国語の勉強法で受験生の多くが困るのが要約問題ではないでしょうか。
要約は先生や問題集により答えが違っていたり、自分の言葉ではまとめられないと思ったりしている人が多いと思います。
実は要約問題はパズルのようにとらえると簡単に解くことができます。本日はそのコツをかいつまんで紹介します。
論理の型を見抜く
まず始めに取り組むことは論理の型を見抜くことです。
論理の型とは筆者が言いたいことをどのような論理でまとめているのかということです。
たとえば、「結論→例→結論」「問題提起→具体例→対案→結論」といったものです。
多くの場合は段落ごとにこの論理の型が存在し、文章全体でも1つの型になっています。
まずはこの全体構造をとらえ、筆者がどのように言いたいことをまとめているのか見抜きましょう。
見抜くポイントは簡単で、「つまり」や「すなわち」といったまとめの言葉を探すことです。
注意したいのはその「つまり」が段落全体をまとめているのか、直前の一部分だけをまとめているのかということです。
こればかりは一概に言えないため練習が必要です。
一方で「例えば」といったような例示に用いる言葉のあとには、要約には必要のない内容が含まれることが多いです。
ポイントを抜き出す
文章の論理の型をとらえたらそこから要約に用いるポイントを抜き出します。
基本は段落ごとの役割を考え、その段落を一番まとめていることばを引用するか、自分の言葉でまとめます。
引用に対して否定的な考えも存在しますが、あくまで要約は筆者の論理構造を壊さずに行うものであるため、筆者自身が書いた言葉がベストであればそのまま要約の文章に盛り込みましょう。
段落ごとの役割とは、その段落が文章全体においてまとめを述べているのか、例を述べているのか、はたまたそれ以外のことを述べているのか、ということです。
ここで取捨選択を行います。
要約の字数制限は厳しいものが多いため、自分は文章の構造・ポイントをしっかりと捉えていることを採点官にアピールします。
各段落の役割を意識しながら、筆者はその段落でなにが言いたいのか見つけましょう。
本文の型でまとめる
ポイントを抜き出すことができたら最後は本文の論理展開に合わせてまとめましょう。
要約は簡潔に行うものであるため、前項で捉えたポイントをさらに取捨選択したり短くまとめたりする必要があります。
ここで注意したいのが要約の論理展開です。
基本は本文の言葉を用い、筆者の論理構造を壊すことなくまとめます。
これにはしっかり理由があり、減点を極力避けるためです。
もちろん自分の言葉でまとめられるのがベストですが、失敗すると筆者の論理展開を理解していないと思われてしまいます。
一方で、文中の言葉を用い文章の論理構造を壊さず要約ができれば、採点官は減点をしにくくなります。
しかしこの方法にも落とし穴はあり、前項においてポイントの抜き出しができていないと「この生徒はなにも分かっていないのにとりあえず文章の言葉を切り貼りしたな」と思われ点数がつかなくなってしまいます。
まとめ
要約問題を苦手とする受験生向けに要約のポイントを紹介しました。
大切なのは、筆者の言いたいことを論理的に簡潔にまとめることです。
そのために文章の論理構造をチェックし、各段落におけるポイントを見抜きましょう。
それはまるで自分でピースを選び、空白に当てはめるパズルのようではないでしょうか。
初めから簡単にいくことはないと思われますが、この方法で要約問題に対するアレルギーを払拭しましょう!
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