模試試験は受験生にとって非常に重要なイベントです。巷ではA判定しか合格しないであるとか、DやE判定からの合格は予備校の宣伝であってほとんどいない、などといった迷信まで、何が正しいかわからない情報が錯綜しています。
今回はこの模試判定について、3つの視点から模試の判定について解説していきましょう。
①判定が高い人が受かりやすいのは当然。しかし、、、!?
当たり前の話ですが、判定がAに近いほど(=点数が高い人ほど)合格しやすい傾向があります。当然、同じ問題を解いてたくさん正解を導けた人間の上位からA, B, Cといったように判定を与えていくのですから、上位の人間の方が合格しやすいのです。
では、A判定が全員合格し、D判定は全員合格しないのかといえば、そんなことはありません。D判定やE判定でも、(数は当然A判定よりも少ないですが)合格する人はいます。逆にA判定でも落ちる人もいます。
②なぜA判定でも落ちるの?
A判定やB判定など、高い判定でも落ちるケースがあります。もちろん、体調が悪かったとか、パニックで問題を解けなかったとか、解答欄を間違えたとか、環境要因的なものもあります。しかしここでは、実力的に不合格になってしまうケースがあることを説明します。
模擬試験というのは予備校が用意した問題と解答、そして採点基準により点数が決まります。当然、模試を開催する予備校ではたくさん入試を研究し、的中を狙って問題を作ります。
しかしながら、実際に入試問題を作っている大学教授と相談しているわけではありません!つまり、本番の入試と模試は異なるのです。
③違いが顕著なのは、出題傾向や採点基準!
出題傾向の観点では、予備校は過去の出題を分析して、出やすいところや穴場になっているポイント狙いますが、大学はそんな入試の作り方はしません!
往々にして入試作成は教官陣の持ち回りや外部への委託で作られているため、さすがに全く同じ問題がないかなどのチェックはするでしょうが、いちち穴場や傾向など考えないのです。それよりも大学は学問を研究する場ですから、最先端の研究で話題になっていること、実社会と学問とのつながりを示せることなどを重視するのです。
一方、採点基準の観点では、これも予備校と大学で全く異なります。大学では教官が直接採点しますが、予備校はそんなことはできません。ほとんどがアルバイト任せです。
そうなると、大学は難しいプロセスで採点をできますが、予備校ではそのようなプロセスで採点をすることができません。
顕著な例が東大の数学だと言われています。東大数学は全て記述式ですが、模試の部分点は「ここの式が正確に書けていたら何点」とか「この数値が導けていたら何点」といった採点基準で付与されます。一方大学では「このポイントが理解できたら」というような抽象的な、採点者に相当の能力が求められる(しかし非常に客観性のある)採点が可能なのです。
まとめ
最近はインターネットの普及もあり、模試の判定に関しても様々な情報や憶測が飛び交っています。模試はいうまでもなく、現在の実力を測る優秀なツールですし、それを運営する予備校の努力は本当に涙ぐましいものがあります。
しかし、その結果だけに引っ張られず、本質を見抜いて対策・勉強法に取り組みましょう。