今すぐ実行!受験生が抱える「不安」「焦り」への具体的な対処法とは。

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12月に突入し、センター試験まであと1か月と少しになりました。受験生の皆さんはラストスパート!と意気込む一方で、勉強の方は新しいことを知るようなものはほとんどなく、今までやってきたことの反復が中心になっているはずです。
復習が中心というときは、新しいことをどんどん吸収していたころと違って自分の成長が実感しにくい時期です。
そんな中で志望校やセンター試験の過去問に取り組んでいると思いますが、「思っていたよりも成績が伸びない・・・」「このままで受験本番大丈夫かな・・・」と思っている人も多いのではないでしょうか。
私自身大手予備校のスタッフとして勤務する中で、この時期の受験生の苦しさ、不安感、焦燥感を間近で感じてきました。
今回の記事では、そんな「不安」「焦り」を抱える受験生の皆さんに、それを取り除くために今すぐできることをいくつか紹介します!

不安を「気合」で打ち消すことはできない

具体的な方法を紹介する前に、受験を間近に控えた受験生に身につけてほしいマインドセットについて。
まずはじめに、大学受験という今までの人生で経験したことない大きな転換点、試練を目の前にして、受験生であれば「不安」「焦り」という感情は誰もが持つものだと認識しましょう。
学校や塾、予備校でいつもクールにしていて成績もいい、焦りなどまったく感じていないように見えるあの子も間違いなく不安や焦りを抱いています。
焦りや不安を感じているのは自分一人ではない、みんな同じようにそれをもって頑張っているんだ、ということをまず認識してください。
おそらく、それを正しく認識するだけでも視野が拡がり、不安感が少し楽になってくるのではないでしょうか?

そのうえで、その不安や焦りという感情を「気合」でなんとか打ち消す、ということは絶対にできないということも理解してほしいのです。
「絶対に第一志望校に合格するぞー!」「そのために毎日15時間勉強だ!」と、気合を入れることは悪いことではありません。
しかし、そういった気合というのは、実は不安感、プレッシャーの裏返しなのです。
人間の脳は「~~したい」「~~してはいけない」「~~するべきだ」と考えるほど、プレッシャーがかかって逆の結果を呼んでしまうといわれています。

大切なことは、「自分は今~~に関して不安感を抱えている」ということを自ら正しく認識すること、そしてそれを無理やり抑制するのではなく、その感情を自覚した上でコントロールしようとしていくことです。
コントロールの方法は大きく分けると2通りです。
①不安の根本原因に目を向け、対処法を探す
②不安を打ち消すほど「成功する根拠」を作っていく
この2つのうちどちらかのアプローチで、自分自身の不安、焦りというネガティブな感情にしっかり向き合っていくことができれば対処ができるはずです。
それでは、具体的な方法を見ていきましょう。

友人や家族と雑談をする

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①に属する方法です。
一番簡単で効果が高い策かもしれません。やはり、一人で長時間机と向き合う受験生は、どんどんどんどん視野が狭まっていってしまい、さらに一人で勝手にネガティブループに陥る人が少なくありません。
そんな中で、人と話をしたらすっきりした、ということがけっこう多くあります。
勉強のことでももちろんいいですし、全く関係ない話をするのもいいです。
過去問演習を重ねる皆さんならわかることだと思いますが、自分の考えをアウトプットするという作業は思った以上に刺激が多いです。
自分のなんとなく考えていることを人に伝えようとする段階で思考が整理され、頭の中がすっきりしてきます。なんとなく不安に感じていたことも、人に話してみたら意外とそうでもないかも、となることも。
勉強時間を犠牲にしすぎない程度に、うまく人とアポをとっていくといいと思います。

今抱えている不安を紙に書き出してみる

これも①の方法ですね。
上の方法と根本的には同じようなものなのですが、こちらはよりダイレクトに自分の感情と向き合うことができます。
やはり、自分の悩みや不安、焦りなどネガティブな感情をすべて他人にさらけだすということはなかなか難しいことかもしれません。
そこで、紙に自分の感情を書きなぐり、思考をアウトプットするという方法です。
自分の抱いている漠然とした不安やもやもやを「すべて」書ききること、そして全て書き終えたらその紙は「破り捨てる」ことがポイントです。
きれいに並べて書こうとするよりも、白紙1枚を埋めるようなイメージでどんどん書いていくことをおすすめします。
この方法のいいところは、書いていくうちに自分の思考が整理され、しかも紙に吐き出すことでなんだか悩みがばかばかしく思えてくるというところです。
かなりすっきりすると思うので、なんとなくもやもやして勉強が手につかない・・・という人にはおすすめです!

