小論文の要約における時短のための3つの視点

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大学入試の小論文では多くのケースで課題文が提示されます。その上で、その文章についての要約を作らせる問題と意見を書かせる問題が出題されるケースがとても多いです。また、要約が課題として出されていなくとも、課題文が提示されているならば、全体字数の30%ぐらいを使い本文の要約を書くべきです。

要約の仕方については多くの手法が提示されていますが、今回はその中でもいかに手早く書いていくか、時短について取り上げて見たいと思います。いうまでもなく、小論文で大事なのは要約ではなくて自らの意見の論述ですのでできる限り要約には時短を図りたいところです。

しかし、例えば2000字程度の文章が出され、それを400字程度で要約、600字程度で論述で合計60分、というケースで実に多くの人が、要約までに30分以上を費やしていたりします。最低でも、60分の時間ながら40分以上は論述に時間を当てるべきで、そのためには、いかに手早く要約は終わらせるかというところが非常に重要になります。

今回は要約の時短をするための3つの方法を見て行きたいと思います。

字数のイメージを体得する

要約で一番避けたいのが、字数が足りないとか字数が多すぎるとかでの書き直しです。消す時間、書く時間、いずれも大きなロスになります。自分の書いている文章がどの位の字数であるか、あるいは字数になるのか、この感覚を持つのはなかなか素人には難しいです。

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しかし、字数のイメージがあるかないかというのはとても重要で「これ以上書くとオーバーしてしまうな」とか「これでは不足するな」というイメージを書きながら持てるか、というところにつながります。これを回避するためにぜひ取り組みたいのが「400字分の文章」の反復練習です。

具体的には原稿用紙1枚が400字ですので、出題の多い分野の2000字程度の文章を原稿用紙1枚で要約して行きましょう。字数を変えず、400字で繰り返すことが必要です。これを繰り返すと、400字ならばこのぐらいのボリュームで書けばいい、という感覚が身についてきます。

おそらく多くの方が、「書き方」についてレクチャーを受けていると思いますので、その書き方に添い、字数のだいたいを書きながらイメージできる、という状態を目指しましょう。あれこれ字数を変えるのではなく、まず400字で。400字のイメージがあれば、それを軸にして300字、500字についても同様にイメージしていくことができます。

書き出す前にスケッチを作る

これは要約も論述も近いのですが、400字を書き出す前に、書くことのスケッチを書きましょう。下書きとはちょっと違います。イメージは、絵を描く前に構図を決めるためのスケッチを描く、というようなものです。

ですから、これは箇条書きでもいいし、フローチャートのようなものでもいいし、図でもいいし、キーワードの羅列でもいいです。自分がイメージできればよく、見栄えなどにこだわることは一切不要です。

我々は天才画家ではないし、天才文筆家でもありません。いきなり頭の中だけで書くことの全体像をイメージしてさらさらと書き出せるという才能に恵まれている方は稀有です。言えば、こうした私が書いている文章も、書き出す前にスケッチを必ず書いています。

これをきちんと作っておけば、書きながら途中で「なんか書きたいことが違うな」という形での書き直しが少なくなり、実はスケッチを作らないときに比べて大いに時短に繋がります。

時間設定をした練習を行う

朝型になる

最後に重要になるのは、字数のイメージ付けとスケッチの作成の練習をした後は、スケッチが出来てから400字書き上げる時間設定を自分に課していきます。ここでは、単純に書き上げるスピードを向上させていくというのが狙いですので、まずは本文を読んでスケッチを書き上げた状態からスタートします。

この状態からタイマーを設定して、単に書くだけの時間を計っていきます。最終的な目安はこの状態から6分以内に書き上げることが目標です。初めは10分から設定しましょう。400字書くのに10分以上かかっているようならば、これは本文の読み込みが甘かったり、スケッチが書くべき内容のイメージが出来ていない状況であるということになりますので、トレーニングすべき内容が違ってきます。

この練習は是非とも書き上げ時間の推移を記録を取っていきましょう。初めは時間設定なしからスタートしてみると結構かかります。その後時間設定していくと、最初に比べて2分程度の短縮は割とすぐ実現できますが、それ以上先が意外と難しいということが実感できると思います。

時短が目標なのですが、最終的には7分なら7分でもよくて、大事なことは「自分の作業スピードを知る」ということです。自分が400字を7分で書くならば、1,000字は概ね17分程度となります。ならば、1,000字の論述が時間が60分ならば考察に使える時間は40分弱、となります。そのようなタイムマネジメントのためにもこの活動はとても重要になります。

まとめ

受験勉強はボールペンで

要約の作り方についてはたくさんの処方箋がありますが、いかにそれを時短していくかという視点は意外と欠けているものです。「たくさんやれば時短は実現できる」ということも言えますが、「いつまでにどれくらいの時短を実現する」という明確なマイルストーンのない施策は現実的ではありません。

時間があればしっかり書けるけど、時間がないから書けない、では本末転倒です。是非とも時短マネジメントに取り組んで見てください。

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