東京大学や一橋大学などに代表される、国公立大学の記述式の歴史科目は対策に困っている受験生が多いと思います。
もちろん文部科学省指定教科書の内容をすべて暗記することが出来ればそれに越したことはないですが、「そんなの無理だよ!」という受験生向けに、歴史科目の記述対策を進める上でのちょっとしたポイントを紹介します。
おすすめの参考書は山川出版
まず対策を進める上で使用する参考書ですが、おすすめは山川出版社のものです。
もちろん例外はありますが、多くの高校で「歴史の教科書といえば山川」といえるほど一般的な参考書です。
おすすめの理由はまず欄外のコラムも含めればかなりの情報量があることです。
加えて、国公立大学の入試は公平性の観点から「教科書」を見ても明確に答えられない問題は作成しない傾向があるため、使う人が多い山川の参考書で答えられない問題は出る可能性が低いといえます。
因果関係を意識して勉強する
歴史の勉強というと「年号」や「人名」「事件名」をひたすら暗記するイメージが強いですが、記述式の問題に対応するためにはそれだけでは不十分で、むしろ一問一答の暗記よりも力を入れるべき勉強があります。
それが「因果関係」を意識して勉強することです。つまり教科書にびっしりと書かれている文章を、年号や人名だけ赤マーカーするのではなく、なぜそうなったのか原因と結果を注意して覚えるということです。
記述式の問題の多くは単に「○○年に起こった事件は?」という問い方はまずせず、その事件の原因や事件の背景にある社会情勢などを問うてきます。
場合によっては時代や分野をまたいでマクロな視点で経済の変化などを問う問題もあります。
そういった問題に対応するには年号や事件名を覚えるだけでは不十分で(もちろんその知識も必須ではあるのですが・・・)、教科書に明示されている、あるいはそこから明らかに推測できる因果関係を学習する必要があります。
図表が豊富な資料集は暗記の助けになる!
高校で必ず配られ、普段はロッカーや机の中で眠っている(であろう)資料集はですが、実は歴史の勉強にとても役立ちます。
これは国立の対策に限ったことではないですが、暗記を効率よくするには「思い出すきっかけ」が多ければ多いほど良く、資料集で取り扱う図表はイメージとしてとても頭に残りやすいです。
また国立の入試では全く同じものではないにしろ、図表や資料を題材に答えさせる問題が少なくなく、普段から資料集に目を通しておくとふとしたときに役に立ちます。
国語力が意外な落とし穴になりうる!
一問一答式の問題と異なり記述式の問題は答え方が大事になってきます。
例えば「○○事件の背景を経済的側面から答えなさい」という問題に対し、「○○事件」の知識があるからといって年号や関わった人名をひたすら述べる記述をしてもおそらく合格点はもらえないでしょう。
きちんと答えるためには当然「持っている知識」を「問題作成者が求めている形」に自分の言葉でまとめて答えなければいけません。
この場合、○○事件について教科書に書いてある事項から、経済的側面に関することをピックアップし、最後に事件の「理由」を述べる形にまとめるのがベストです。