ほとんどの受験生にとって、英語の長文読解は大きな比重を占める分野と言えます。
理系・文系に関わらずほとんどの大学で英語の長文問題が出題されることはみなさんが知っていることですが、だからこそ多くの受験生が悩んでいる部分でもあります。
そもそも英語は、社会といった暗記を重視する科目とは若干異なり、単語や文法といった暗記要素と、長文読解といった演習の能力が総合的に問われています。
そのため、計画的かつ効率的な勉強をより求められる科目であることをあらためて認識しておく必要があります。
その上で、今回は英語の長文問題の勉強法について解説します。
Contents
長文問題をどれだけ読んでもやり方が間違えていると伸びない
長文問題の勉強方法を解説する上で、一番の落とし穴から紹介します。
それは、ただ単に長文を読み、設問に答えて答え合わせをするという作業のみをひたすらに繰り返してしまうことです。
一見正しい方法にも見えますが、受験勉強において深く英文の構造を理解しないままに演習を繰り返したとしても、本番で得点につながる力はなかなか身に付いていかないのが現実です。
英文読解の勉強は、英文を”読む”ことに慣れるというよりは、”解く”ことや”理解”することに重点を置くべきです。
まずはこのことを念頭に入れておきましょう。
長文読解で必要になる能力
長文読解においては総合的な力が求められるため、必要な能力を正しく把握しておく必要があります。
単語・熟語力
本番はわからない単語・熟語は必ず出てきますし、わからない単語・熟語があっても総合的な力で読み解くので問題は解く事が可能です。
しかし、語彙力が足りなければ文章の読解により多くの時間がかかったり、正しい意味を読み取れなくなります。
単語帳では覚えたつもりでもいざ本文の中に出てくると意味が分からないということはよくあります。
単語・熟語は、目指す大学のレベルにあわせて教材を選び、それを徹底的に覚えましょう。
常に忘れていく前提で、受験当日まで毎日単語暗記の時間は確保するべきです。
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文法
文法も単語・熟語と同じように徹底的な暗記によるベースアップが求められます。
単語よりも、構造的に理解する部分があるため暗記ではないと思っている人もいるかもしれませんが、文法は暗記する要素が非常に多いです。
数学と異なり、言葉である以上少し理由が理解しにくいルールなどが含まれています。
そういったものは悩まずに割り切ってさくさくと暗記していくことが近道です。
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構文
実は長文読解の問題において、一番得点の差がでる要因になっているのがこの構文理解です。
構文とは、文章の構造の理解で、主にSVOCの組み合わせの5文型を正しく理解する能力です。
長文読解の授業において先生が解説しているのも主にこの部分で、英文に/や()、→などを付け加えて説明しているのを見慣れていると思います。
そのようなメモがいかに瞬時に頭の中で組み立てられるかが鍵になります。
このように聞くと難しく感じる人もいるかもしれませんが、実は構文には一定のパターンがあるので、ひたすら暗記をする単語などとは異なり、コツを掴んでしまえばどんどん力が伸びていく部分です。
構文力を伸ばすためには、初めは短めの文章をかなり丁寧に読み、和訳をする際に上で説明したようなメモを自分で書きながら分解の練習を進めていくことが大切です。
できればこのトレーニングは夏休みまでには終わらせて、秋以降は本格的な長文を読む時間に当てていきたいところです。
読む早さ
受験本番では、かなり限られた時間で英文を読みきって問題に回答していく必要があります。
そのため当然ながらゆっくりと読んでいる時間はないので、全体的に読むスピードを上げていくことが求められます。
ただ、単純にスピードを高めるだけでなく要点をつかむ能力も高めていく必要があります。
これは、問題演習を繰り返す中で身につけていくことができます。
数多くの問題を解く事によって、長文の中で出題されるポイントがどのようなとこか?といったことも身に付いていきます。
例えば、例示にあたる部分は比較的読み流して問題なく、逆接のあとはキーになるためじっくり読む(意識を集中させる)というポイントをつかんでいきます。
大切なのは、日頃から文章のポイントとなる部分を意識して読む事です。
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日本語の読解能力
意外と軽視されがちだが、日本語としての理解の能力も求められます。
全て和訳したとしても、文章全体でどのようなことを主張しているのか?ということや論理展開が理解できていなければ英語力とは別の問題になります。
苦手だと感じていれば、ここの部分は意識しましょう。
具体的には、問題を解き終わって和訳を確認した際に書く段落の要約と全体を通しての主張がどのようなものだったのかを確かめるようにしましょう。
長文読解力を高めるためにやるべきこと
長文問題に求められる要素を理解した上でさらにやるべき勉強の方法をご紹介します。
答えの根拠を理解し説明できるようにする
英語に限ったことではありませんが、答えの根拠を自分の言葉で説明できるようにするのは非常に重要です。
問題演習をして回答を読んだ時点では多くの人が理解し、わかったつもりになってしまいます。
そこで、解説を閉じて自分で呟きながら架空の人でもいいので教えるように説明してみてください。これを習慣化することによって、解説を見ただけで満足する人との差をつけることができます。
短い文章の精読から進めていく
構文の部分で少し説明しましたが、受験における英語の読解は精読が求められます。
まずは頭の中で文章を構造的に分解する習慣を身につけるために、短い文章をじっくり読むようにしましょう。
和訳を確認する際も自分で実際に文中に記号を書きながらじっくり理解をするようにします。
できるだけ解説が丁寧な問題集を準備する事も大切ですが、どうしてもわからなくなったときに質問できる人を見つけておく事も大切です。
自分が目指す大学の過去問は他の学部の問題も徹底的に解く
秋以降は、長文問題を解く時間をしっかりと確保する必要があります。
自分が受験する予定の大学の過去問は予めスケジュールを立てて確実に全て解ききるようにしましょう。
受験する学部は過去問が手に入る限り昔までさかのぼり、理想は10年分を2周解く事です。
また、別の学部でも同じ大学であれば求められるレベルや出題の傾向が似ている事がおおいので、こちらも例えば5年×5学部=25年分などはスケジュールに入れておきましょう。
まっさらな文章をあとから読んで復習する
長文問題を解き、設問の答え合わせを行う際に本文中に文章構造などのメモを加えていきますが、このメモが入った状態のものを何度も読み直すことは効果的ではありません。
受験本番においては、まっさらな文章を自分で理解することが求められるため、解き終わった文章を復習して読み直す際にもまっさらな文章を読み直し、再度頭の中で文章構造や意味を理解し直すようにしましょう。
基礎の積み重ね作業と丁寧な勉強が合格の鍵
このように英語の長文問題の勉強法について解説してきました。
便用全てに共通することでもありますが、地道な暗記の積み重ねと、より丁寧な問題演習とその復習の積み重ねがあなたを合格に導いてくれます。
なかなか成績が伸びないとしても、この意識は崩さずに最後まで諦めずに続けてください。