人生の「面白そう」を探すのが大学に行く理由

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なんのために大学に行くのか。大学受験をする生徒、したことのある人は一度は考えたことのあるテーマでしょう。就職に有利だから?高卒と大卒では生涯獲得賃金が違うから?あるいは、何か特定の分野でしたい勉強があるか?

大学に行く理由はもちろん人それぞれです。今回は私が考える大学に行くりゆをざっくりとお伝えして見たいと思います。

将来を見据えて大学を選択できるか?

高校生の段階で、明確に「こういう分野の仕事につきたいからそのために、こういう学部のある大学に行く」というものがある人は幸せです。そのような人は、後はどこにするか、というチョイスだけですから悩みは大きくありません。

しかし、高校生の段階で「将来なりたい自分」が明確であるというのははっきり言って稀の稀、ではないでしょうか。それなのに、進路指導の基本スタンスは昭和の昔から「将来なりたい夢や職業、叶えたいこと」を明確にしてそれに即した進路選択を、ということになっていますが、「そんなのない」というのがほとんどの人でしょう。

それでいいと思うのです。

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高校生の時点で将来なりたい自分がわからない、それは決して悪いことでも恥ずべきことでもありません。いや、逆に当然のことです。

高校生のみなさんはいくらスマホの時代とはいえ、まだ社会の実際も知らないし、経験も少ないし、知識だって学校で学んだことしかないです。例えば会社がどんな組織であるかということについては現実は多種多様であるわけですが、プロトタイプされたものしか概ね知りません。今ならば、ブラックがどうとかそういうことが一番の物差しになっていますが、そんなのは実際の組織の持つ側面の小さな1つ、でしかありません。それなのに、さもそれが「超重要」指標であるかのように多くの高校生たちの話をしています。

いわばそのような情弱状態の高校生に、将来なりたいものを「無理矢理」見つけろ、というのは暴論です。そういう「夢や将来像」からブレイクダウンをして大学を選ぶ、大学に行くというのは私は現実的ではないと思います。それどころか、無理にそのようなものをもたせて、本当に、心からそうなりたいとも思っていない夢や将来像を作らせて進路を考えさせるというのは、押し付け以外の何者でもないと思います。

大学を選ぶポイントは”面白そう”かどうか

では、どんな思いで大学を選び大学に行くべきか。繰り返しですがその理由が明確な人はそれに従えばいいのです。ここでは、そういう明確なものがない場合、を前提にします。

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大学は国公立の一部の学校を除けば、入学時点で学部だけでなく学科まで選ばないといけません。政治経済学部でも政治学科なのか経済学科なのか。理系になって理工学部とかになると、数十の学科が並んでいる大学もザラです。ですから、大学名、学部よりもまずは「学科」を選んで見ましょう。

そのポイントはただ1つです。あなたが、今、「面白そう」と思える学科です。環境問題が面白そうだ、と思えばそういう系統を、世界史について勉強して見たい、と思えれば世界史学を専攻できる学科を、心理学が面白そうだと思えばそれを。なんでもいいのです。今の自分、16〜18年間生きてきた自分が今、面白そうだと思えることを選びましょう。

なぜか。

大学の学習が高校までの学習と大きく違うのは、大学の学習は「自分でやりたいことを選べる」というところにあります。高校まではいろいろ選択科目はあるとはいえ、結局は受験に収斂して行くので、大きな目で見れば、全国どこの高校の出口が受験ということで同じようなものです。

それに対して、大学は違います。自分がやりたい、と思える学科を選んでそれを勉強できるのです。であるならば、自分が「面白そう」と思えるものを選ぶべきです。せっかく選べるのに、高校までと同様につまらない、やりたくもないものを選ぶならば、大学など行く必要はないと思います。なんでわざわざ何百万も払ってやりたくもないことを勉強しに行くのか。

それが将来のためになるから?本当ですか?昨今の就職事情は、大学の名前なんて「入口の振り分け」に使われる程度で、昔と違いきちんと「大学でどのようなことを学んできたのか」を吟味します。つまらないことをつまらないと思いながらやってきた人に、企業側はもはや「それでも◯◯大学だからね」という思いではあまり見てくれません。このような傾向は今後加速することはあれども、減退することはありません。

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ならば、4年間しっかり勉強するならば、それは自分が「面白そう」と思えることがいいですよね。大学の勉強や研究は、しっかりやればやるほどやらない人には絶対に得ることのできない知識や経験や人脈を得ることができます。適当に嫌々やっていては、その知識と経験と人脈はできません。だからこそ自分が面白いと思えることを勉強すべきです。

そうして、大学の生活の中で、しっかりと勉強を活動をして行くと、高校の自分とは違う質・量の知識経験がついていき、もしかしたら自分が将来本当になりたいこと、やりたいことが見いだせるかもしれません。その精度というのは、高校時点の自分の情弱状態での判断よりもはるかに精度が高いはずです。

打算で選ばない。心から面白そうと思えるものを

最後に言及しておきたいのが、このような話をすると、「IT分野が将来有望そうだから」とか「僕は数学が苦手だから」とか、つまらない打算で考えがちです。声を大にして言いたいのは、「そんなことはどうでもいい!」ということです。

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高校生の皆さんは残念ながら情弱状態です、社会からみれば。そんな状態で打算を働かせても無駄というものです。そんな浅はかな打算に左右されずに、シンプルに「面白そう」なものを選んでください。そして、そのために必要な学科、学部、大学を選択し、そのために必要な勉強をしましょう。もしもそこには苦手な数学があるならば、そこはひるまずに数学に取り組みましょう。受験勉強の科目は、自分の人生を規定するものではなくて、単に受験をクリアするための手段です。自分が行こうと思うところに行くための手段でしかありません。目的のためには、例え苦手なことがあっても頑張って取り組むこと必ず必要です。

まとめ

少し想いが強くなりましたが、大学に行く理由についてお伝えさせていただきました。ぜひ、大学には「面白そう」を探しに行って見てください。

 

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