大学入試では近年は上位校では中高一貫校の優位が揺るぎないものになっています。中学受験の後6年間かけて大学受験の準備をする中高一貫校性と比べて、高校受験を経て、高校1年生から大学受験の準備をする高校入学組とではどうしても準備に時期的な有利不利が出て来ます。
今回は、高校入試組が大学受験に向けての勉強をスタートする時期について考えてみたいと思います。
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英語については高校入試が終わったらすぐにスタートすべし
まず文系理系問わず必要となる英語についてですが、この科目については、高校受験が終わり進学が決まったならば、スイッチをオフにすることなくそのまま大学受験の準備に向かうべきです。
高校受験が終わった時というのは、その時点ではそれぞれの生徒の英語力という点においては自分史上最高最高になっていると思います。しかし、英語というのは多くの人がその時点ではまだ本格的に学習を始めて3年目、しっかりと身につき切れているかといえばまだまだです。
そのような状態で、1ヶ月でも英語をOFFにすると、驚くほどあっさりと単語や文法を忘れていきます。これは、驚くほどあっさりと、です。それまで積み上げてくるのはそれなりに苦労をしたと思うのですが、崩れ去るのは一瞬です。
そうして、せっかく積み上がった英語力を、高校に入ってしばらくしてからもう一度、よいしょとやり直していくのは、非常にもったいないです。忘れた単語、失った文法知識をもう一度取り戻すのは非常に億劫です。ですので、英語についてはいずれにせよ大事な科目になるのですから、高校受験が終わっても切らすことなくしっかりと学習を継続していきましょう。
具体的には、単語学習はすぐに始めるべきです。一定量でいいので毎日英単語の確認をしていきましょう。学校から3月にもなればテキストが配られ、そこに単語帳は必ず入っているはずです。その単語帳を使ってどんどんと単語学習を進めましょう。
もう1つのおすすめは、英語検定をターゲットにした学習です。もし3級までの取得者でしたら準2級を、準2級まですでに取得している場合は2級を、入学後の5、6月にある英語検定で取得できるようにターゲットを絞って学習をしてみましょう。
2020年からの大学入試改革において、英語ではスピーキングを選考材料としてくいくことが予定されていますが、その一つの指標として英検のスピーキングのスコアが利用されることはほぼ間違いなさそうです。英検自体も、そのようなところを見越して昨年から受験内容を変更していきています。ですので、英検を早期に獲得しておくことは、大学受験に対してこれまで以上にポジティブな材料となっていきます。
理系選択者の数ⅠAは学習完了次第センターレベルの演習をスタート
理系選択者にとっては、高校入学組はどうしても数Ⅲの取り掛かりが2年後半から3年秋にかけてかかっており、そうなるとどうしても3年次は重たい数Ⅲの学習が大きなウエイトを占めます。この時に、数ⅠAに引っかかってしまうとなかなか時間的に制約が厳しくなります。ですので、理系選択者は数ⅠAについては学校の学習が終了次第、速やかにセンターレベルの演習をスタートしましょう。
目標は2年末までに、国公立上位早慶あたりならばセンター8割、マーチクラスでもこの時点でセンター8割6割以上は確実にスコアできるようにしておくことが一つのマイルストーンと思ってください。
社会と理科の選択科目の学習は2年夏から
理系の理科、文系の社会についてはそれぞれどの科目を自分が中心科目としていくのかは、2年の1学期中に決めましょう。1年のうちではまだ習わない科目でもあるでしょうから、2年の1学期の学習の様子を踏まえて、どの科目を選択するのか決定させましょう。1年も勉強しなくとも、1学期も取り掛かれば、その科目が自分に向いているか、楽しいと思えるかなどの判断材料は概ね見えているはずです。
そして、そこで選択した科目は受験時の中心科目の1つになりますので、高2の夏休みから徐々に基本的な知識の確認を進めていきましょう。望ましいのは学校の進度によらず2年末までにはその科目については予習と、ステージ1(基本レベル)の学習については終えておくこと、になります。
ちょうど部活も先輩が抜ける頃で、しかも高2の夏から秋、というのはもしかしたら人生でも最も楽しい時期のうちの1つ、かも知れません。そういう時期だからこそ、意識して自分に厳しくすべきことをコツコツと取り組んでおくことは非常に効果的です。
文系の古文は2年のうちに助詞・助動詞と敬語をマスター
文系ならば多くの学校で古文は避けられないところですので、古文の基礎学習をいつしておくか、というところは重要なテーマです。古文単語などもコツコツとやっておきたいところですが、何よりも重要視していきたいのが、助詞・助動詞と敬語についての学習です。
助詞・助動詞については活用と意味の一覧表をきちんとマスターする、敬語については本動詞と補助動詞について所詮は40個程度ですので、きちんとマスターすること。この2点を必ず2年次に実施しておきたいところです。古文単語を手中的に取り組むのは3年次でもよいでしょうが、助詞・助動詞・敬語についてはマスターしておかないと長文演習に進めませんので、コツコツと取り組んでおきたいところです。
まとめ
高校入試組の受験勉強スタート時期というのは、こうしてみくると一義的に「いつから」というものではなく、理系なのか文系なのか、国公立なのか私立なのかなどの選択により、それぞれふさわしい取り組み時期というのが変わってきます。そのような観点からも、志望校や学部学科に対する選択というのは高校1年生の頃よりしっかりと情報収集していくことが重要です。
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