「英語4技能:スピーキングを鍛える」では、「単語を知らないと何も言うことが出来ません」と「基本的に語彙は多いほうが良い」ということを述べました。
今回は更に具体的にどれだけ語彙が大事かということを紹介していきたいと思います。
まとめ
- 中高の授業で覚えられる語彙数は3000だが、この数は少ない
- 大学受験は最大6000語を覚える
- 豊富な語彙でごり押し可能
- 大学入学後も英語を勉強するならまずは10000語を目指す
Contents
3000語は少ない
中高で覚えるべき語彙の数は約3000語です。
中学校で1200語、高校で1800語となります。
これは中高と6年間、英語を授業で勉強して身に付けることができる語彙の数です。
この数は明確に少ないと言えます。
何を根拠に少ないのかと言いますと、英語のネイティブスピーカーの語彙数が約2万語と言われています。
大卒だと語彙数が約4万にもなるとのことです。
母国語話者に比べて勉強途中の人の語彙が圧倒的に少ないのは当たり前です。
英語のネイティブスピーカーが約2万の語彙を身につけているからと言って、日本人学習者で高校生に2万語の語彙を身に付けろとは言いません。
日本人の高校生が約2万の語彙を身に付けることは非現実的です。
それでは、高校生は大学受験のためにどれくらいの語彙を身に付ければ良いのかを次の項目で説明します。
大学受験は6000語
受験したい大学のレベルにもよるのですが、大学受験で必要な英語の語彙数は約6000語程と言われています。
高校までの英語の授業で学べる語彙数が3000語であるのに対して、難関大学を視野にいれた英語の語彙数は6000語です。
そうなると、自分で最大3000語を覚えていく必要があります。
単語の暗記に仕方に関しては以下の記事を参考にしてください。
語彙でごり押し
冒頭でも語彙数は多い方が良いと述べましたが、文法を理解していて、語彙数が豊富であれば、ある程度文の構造が理解出来なくても語彙数の多さでごり押しできます。
ごり押し能力は前後からの文脈判断・推測よりも確実な力です。
単語の意味は分かるけど、文の構造が複雑でうまく意味が取れない場合、論理的に繋げていけば正解には近くなります。または、正解にだってなります。
英語が苦手だという場合、ここまでで終わりとなります。
ここから下は、大学入学後に英語を勉強したい人向けとなります。
大学受験後は10000語
大学受験に合格した後も英語を勉強していきたいという人もいるでしょう。
その様な人が持つべきとりあえずの目標は語彙10000語となります。
英語で仕事をしたい、留学をしたいという場合に最低限度必要な語彙数が約1万程と言われています。
ただその内容に関しては、自分が関心があることに絞っていった方が良いでしょう。
「英語を勉強する」というよりは、「英語で勉強する」という方向にシフトしていく必要があります。
英語の勉強を「英語道」の様に捉えて、実用性を無視して勉強のための勉強をすることも1つの方法ではあります。
ですが、「英語で何かをしたい」という願望があるなら、実用性を考慮に入れた勉強をしてく必要があります。
そのために、4000語の語彙を加えていくことになります。
多読と精読
語彙を増やす方法としては単語帳を使って勉強することも1つですが、文章を多く、または丁寧に読むことで語彙を増やすことが可能です。
多読とは、そのままの字面の通り多く読むことです。
とは言え、急に英字新聞や英語の本を読んでも知らない単語ばかりで挫折すること間違いなしです。
そのため、自分のレベルにあった文を選択する必要があります。
下記の記事を参考にしてレベルが低いものから徐々にレベルアップしていくのが良いでしょう。
リーディングとリスニングの基礎作り:TIMES for KIDS
News in Levelsの使い方 リーディングとリスニングを強化する
または、Graded Readersというレベル別に分かれているシリーズを使うことも出来ます。
レベルが高い教材を選んでしまうと数多く読もうとしても、そもそも数をこなすことができません。そのため、レベルが低いものから取り組む必要があります。
精読とは、学校の授業で行うような読み方です。
1つ1つの文の意味や構造などを理解しながら読んでいく方法です。
辞書、文法書を確認しながら読み進めることになります。
もしかしたらこちらの方が慣れているのでやりやすいかもしれませんが、多読と精読は両方行う必要があります。
また、多読している中でどうしてもわからない文だけを精読するなどの方法もとることが可能です。
まとめ
- 中高の授業で覚えられる語彙数は3000だが、この数は少ない
- 大学受験は最大6000語を覚える
- 豊富な語彙でごり押し可能
- 大学入学後も英語を勉強するならまずは10000語を目指す
繰り返しになりますが、上記の内容がこのコラムのまとめとなります。
中高で6年間、英語を勉強したからと言って語彙数が特に多くないどころか少ないということがわかるかと思います。