文系の東大受験で他の大学と大きく異なる点と言えば、社会科3科目から2科目を選んで受験しなくてはならないこと。高校の授業との兼ね合いで「世界史」×「日本史」を選ぶ人が多いですが、暗記が少ない科目として密かに人気を集めるのが地理。
今回は、東大地理で確実に得点するための勉強法を伝授します。
Contents
東大地理の問題の傾向
攻略のためにはまず相手を知ることが大切です。まずは東大地理の出題の傾向を知るところから始めましょう。
過去問をご覧頂けばおわかりかと思いますが、東大地理では今まで奇問が出題されたことはまずありません。重箱の隅をつつくようなマニアックな知識を問う問題ではなく、基本に忠実な問題が出題されます。従って、きちんと理解していれば必ず論理的に答えを導き出せます。同じ東大で言うと数学と出題傾向が似ていると言えるのではないでしょうか。つまり、きちんと勉強すれば誰でも高得点を狙えるのです。
東大地理で確実に得点できる勉強法
東大地理は奇問がないので、しっかり勉強すれば高得点を狙える科目です。ここでは、地理を「しっかり勉強」するためのコツを2つ紹介します。
「地理学とは何か」を意識してインプットするべし
「地理」と言うと、気候区分を覚えたり地名を暗記したり・・・といったイメージを持っている人もいると思います。しかし、それは地理学の本質ではありません。東大地理を攻略するためにはまず「地理学とは何か」に目を向けましょう。
そもそも地理学とは何か
地理学とは、「社会科」の一つです。社会科とは、社会=「人々が営む生活」を分析する学問です。例えば日本史や世界史は歴史=時間という観点で人類の営みを考察する学問です。同じように、地理学は「空間」の観点から社会を考察する学問なのです。
具体的に説明します。ある空間において、その土地固有の「地形」や「気候」があります。それらの影響でこの土地でどんな農業が行われるかが決まります。この「地形」「気候」や「農業の在り方」はその土地の経済や社会の在り方にも影響を与えます。このように空間という観点から社会を考察するのが地理学です。
インプットへの応用
暗記をする際に、個別の知識としてただ暗記するのではなく、空間の中でそれぞれの要素(地形、気候、経済等)が重層的に重なり合い影響し合っている様子を常にイメージするようにしましょう。
この基本的な考え方をしっかり理解した上で地理の勉強に臨めば、最低限の知識でも初見の問題を解けるようになります。
問題演習からもインプットするべし
東大の地理の出題は論述式です。しかも字数は比較的少なく、30字〜120字程。これは、知識の量よりも適切かつ端的に回答できる能力が見られているからに他なりません。自分の持っている知識を指定の字数でまとめるための練習は必ず行っておくようにしましょう。市販の問題集も良いですが、まずは過去問10年分くらいを2~3周するのがおすすめです。
東大地理の問題に慣れていない人はこの段階で壁にぶつかるかと思います。その場合は、思い切って模範解答を暗記してみましょう!
よく、英語の勉強法として例文の丸暗記を勧める人がいます。例文を丸暗記してしまえば文法や単語の使い方を応用してどんな文章でも作れる、といった趣旨ですが、実は地理の勉強でも同じことが言えます。違う場所でも地形が似ていると同じ現象が起こることも少なくないので、模範解答を覚えていれば様々な問題に応用できるのです。
東大地理出題に関するマメ知識
しっかり対策をすれば高得点を取ることができる地理ですが、事前にどんな問題が出るかわかっていればより高得点を取ることができます。そこで、どんな問題が出そうか予測するためのコツを特別に伝授します。
もちろん勉強する際は全出題範囲を網羅した方が良いですが、テスト直前の10分間に何を見直すか迷った時などにお役立て下さい。
出題地域は時事の影響を受ける
実は、問題で出題される地域は時事ネタの影響を大きく受けます。基本的に、現代社会などのようにホットなネタが直接設問になることは無いのですが、例えばEUが話題になった年はヨーロッパに関する問題が出題されやすかったりします。
教授の専門分野に偏りあり
東大の入試問題は東大の教授陣が作成しています。各教授にはそれぞれ自分の専門の地域や専門の分野があります。問題はなるべく偏らないように作成されるはずですが、やはり専門分野の問題は出題されやすい傾向にあります。
過去問を遡って解いた方であればお分かりかと思いますが、なんとなくアフリカ大陸、オーストラリア大陸、中東に関する出題は少ないような・・・。もちろんこれらの地域からの出題もゼロではないですが、参考にする価値はあるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。ポイントを抑えて勉強することができれば、地理は暗記が少なく得点しやすい科目になります。東大受験で地理を選択する人はぜひ参考にしてみてください。