日本史の文化史はカテゴリーに分けて時系列で整理していこう

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日本史が好きな人でも、文化史の学習は嫌だな、、ということは多いと思います。文化史というとどうしても、聞きなれない寺とか彫刻とかの名前が無機質に並んでいるのをただただ覚えていく、という苦痛を想起させることは多いと思います。しかし、本当にそうでしょうか?

今回は、文化史を分解して時系列に整理していく学習方法をご紹介します。

文化史はたくさんのカテゴリーを含んでいる

まず考えて欲しいのが「文化史って何」ということです。これに対して「文化史とはこれだ!」と明確に答えられる人はなかなかいません。なぜならば、文化というのはその中身は時代とともに変わるものであって、平安時代と明治時代を同じ「文化」と括れるわけもありません。

実際は受験勉強の中では、文化史は「政治と経済以外」のもの、というところですね。つまり、政治をメインとして文化史は「それ以外」という扱いです。政治というのは歴史の中心であるようで、実は関係があるのはほとんど政治家や上層部の話であり、一般市民にとっては大事なのは大事なのは歴史の学習で「その他」扱いしている文化史の方です。

新聞で、政治欄なんかよりも芸能やテレビ、スポーツ欄ばかり見ている私のようなものですね。でも、私は芸能ニュースには興味はなく、スポーツには興味があって、文芸にもとても関心があります。

何が言いたいかというと、政治ではないその他大勢の文化史にはたくさんの「カテゴリーがある」ということです。

文化史を分解しよう

ではどのようなカテゴリーがあるかを見て見ましょう。

何と言っても日本史の文化史で一番大事なのは、まずは「仏教史」でしょう。仏教の伝来が古墳時代として、そこから飛鳥時代に広まり、奈良時代で鎮護宗教として隆盛を極め、しかし平安時代において密教へと転じ、武士の時代になると様々な流派が生まれて庶民に広がり、禅は文化としての影響を強め、念仏は一揆から抵抗勢力へと転じていきます。

メンタル

そして、織田信長に徹底して弾圧されることで、戦う仏教は終焉を告げ、江戸時代にはキリスト教の影響を削ぐために国民的宗教として幕府に政治利用されてきました。この辺りまできたならば、合わせてキリスト教の日本での歴史もまとめたいところです。

というような時代の流れとともに、一つの川のようにつながっている日本の仏教の歴史を見てみると、そのつながりの濃さは政治以上のものであることに気づきます。範囲が限定されているので否が応でももつながりを認識します。しかし、「平安時代の文化」で学習していると、天台宗は最澄、真言宗は空海で、浄土思想の広がりの中で平等院や平泉がある、というようなことをぶつ切りで習います。だから、覚えるしかない、ということですね。

次に見たいのは「学問・教育の歴史」でしょう。これは政治史と密接な関連がありますね。特に、律令制度下では国が中心となり学問が盛んですが、武士の時代では幕府にはその機能がほぼなく、地方において地方の大名によって学問が進み、しかし江戸時代になると幕府が学問をしっかり統制しようとしていく中で、また、地方の藩での藩校などが盛んになることによって、地方の力が強まって維新へとつながっていく。そういう歴史を見ると、実は学問において地方が力を強める時は、中央の力の弱まっている時というような流れが見えたりします。

庶民の暮らしに関わる部分では、住宅や建築様式の変化もとても面白いところです。これは竪穴式住居から高床への変遷(高床は倉庫だけではないです)、古代における貴族の寝殿造りが鎌倉時代の武士の住居には非常に影響を与えているとか、書院造はそれに比べて仏教の影響が強く、さらに城郭、江戸時代の農家と町家、それが明治・大正になりどう変化していくかというところは人の暮らしを知る上でとても興味深いです。

歴史イメージ

このほか、「絵画と彫刻などの芸術史」「文学・文芸」「能からの芸能史」などもまとめて見たいところです。また、ダイバーシティの観点から「女性史」などは文化史のジャンルとして扱うのか政治史と見るかはともあれとして、現在はとても重要な分野でしょう。

時系列にまとめて見る

文化と一口でいっても、それぞれのカテゴリーには独自の変遷があるわけです。ですから、1つ1つのカテゴリーにしっかり分けて「◯◯史」としてまとめて見ると、文化史が用語の羅列と文字列の暗記から、一つ一つに歴史的な意味を持った流れの学習に変わっていきます。

このような観点でまとまっている資料があまりないので、教科書や資料集を見ながら、仏教関連なら仏教関連だけをピックアップして自分で時系列にまとめて見ましょう。少し大変に思うかもしれませんが、やってみると実は、「江戸時代の仏教関連」なんてそう大した量がありません。20分もあれば十分まとまります。それを、古墳からつなぎ合わせてみると、実に仏教というのが日本で形を変えてきたか、その劇的な歴史にちょっとした感動を覚えるかもしれません。

まとめ

文化史は暗記するしかないというのが一般論ですが、ここではそこに与しない、文化史を分解してカテゴリーに分けて、時系列にまとめてみるという取り組みを紹介しました。文系の上位を目指す方々は是非とも実践して見てほしいです。政治史というのは歴史の勝者による物語であるのに対して、文化史こそまさに「生身の人間生活の歴史」である面白さ、というものをきっと感じられるはずです

 

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