多くの高校などでも使われ、受験生なら一度は耳にしたことがあるはずの鉄板参考書「Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服」(以下、「ネクステージ」)の使い方について解説していきます。
私の勤務する予備校でもたくさんの受験生が使っているようですが、どのように勉強を進めているのか聞いてみると「え?そのやり方で大丈夫?」と感じることが多くあります。皆さんの使い方は大丈夫でしょうか?
「定番だし、みんなやってるし、先生からも言われてるからとりあえずやっておこう」というのでは、学力を伸ばすことはできません。
しかしもちろん多くの受験生から長く支持を得ている参考書であり、適切な使い方ができれば非常に効率の良い問題演習ができることは保証します!
Contents
詳しい内容
「ネクステージ」は、
・文法
・語法
・イディオム
・会話表現
・単語、語彙
・アクセント、発音
の6つの単元からなります。それぞれ、見開きの左ページに問題、右ページに解答と簡単な解説がのっているという構成です。
内容のレベルはセンター試験~有名私立大学の英文法問題程度のレベルです。
具体的な使い方の説明に移る前に、確認しておくべきことがあります。
それは、「ネクステージ」はあくまでも文法の「問題集」であり、文法の解説はほとんど無いものと考えてください。
文法のルールそのものをまだ十分に学んでいない人、あやふやな状態な人はまず「大岩のいちばんはじめの英文法」「総合英語Forest」などの文法解説書でしっかりと体系的に文法を学び、地力をつける必要があります。
「ネクステージ」を使うべき人とは?
それでは使い方の説明です。まず、この本は「大学受験の英語を目的とする人」そして「英文法の学習を一通り終えた人」が対象者です。
大学受験の英語に特化した本だということを理解してください。正直なところ、この本に出てくる英文の中には「こんな文章本当に使うのか?」と思うような複雑で細かい知識が必要なものもたくさんあります。
とはいえそのような細かいものほど受験では問われやすい、というのもまた事実なので、割り切ってしっかり覚えていくようにしましょう。
また、上で書いた通り、英文法の学習を終えていない人がこの本を使ってもはっきり言って意味がないです。
学校のテストのために答えだけ無理やり覚える~のようなやり方ではもちろん成績は伸びません。
どのくらいのレベルが「英文法の学習を一通り終えた人」といえるかは難しいですが、まず少なくとも全ての範囲の勉強は終えている(未修の文法項目がない)ことと、センター試験レベルの英文をある程度の精度で読解できることを前提にしてこの記事は進めていきます。
実は「ネクステージ」は中級者向けの参考書だということですね。
では、続いて具体的な勉強のコツの説明を3つに分けてお伝えします。
具体的な3つのコツ
コツ1:短期集中でやる
この本は6つの分野に関して非常に網羅性が高い問題集になっているので、一気に問題を解いてどんどん自分が解ける問題を増やしていくことが大切です。
そのため、ポイント1は「短期集中」です。
だらだらやっても意味はありません。短期間で最大の効果をあげるために、目安となる期間は「1か月」です。
1か月で全ての問題を解き切り、復習までしっかりやることを目指しましょう。
どうすればそのペースで進められるのか、それは1問あたりにかける時間を最小化することがポイントです。
コツ2:1問にかける時間は10秒以内
1問あたりにかける時間は10秒以内にする、というのが2つめのコツです。
そもそもここで学びたい英文法や語法の問題というのは、基本的には知識を問うているだけです。
つまり、解くことができる問題(知っている)は5秒で解けるものですし、解くことができない問題(知らない)はどれだけ時間をかけても解けません。
「ネクステージ」を使った勉強の基本姿勢は、①すでに知っているものと知らないものを区別し、②知らなかったものを覚える。
この2STEPに分かれているだけです。
まずは1週間以内に全ての問題を10秒以内で解き、間違えた問題に印をつけます。解説を読むのは、間違えた問題だけでも大丈夫です。
一周終えたら、次のステップに移ります。
コツ3:ただ答えを選ぶのではなく、問題文を和訳する、音読する
ここが一番大切なところになります。
文法問題の演習なんだから問題をひたすら解いていけばいいでしょ、と思っている人が多いのですが、それではまだ不十分です。
「ネクステージ」はその網羅性の高さゆえ、同系統の問題を複数回解くことはありません。ほとんど全ての問題がそれぞれ文法項目を独立で問うています。
ですから、ただ問題を解いているだけでは「その問題を解く力しかつかない」という落とし穴があるのです。応用力が身につかないということですね。
そこでおすすめするのが、二周目からは全ての問題文を頭の中で和訳した上で解いていくこと。これをすることで英文の構造に目を向けることができ、
文法問題が何を聞いているのかを意識することができるようになります。もちろん、一周目で印をつけたものは特に入念にやっていきます。
※非常に時間がかかるので、決してノートに和訳を書いたりはしないようにしてください。
さらに、1ページ、もしくは1章終えるごとに英文を3回ずつ音読します。これによって問題文そのものを理解し、身につけることができます。
極めようとすればいくらでも時間をかけることができますが、これ以上時間をかけては「短期集中」が守れなくなってしまう可能性が高いのでこれを基本とします。
二周目は一周目より時間がかかると思うので、2週間で全ての問題を和訳、音読します。
あとは、間違えたもののみ三周目を1週間かけてやります。やり方は二周目と同様です。
これで1か月で三周することができました!
まとめ
どうでしょうか?かなり今までのやり方と異なる部分があったかもしれません。
まとめると、
・英文法の全範囲を修了している、センターレベルの英文は読めることが前提条件
・1問あたり10秒以内で解き、1か月で三周するペースで進める
・問題文を頭の中で和訳し、英文を3回以上音読することで応用力も身につける
といったところでしょうか。
結局のところ、一番大切なのは長文問題の攻略です。文法・語法問題は「ネクステージ」で早期にケリをつけましょう!
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