大学受験で化学を使うのであれば必須となる有機化学ですがどのように勉強をしていますか?
理論化学は文字通り理論を理解してから思考していく分野・無機化学は暗記中心に勉強していく分野・有機化学は思考と暗記の複合した分野であるという話は一度は耳にしたことあると思います。
しかし、ほとんどの問題集は有機化学のセクションでは構造決定問題、つまり思考中心となる問題ばかり取り扱っています。
では暗記の部分はどのように勉強していくのでしょうか?
今回は有機化学の勉強方法について説明していきたいと思います。
実は構造決定問題よりも大切なことが数多くありますよ。
Contents
いつごろからどれくらいやる必要があるのか?
出来る限り早く理論化学を修了させて有機に進もう
まずいつ頃から本格的に有機化学の勉強を始めるべきで、どれくらいの時間を必要とするのか?ということについて話をしていきます。
時期についてはいつでも大丈夫ですが、早くから始められた受験生の方が合格可能性が高いと言えます。
当然、過去問演習を始める前には勉強がある程度は進んでいる必要はありますが、理論化学の勉強が一通り修了していれば無機化学より先に初めても大丈夫です。
理論がどれくらい進んでいるか?という指標にもなるので有機は早い段階で本腰をいれられると良いですね。
必要な時間は大学のレベルによらない
次に時間ですが、一日にどの程度の時間をかけるかにもよりますが、2~3か月はかかると思っておきましょう。
反応の原理は基本的には暗記する必要はないですが、正しく理解しておかないとその反応が起こる理由がわからなくなります。
そうなると複雑な構造式も暗号に見えてしまい、丸暗記に頼ることになります。
それでは効率が悪くなってしまうので勉強を始めて最初は中々成績が伸びないと思いますが、じっくり理解することに専念しましょう。
そこからは暗記です。とにかくすべての反応式を暗記してください。8割や9割では駄目です。すべて覚えてください。
実際の入試で最も頻繁に出てくる構造決定の問題は、基本的に最初から最後の設問まで連動しています。センター試験の数学に似ていますね。
つまり途中の反応がわからない・思い出せないという状態になると以後すべての問題に解答することが出来ません。大量失点につながります。
暗記は徹底的にくり返し完璧にしましょう。
そして、難関大学を受験する場合(早慶以上のレベル)は実際に構造決定問題演習を行いましょう。受験しない場合はそのまま過去問演習に進んでください。
難関大学では教科書に載っていない物質について考えさせることも増えてくるので、慣れるために少し多くの時間をとるべきですが、構造決定のほとんどは反応を憶え、慣れてしまえば簡単に解けます。
問題集をやりこむ必要はない
先ほど述べた通りほとんどの問題は反応機構を理解し、反応式を憶えてしまえば解くことの出来る問題です。
早慶以上の大学を受験する場合でも、大学によって出題傾向は異なるので過去問を中心に勉強してった方が効果的です。
セミナーや重要問題集に載っている問題演習は軽くやる程度にしましょう。
つまり、やるべきことは学校や予備校の授業をしっかり聞くことと、問題集ではなく参考書を使って勉強することです。
では具体的にどのような参考書をやるべきなのでしょうか?
次に、おすすめの参考書を2つほど紹介します。
おすすめの参考書
岡野の化学が初歩からしっかり身につく
化学が全く分からないという場合はこの参考書をおすすめします。
有機化学だけの参考書ではないので、岡野の基礎からシリーズで勉強する場合は3冊すべてそろえるようにしてください。
問題演習量は少なめとなっているかわりに反応機構の説明に非常に多くのページをさいています。丁寧な説明となっています。
一つの有機反応はいくつもの小さな反応が順番に起こっているという流れを理解することを意識しましょう。
鎌田の有機化学の講義
こちらはある程度の化学の勉強はしてきており、もう少しハイレベルなことを学習していきたい高校生向けの参考書です。
前提となる部分、具体的にはメタン・エタン・プロパン…やベンゼンというような基本的な有機物質の説明は軽く説明するだけでとどめており、
かわりに高校の参考書に載っていないような内容まで掘り下げてくる部分があります。
問題演習となる部分も難易度の高いものが集中的に載っているのでやりごたえのあるものとなっています。
まとめ
いかがでしたか?
覚えておいてほしいのは構造決定の問題をひたすらやっても成績は上がらないということです。
それよりも反応機構の暗記ミスを徹底的になくすように毎日時間をかけるようにしましょう。