受験勉強において、英語が重要な科目であることはほとんどの人がわかっていることではありますが、だからこそ多くの受験生が勉強方法に悩んでいる科目でもあります。
まず受験勉強を始めようと思った際に英単語の暗記から始める人も多いのではないでしょうか?
英単語の暗記は、本番直前まで続くためなかなか英単語の暗記ができない人にとっては長い時間悩む事になってしまうため、早めに暗記のコツをおさえておくことが必要です。
やはり英語において単語力は重要
冒頭でも伝えた通り、まずは英語自体が試験全体において得点配分が高い上に、英単語をどれだけ覚えているのかということが全ての問題の解答率のベースとなります。
入試本番において、わからない英単語があれば当然長文読解のスピードや正答率は下がっていきます。
ただ、実は本番だけでなく受験勉強全体の効率にも関わっていきます。英単語をあまり理解していない中で、文法や長文の勉強を進めているいると、本来学ぶべき内容をやる時間よりも単語を調べたり覚えたりする時間が多く必要となってしまうため計画的に勉強が進まなくなってしまいます。
英単語は短期間で実戦レベルに定着させることは不可能とも言えるので、予め時間をとってしっかりと覚えておくことが必要です。
英単語がなかなか覚えられない原因
そもそも計画性がない
英単語は短期間でしっかりと定着させることは不可能なので、受験勉強全体と通した計画を立てておく事が必要です。
そのような中で、「空いた時間」「隙間時間」にやろうと思っているとなかなか進まないということがあります。
まとまった時間で覚えようとしている
ドイツの心理学者・エビングハウスが提唱する「忘却曲線」というものがありますが、人間の記憶は短期間で一気に忘れていってしまいます。そのため、一気にまとまった時間で覚えようとしても結局は忘れていってしまいます。
多くの時間をかけたもののあまり覚える事ができていないとなれば、モチベーションも下がってしまうためなかなか単語を覚えられないという悪循環になってしまいます。
まじめな人で、コツを知らないままこのような悪循環になっている可能性があるため注意が必要です。
全ての意味を一度に覚えようとしている
一つの英単語に対して一見すると全く異なるような意味が複数ある場合も珍しくありません。
そのようなものを一度に覚えようとするとどれも十分に覚えきれないということが発生してしまいます。上で伝えたものにも似ていますが、この方法も多くの労力をかけてもなかなか覚えられないという悪循環が起きてしまいます。
書くだけ、読むだけというただの作業になってしまっている
あくまでも目的は単語を覚えることですが、「書く」「読む」といった作業を繰り返しているうちに頭が全く働かなくなっていることがあります。
頭をフル回転して覚えているという状態よりも書いているだけの方が楽なため、意識しながらやっていないと徐々にそのような状態に陥ってしまいます。
英単語を覚えるときのポイント
一つの単語に対する繰り返しを徹底する
先ほど伝えた通り、人の記憶はすぐに薄れていってしまうため繰り返す事が最も大切です。
繰り返しは具体的には、1日の中の繰り返しと数日ごとの繰り返し、更には同じ単語帳を数ヶ月ごとに繰り返しといったかたちでいくつかの繰り返しサイクルを回していくことが必要です。
1日の中での繰り返し
下記のように、1日の中で4回ぐらい同じ単語を繰り返す事で記憶が薄れていくことを防止する事ができます。
・朝の電車1通り見る
・昼過ぎに2回目
・帰りの電車で3回目
・寝る前に4回目
前日の分と1週間分の復習
数時間単位の忘却だけでなく、数日単位でも記憶はどんどん薄れていってしまいます。
そのため、下記のような復習サイクルも回しておくことが必要です。
・前日の分を決まった時間に一通り復習
・1週間分の単語を週末に復習
1つの単語帳は1ヶ月〜2ヶ月程度で1周
一つの単語帳を入試本番まで何周も復習することが大切です。
これも、中期的に忘れていってしまう単語をしっかりと定着させるための方法になります。
例えば下記のようにだんだんと1周にかける期間を短くしていくことで効率的に学習を進めることができます。
・1周目:3ヶ月
・2周目:2ヶ月
・3周目:2ヶ月
・4週目:1ヶ月
・5周目:1ヶ月
例えば一つの単語帳を9ヶ月で完璧にしようと思ったらこのようなサイクルになります。
単語の意味は語呂合わせやイメージと紐つけて覚える
単語帳を繰り返し覚えようとするとどうしても単語を記号として見るようになっていきますが、このように覚えていると単語が持つ言葉としてのニュアンスをつかみ取ることができず、なかなか覚えることができません。
単語は必ず文章の中で使われ、文脈によって意味合いが変わってくるので、覚えるときも必ず例文と合わせて覚えるようにしましょう。
例文が示す意味や状況などをできるだけ画としてイメージして、その中で使われる単語のイメージも画として思い浮かべて覚えるクセをつけておきましょう。
読む、書くはイメージを膨らませる手段
読んだり書いたりして単語を覚えているときに、頭が働かずに単なる作業になってしまうということを伝えましたが、この方法自体は上手く行えば非常に効果を発揮します。
例文や単語に対するイメージを膨らませながら声に出したり、紙にかきながら暗記を進めることで複数の刺激がイメージに加わって効果的です。
単語をひたすら書く、読む、単語帳を見ているという動作は外から見ると同じように見えますが、単語を覚えられる人と覚えられない人とでは頭の中の使い方が全く違うということをおさえておきましょう。
単語別に理解度があることを意識する
限られた期間の中で単語を覚えなければいけない中で必ず意識して欲しいのが、単語によって理解度が異なるということと、理解度によってかける時間を変えるべきということです。
理解度は下記のような段階に分かれています。
・全く見た事がない
・見た事はあるが全く意味がわからない
・一度覚えたはずなのに意味を忘れている
・今は知っているが忘れそう
・十分に定着していて忘れる気はしない
単語帳の1ページに書かれている単語の中でもそれぞれが自分にとってどの理解段階なのかを意識して見ていきましょう。
理解度ごとに単語に印や記号をつけて、理解度が低いもの重点的に覚えるようにして、また数日後や数ヶ月後に見たときに覚えていれば記号や印を更新するという方法が効果的です。
単語が覚えられないのは暗記力ではなくやり方
複数の人が全く同じ条件で短期記憶を競う訳ではなく、数ヶ月・数年間をかけて覚えて行く受験の単語において、差がつくのは暗記力ではなくやり方です。
ここで紹介したように、なかなか英単語が覚えられない人の特徴をまずはしっかりと理解し、その上でおさえるべきポイントをおさえて英語力のベースをつけていきましょう。