保護者のみなさんはコーチングというものを聞いたことはないでしょうか?
近年ビジネスの場や教育現場を中心に話題となっているコミュニケーション技法です。
実際にコーチングを行ったり、コーチを育てるための研修を行ったりしている団体もいくつかありますし、コーチングをテーマにした書籍も多数出版されています。
「コーチング」と言っても、専門的に学んでいない方に聞けば、「相手の話をしっかりと聞き、承認したり褒めたりすることでモチベーションを上げる」というレベルの答えしか返ってこないのが現状です。
しかしテレビや書籍の影響か、自分で勝手にコーチングもどきを行い、状態が変わらないばかりか悪化するようなケースすら存在します。
そこで今回はコーチングの危険と活用の仕方を紹介し、中途半端なコーチング実践を避けるためのコツを学んでいきたいと思います。
・バカにされてる?
中途半端なコーチングを行う弊害の1つは、受験生本人がバカにされているように感じる場合があるということです。
いつも身のまわりに口うるさく小言を言っていたのに、急に承認ばかりしだせばそう思うのもうなずけます。
そもそも、コーチングにおいては「相手の中に答えがある」ことを前提にしています。
しかし大学受験の受験生のように、本人自身が答えを持っていなかったり、不安な答えにぶら下がっていたりする状況では、何でもかんでも承認していればいいわけがありません。
・大切なことは?
コーチングの考え方を我が子との対話に活用する上で実践すべきなのは、傾聴する、ということです。
前述の通り、受験生本人は不安を抱えています。
ですから彼らの答えをのべつまくなし承認・合意しているようではいけませんが、まずは理解してあげるために、しっかりと聞いてあげることが大切です。
学校の先生、塾の先生、そして友達。お子さんのまわりにいる人たちは、忙しいものです。
お子さん自身、なかなか腹を割って話す相手に恵まれないということもあるでしょう。
そんなときに、話を聞いてくれる相手は保護者の方しかいないのです。
・目指すのはコーチングではない
保護者のみなさんと受験生のお子さん。この関係性の中で、保護者のみなさんが目指すべきはコーチではありません。
ご自身の人生経験や、さまざまな媒体で調べた情報を元にした助言を行うのが、みなさんの目指す姿です。
クライアントの話を聞いて理解し、効果的な打ち手を提供するものの、クライアントに強制はしない。
その姿は、コーチというよりもアドバイザーやコンサルタントに近いものがあるかもしれません。
まとめ
コーチングの本旨ではありませんが、ただ相手の話を傾聴し、ただ承認するのは容易いことです。
しかし大学受験ではそういった表面的なコミュニケーションの気持ちよさではなく、具体的な答えを求められます。
技法を用いることも大切ですが、技法に振り回されて本題を見失わぬよう、お子さんとコミュニケーションしていきましょう。
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