現代文を解くためには、文章で筆者が何を言いたいのか正しく捉える必要があります。
この筆者の主張を正しく捉えられると、設問の正解率がぐっと高まります。なぜなら、問題の作成者が設問を通して受験生を試していることは「筆者の言いたいことを正しく捉えられているかどうか」であるからです。
筆者の主張を見つけるには大きく5つのコツがあります。
ぜひマスターしてみましょう。
Contents
コツ1:「言い換え」の後に注目する
「つまり」や「すなわち」など「言い換え」を表す言葉の後には筆者の言いたいことがくることが多いです。
例えば「AつまりB」と書いた筆者の気持ちをごく簡単に表すと「Aと言ったはいいのものの、より納得性を高めるために別の言葉を用いてわかりやすくBとも言っておこう」となります。
よくあるパターンとして、「AつまりB」とある場合には、Bの内容がAの内容をまとめている、あるいはBの内容がAの内容をわかりやすく端的に表していることが多いです。
設問で「『AつまりB』とあるが、このBとはどういうことか」と問われれば、「つまり」の前にある部分であるAが答えになる可能性が高くなります。
実際にはAの部分に指示語(「それ」や「この」等)が使われている場合等、Aの部分をさらに言い換えて答えなければならないケースも多くありますが、まずは基本として「言い換え」の後に注目してみましょう。
コツ2:「例示」の後に注目する
「例えば」など「例」を表して何かを具体化する言葉の前には筆者の言いたいことがくることが多いです。
例えば「A例えばB」と書いた筆者の気持ちをごく簡単に表すと「Aと言ったはいいのものの、より納得性を高めるために、Bという例を出してわかりやすく伝えよう」となります。
設問で問われるかどうかは別として文章全体で言いたいことを大まかに捉えたい場合は、「例えば」以降の例示部分については読み飛ばして構わないケースが多いです。なぜなら、例示の部分はあくまで主張を支える要素でしかなく、例示の部分が直接主張になるケースは少ないからです。
テーマからは逸れますが、このテクニックはぜひ速読にも活用してみてください。
コツ3:繰り返される内容に注目する
表現は変わっていても同じ意味で繰り返し出てくる内容は筆者の言いたいことであることが多いです。
筆者は読者に納得してもらうために、表現を変えて繰り返し繰り返し同じ内容を主張するのです。
この「文章中で同じ内容を示す部分を捉える」ことができると、設問の正解率が高まります。
例えば、ある文章にて離れた位置にあるA/B/Cという内容について、A=B=Cであることに気づいておけば「Aとはどういうことか」という設問に対し「AとはBということ」あるいは「AとはCということ」(もちろんベストな答え方は状況で異なりますが)と答えることができます。
正答率を上げるためには、繰り返されている内容(上の例ではAとBとC)のうち、どれが一番筆者の言いたいことをうまく表現できているのか選択する、あるいは自分の言葉でそれらをまとめる練習が重要です。
コツ4:「逆接」の後に注目する
「しかし」や「だが」など逆の意味を表す言葉の後には筆者の言いたいことがくることが多いです。
例えば「AしかしB」と書いた筆者の気持ちをごく簡単に表すと「Bと主張したいけどただBというだけではインパクトに欠けるので、Aを先に書いておきAを否定する形でBという主張をしよう」となります。
ここでいうAの部分には「一般論」や「反論」が来ることが多いです。例えば「一般的にはAと言われているが、実はB」や「確かにAではあるが、実はB」といった文章です。
Bと主張するためにあらかじめ反対意見のAを述べておくというのは、相手を説得したいときに使われるテクニックで、文章記述だけでなくプレゼンでも活用されています。
「一般論→主張」や「譲歩→主張」という流れはよく使われるので注目してみましょう。
コツ5:「因果関係」に注目する
「だから」や「なぜならば」といった因果関係には主張が隠されていることが多いです。
例えば「AだからB」と書いてある場合はBが主張でAがその理由になります。
筆者は単に「これはBである」というよりも「AだからこれはBである」と理由を一緒に言うことで説得力を高め、読者をより納得させたいという狙いがあります。
因果関係を表す部分は設問で問われやすい部分です。
例えば「AなぜならばB」という文章があり「Aとあるがなぜか」と問われた場合には「Bだから」と答えられます。
因果関係が多用されると読み手(受験生)としては混乱してしまいがちですが、そのような場合は文中に因果関係を示すマークをつける等して、文章を整理してみましょう。
また、問題の余白に因果関係を示した簡単な図を書いて整理することもおすすめです。主張の理由にさらに理由が添えられているとき等、多層化した因果関係を整理することができます。
まとめ
現代文で筆者の主張を捉えるコツを5つ紹介しました。
・言い換え表現
・例示の表現
・繰り返し
・逆接
・因果関係
実際の文章ではこれらの表現を見つけても、文章構造が複雑なことで主張が読み取り辛い場面も多くあります。
しかし、その周辺に筆者の主張につながる部分が隠されている可能性は高いので根気強く探してみましょう。
現代文は突き詰めればパズルを解くようなものです。今回紹介した5つのポイントは、そのパズルを解くための大きなヒントになります。
本記事を参考に、ぜひトレーニングを積んでみてください。