しかし、難関大学の入試では応用問題や(場合によっては)教科書外の範囲が出てくるため、学校の勉強ができていれば良いなどということはほとんどありえないでしょう。
極々一部の、東大合格者数などで雑誌に載るような私立高校でさえ、通っている生徒は普段の授業と入試に、ギャップを感じることもあります。
お子さんの状況から判断する
上記の通り、入試と定期テストは「違う」という見解は持っていただきたいのですが、実際にお子さんと話す際には状況の確認が重要です。
仮に定期テストの勉強を一生懸命やっていなかったとしても、そもそも成績が安定していたり、模試などでも結果が残せていれば、あまりとやかく言うことはありません。
しかし、定期テストの勉強をせず、普段も受験勉強をしているかわからなかったり、そもそも成績も全くふるわなかったりする場合は、ただ勉強をサボっている可能性もありますから、きちんと対話が必要です。
約束する
どのような学校の定期テストでも言えるのは、入試問題とは異なるものの、点数は相関しやすいということです。
定期テストでは入試で問われないポイントの丸暗記などもあるため、定期テストで成績が良いからと言って、入試で点数が取れるわけではありません。
しかし、入試で得点できる力があれば、少なくとも定期テストで一定の成績は残せるはずですし、それはお子さんも理解しているはずです。
ですから、定期テストの勉強をしろだとか、学費を払ってやっているだとか、保護者目線で話をするのではなく、定期テストでどのくらいの成績を取るのかだけ、約束しましょう。
また、約束するのは定期テストを一生懸命やりきって取るべき成績ではなく、「受験勉強を頑張ることで自然と取れると思われる成績」を約束するべきです。
必ずどの高校でもいるのが、定期テストの成績が非常に良かった割に、大学受験では目立たない受験生です。狭い範囲を細かく勉強することしかできないクセがつくのは、受験勉強的にはハンディキャップにしかなりません。
まとめ
いかがでしょうか。定期テストと入試には、現実的に大きな乖離があります。それは、受験勉強を一生懸命やるほど、明確なものとして見えてくるのです。
サボるための言い訳として受験勉強を使わせてはいけませんが、きちんと勉強しているお子さんは、見守ってあげることも大切です。