勉強の優先順位を再考する

これは①と②の間のような方法ですね。
試験が近づいてくるにつれて、「あれもまだできていないし、これもまだまだだ・・・」と、焦りが先行して何でもかんでも勉強しようという計画になっている人は要注意です。
試験までの時間は限られていますから、あれもこれもとやろうとしても完璧にやりきることはできません。実現不可能な計画を立てて、それを実行できずに焦ってしまうのは一番よくないです。
そもそも受験勉強に「完璧」という状態は絶対にないので、限られた時間で何をどこまで仕上げるかということについて考えていきましょう。
特に、ここから本番までは勉強の時間という面では余裕のある計画をたてたほうがいいです。体調管理も万全にするため、しっかり睡眠時間をとっていくべきだからです。
それぞれの科目ごとに何をどのくらい時間をかけてやるのか、もう一度見直してみて確実にこなせる計画をたてるとよいでしょう。

成功イメージをもつ

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ここからは②の方法です。
自分の行動を無意識下で変革し、好転させていく方法としては、脳に「勘違い」をしてもらうというものがあります。
スポーツの世界などでもトップアスリートのメンタルトレーニングによく使われる手法らしいのですが、自分が成功するイメージをなるべく具体的に作り上げていくことです。
試験本番で出てくる問題すべてにすらすら答えが思い浮かぶ映像、合格発表当日に人込みをかきわけて自分の受験番号を発見する瞬間の映像、第一志望の大学入学後にやりたいことを一生懸命やっている自分の映像、、、などなど。
「それってただの妄想じゃん」と思いますか?そうです、その「妄想」が大切なのです。それが脳を勘違いさせ、ポジティブなエネルギーになるのです。
これについて疑いを持つ人も多いかもしれませんが、この成功イメージという観点は心理学的にも証明されていることであり、詳細にはとても書くことはできませんが、皆さんが思っているよりも相当重要なものなんだということだけは主張しておきます。
お風呂に入っている時間や寝る前布団に入っているときなど、なるべく穏やかな気持ちで成功イメージを作っていくようにしましょう。

合格体験記を読んでみる

成功イメージをもつための方法としても有効なのがこの合格体験記の活用というものです。
合格体験記というのは、赤本だったり、塾や予備校のパンフレットなどにも書いてありますし、インターネット上でもたくさんのものにアクセスできるようになっています。
これを読むことによって、皆さんは先輩の受験体験をお手軽に追体験することができるのです。
現役生の皆さんは、まだ大学受験というものを実際には体験していません。体験していないものをできるだけ克明にイメージしろ、といっても難しいのは当たり前です。
しかし、合格体験記には様々なことが書いてあります。その受験生の成績、勉強時間、勉強の内容、その時の精神状態、試験本番のこと、さらには合格発表のときの感情や周囲の反応など、大学入学後のことまで。
これだけの内容が書いてあるものを読めば、自分自身の今と重ね合わせることで、「自分が成功する根拠」すら作り上げられるのです!
モチベーションアップにも非常に効果的です。今まであまり意識していなかったかもしれませんが、ぜひ読んでみてください。

ただし、この時期に初めて読む!という場合は、少し読み方に気を付けたほうがいいかもしれません。
「自分と比べてあまりにも成績が良い人」などの体験記は、見なかったことにしましょう。(笑)
読んでいてネガティブな気持ちになるものは読まない方がいいです。

大学受験を通過点とする

最後ですが、これも非常に大切なことです。
冒頭で「第一志望に絶対合格するぞー!」という気合の入れ方はよくない、と書きましたが、それにはもう一つこの理由もあります。
北京オリンピックの時に水泳の日本代表チームに脳科学の専門家として参加した林成之氏の著書の中のエピソードとして、
北島康介選手が金メダルを獲得できた要因の一つであるメンタル面でのトレーニングというものがあります。
それは、「ゴール直前で失速してしまうのは、ゴールをゴールととらえているからだ」という考え方です。
どういうことかというと、ゴール直前だ、と脳が認識した時点で無意識下で身体が失速しはじめてしまうという弱点が北島選手に見つかったんだそうです。
そこで林氏はその改善策として、「壁をタッチし、ふり返って電光掲示板を見た瞬間がゴールだ」というように脳に刷り込むというトレーニングを提案しました。
それを徹底した結果、見事北島選手のタイムは改善され、金メダルに輝いた・・・というものです。

これは大学受験でも全く同じことが言えるのではないでしょうか?
第一志望の入試本番をゴールだと思ってしまうと、その手前で失速してしまいます。
あなたはなんのために大学受験をしようと志したのですか?
何か崇高な目的に向かって努力しろ、というのではありません。なんでもいいのです。何でもいいので、大学受験のその先に真の目標点をぼんやりとでも見据えてください。
大学受験はあくまで過程なのだ、ととらえることで、逆説的ですが、大学受験に最大のパフォーマンスを発揮することができるからです。

最後に

いかがでしたか?
大学受験において、精神面というのは非常に重要なファクターです。
自分の感情から逃げずに正面から向き合い、コントロールし、乗り越えるということができれば、それ自体が大学受験にとどまらない大きな成功体験になるはずです。
「~~しないといけない」「もっとがんばらなきゃ」などと考える必要は決してありません。あなたはすでに十分努力してきています。
自然体で、成功への根拠を重ねていってください。応援しています!

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