青チャートは、数学の受験対策の問題集としては最もメジャーなものの一つです。数研出版のチャート式シリーズは、全部で4種類ありそれぞれのレベルに合わせて幅広く標準問題を網羅することができる参考書です。
大学入試において押さえておくべき設問パターンが幅広く網羅できる反面、ページ数が非常に多いためうまく使いこなせないまま断念してしまう受験生も多いのではないでしょうか?
しかし、基本的な使い方をおさえてしっかりと使いこなせば数学の実力を底上げすることができます。
Contents
そもそもチャート式にはどんな種類があるか?
白チャート
教科書レベルの基本的な内容をおさえるための問題集です。受験で使える実践的な力をつけるというよりは、学校の授業(教科書レベル)を補う目的で使用するものです。
黄チャート
受験レベルの中でも比較的基礎的な範囲を網羅してるため、数学が苦手な人(本番の得点源になりにくい人)におすすめです。MARCHレベルでもどうしても数学が苦手であれば黄チャートを使うのもいいでしょう。
青チャート
受験の実践レベルとして適切なのが青チャートです。基礎から難関大学の実践レベルまで網羅されているので、この一冊をマスターすれば本番で数学を得点源にすることも可能です。
赤チャート
かなりハイレベルのため、最難関大学の数学の中でも特に難しい問題も特につなげたいという受験生向けのものになります。
青チャートの構成
青チャートは下記のようにレベル別に問題の種類が分かれています。
MARCHレベルで、数学を得点源にするということでなければ総合演習は一切触れなくても問題ありません。そのかわり、例題と練習問題を完璧におさえて、実践的な能力を過去問で補う必要はあります。
▼例題
・基本例題:教科書レベル、基礎的な内容
・重要例題:より実践的な内容
・演習例題:複数の解法を組み合わせて解く応用問題
▼練習問題
・例題の完全な反復問題
・類題となるEXERCISESの問題番号を掲載
▼EXERCISES
例題とは異なる切り口など
▼総合演習
全レベル対象の入試問題
使用を開始するタイミングと概算の全体スケジュールをおさえる
冒頭でも伝えた通り、青チャートは比較的ページ数の多い問題集となっています。(解答も含めて500ページ程)まずは入試本番から逆算した全体の計画が必要です。1日に進めることができるページ数を5〜10ページに設定し、週当たり2日の予備日と復習期間を設けます。
また、学校の数学の授業で習った直後の範囲を追って進めていくことで効率的に学習を進めることができます。
1日のページ数の目安と、学校の授業のスケジュールをおさえて計画をたててみてください。
1周目は解き方を知ることが目的であり必要以上に時間をかけない
青チャートは、入試においておさえておくべき標準問題の解き方を頭の中の引き出しとして自分のものにするための問題集です。そのため、実践的な問題を多くこなして経験値を積むタイプの問題集ではありません。
1周目問題を解いた際には、自分の力のみで答えを導くことができる問題はもしかしたらほとんどないかもしれません。ただ、そういった問題は必要以上に悩まずに解答を見てしまいましょう。その際に重要なのは、自分なりの解答手順を明確にし、どの部分でわからなくなったかを明確にすることです。
解答を確認する際は、まずはざっと目を通して解答の全体の流れと自分が分からなかったポイントの確認を頭の中で行います。
解答を確認したあとすぐに自力で解き分からなければ再度解答に戻る
解答を確認したらすぐに設問に戻り、自分で最初から問題を解きます。解答を見ているときはどうしてもわかったつもりになってしまいますが、自分がつまずいた部分のあとの部分でまた分からなくなることもあります。必ず自分で解答を進めて、分からなければ再度解答を確認という動作を続けましょう。
最後まで解いたら設問に3段階の印をつけ、2周目以降の進め方の目安にする
最後まで問題を解いたら、3種類の印を付けます。仮にA・B・Cの表記とすると、A→自分で解く事ができた問題(もう一度やっても自分で問題なく解ける)、B→一部わからない点があった、もしくは自分でと解く事ができたが間違えてしまった問題(もう一度解くべき問題)C→ほとんど分からなかった問題(繰り返しとくべき問題)
このように印をつけた上で、2周目・3周目と問題を解いていきます。理想としては全ての問題をAの状態にすることです。
次の日にざっと復習、週末に再度解く
繰り返しになりますが、青チャートは基本的な問題の解き方を覚えるもためのものになります。前日に覚えた解き方も復習しなければ数日後には完全に忘れてしまうため、1日後にB・Cに該当する問題を頭の中でざっと解いてみて、解き方が分からなかったら解答を確認して再度解き方を覚え直しましょう。
更に、これを行っても十分に解き方が定着していないため、毎週週末には1週間分の問題にうちB・Cの問題を解き直してみましょう。
このように地道な進め方にはなりますが、青チャートは繰り返し、かつ効率的に復習を行い解き方を定着させていくことが大切です。