中高一貫の進学校。落ちこぼれが復活するためにまず取り組んだこと

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近年の大学受験は基本的には中高一貫の進学校の独壇場です。公立高校では首都圏の最上位校が頑張っていますが、東大進学実績を重要な指標とするならば、2017年も公立(国立除く)高校はTOP10に1校も入っておりません。TOP10のすべての学校が中高一貫校の私立の生徒であるわけですから、当然にこれらの学校の生徒はレベルが高いわけですが、決してそれが全員というわけではありません。

今回は、そのような進学私立中高一貫校で落ちこぼれてしまった。。。というケースの処方箋を見て行きたいと思います。

進度の速い進学校のカリキュラム

中高一貫の進学校が大学受験に強い理由の1つに、カリキュラムがあります。これらの学校では、概ね中2のうちにいわゆる中学3年生までの学習を終えて、中3、高1、高2の中盤あたりで普通の学校ならば高3の12月くらいまでにやるような内容をまず学び切ります。そして、高校3年生の1年間は志望する学校の受験に向けてガッツリ問題演習をして行きます。

猛烈なスピードで学習は進んで行き、さらに目指すは本邦最高レベルというところですから、うかうかしていると一気に置いていかれてしまいます。特に、これらの学校へ入るための中学受験で「もう勉強なんかしたくない」くらいまで磨耗していて、やっとこさ合格したという状況ですと、しばらく「勉強から解放」という思いになりがちです。その結果、中学の勉強をスタートしたりすると、気がつくと何がなんやらわからなくなってしまうということは多々あります。

しかも、これらの進学校は予習復習をしっかりしていくのは「生徒任せ」ということがほとんどなので、一度遅れ出すと、なかなか自力でキャッチアップしていくのが難しく、どんどんと離されていってしまう、ということになりがちです。

悩み中

そうすると、信じられないかもしれませんが、四谷大塚の偏差値で60を超えるような学校に入学したのに、高1になっても、be動詞と一般動詞の区別もしっかりつかない、というような子が生まれてしまいますし。そして、決してそのような「落ちこぼれ」と言えるような人たちの絶対数は少なくないというのが実際です。

落ちこぼれてしまったらどうするか?偏差値64の学校のI君の場合

I君は四谷大塚の偏差値で64という御三家一歩前レベルの進学校の高校1年生ですが、高1の冬のBenesseのスタディーチャージの英語で学年最下位、をついに取ってしまいました。得点もなんと8点(100点満点中)でした。いよいよまずい、ということで相談がありました。

この子は数学だけは得意で、数学は同様のテストでも校内順位は学年上位なのですが、これはとにかく算数の頃からよくできていて、ちょっとやればできる、という科目でした。ただ受験疲れからか、中学校に入ってからの学習はとにかく真面目にやってきていず、特に英語は中1の頃からほとんど「ないもの」として扱ってきたそうです。

ですから、高1の冬なのですが、「重要な」という意味の単語は書けないし、品詞分解はできないし(というかそもそも品詞が分かっていない)、比較については比較級と最上級が作れない、そんな瀕死の状態でした。学校の授業については何をいっているかわからないので(本人曰く念仏に聞こえる)ほぼ身に入ってこない、という状況でした。

まず半年間、目先の点数は諦めてもらう

道

彼の希望は学校の定期考査と模試でしっかりとした点数を取りたいということでしたが、それは一旦諦めてもらいました。学校は既に英語Ⅱの終盤をやっているし、中学校の英語ができていないのに模試で点数を取ろうなんて土台無理です。

ですので、まず彼には中1ー中3の公立の学校で使っているワークと単語帳を用意して、まずこの4冊を完璧にしてもらうことを始めました。実に、「I am」の文から取り組んでもらいました。単語も、1から100をスペリングするというところからです。

彼のプライド、誰もが知っている進学校に通うエリート、のようなものはやっぱりあって、正直このレベルからやり直すことにはものすごく抵抗がありました。そこをとにかく説得して、プライドを捨ててもらって取り組んで行きました。彼も本音としては納得していなかったと思います。

当然にはじめの方は楽勝の楽勝で、一気に進んで行きますが、三人称単数現在あたりからいい加減な状態になってきていて、そのあたりから細かく細かくツッコミを入れて行きました。過去形の作り方とかも100%フィーリングだったものをちゃんとルールを知ってもらい、不定詞も3つの用法から取り組み直してもらいました。

取り組み始めて2日目の時点で、彼が言ったのが「やばっ。これじゃ弟以下だ。。」という言葉で、彼の弟は当時中2だったのですが、中1のワークで複数形の作り方で間違えが頻発したのを指摘された時に出てきました。彼はこのときからこの取り組みをものすごいスピードで取り組み始め、実に3つのワークは4週間ですべての取り組み切り、残り2週間でもう一度取り組み直していました。

学校の授業がわかるようになる

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1ヶ月ほどして、彼から「学校で言っていることがわかるようになった」「学校の課題がやれるようになった」という言葉があり、それ以来学校の英語の授業への参加意欲と姿勢が大いに変わって行きました。

結果として、高2の夏前の同様のスタディーチャージでは、校内順位が真ん中あたりまで回復して行きました。

目先の学習を捨てる勇気

現在の成績に落ちこぼれてしまっている場合、その原因はこれまでの過程の習熟度合の不足にあります。ですから、その習熟度合の不足がかなりの過去まで遡るならば、一旦目先の成績は諦めて、必要な過去の学習をもう一度やり直してくる必要があります。英語や数学のような科目は特に、いかに目先の単元だけ上手にやろうとしても、決してうまくいくことはありません。

進度の速い、レベルの高い進学校ではとても不安なことですが、今落ちこぼれてしまっているならば、一旦目先の学習を捨てて、過去の忘れ物を取りに行く勇気、が必要です。

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