英文法の基礎:仮定法をマスターする その1では基本的な仮定法の表現と代用や省略について説明をしました。まずは基本的にifを使うところから理解して覚えて、それらを踏まえて代用、省略も理解していくという流れでした。
今回は仮定法の中でも重要構文と呼ばれるものを紹介していきますので、一つ一つ理解して覚えていってください。
Contents
願望を表す表現
願望を表す表現でも、仮定法現在、過去、過去完了の3つがあります。その内でも、仮定法現在は古い慣用表現が多くなっています。そのため、ここでは仮定法現在の表現の説明は省略します。
仮定法過去での願望
仮定法過去での願望は現在の実現困難な願望を表現する時に使用します。
I wish I were strong.
もっと強ければなんとかすることが出来る状況で、この様に「強かったらなぁ」と願望を表現します。
I wish I could help you.
これはI am sorry I can’t help you.の婉曲表現となります。英語には敬語は無いと言われますが、それは即座に丁寧な表現も無いことを意味しません。
体系的な敬語は存在しませんが、丁寧な表現や遠回しの表現は当然存在します。
仮定法過去完了形での願望
仮定法過去完了形での願望は過去の実現しなかった願望を表現する時に使用します。
I wish I had been strong.
Kazuki wished he succeeded his final attempt.
過去のある時に「もっと強ければ」とか「最後の試技を成功させることができたら」とか、過去にそうではなかったことに対しての表現となります。
願望の表現のまとめ
仮定法過去の願望→S wish S Ved
仮定法過去完了の願望→S wish S p.p.
wishに続く節の中では仮定法となるので、I wish I can~の様な表現は不可となります。
It is time~構文
It is time+仮定法過去で「~してもよいころだ」という意味になります。基本的に仮定法過去完了とはなりません。
timeの前にhigh「とっくに~」, about「そろそろ~」をつけることで強調の意味となります。
It is time you lifted that barbell.
→あなたはあのバーベルを挙げてもいいころだ。
It is high time those students worked out.
→あの学生達はとっくに運動してもいいころだ。
It is about time they bought a set of dumbbells.
→彼らはそろそろダンベルのセットを買ってもいいころだ。
as if~とas though~の仮定法
as if~とas though~は話し手が事実ではない、あるいは事実であるか疑問に思っている場合に仮定法過去や仮定法過去完了を用います。
まるで~のように
as if 仮定法過去(as though 仮定法過去)は主節の動詞が表す時制と同じ時の内容を表すときに使います。
as if 仮定法過去完了(as though 仮定法過去完了)は主節の動詞が表す時制よりも前の時の内容を表すときに使います。
You talk as if you were a goddess.
→あなたはまるで女神であるかのように話すね。
She felt as though she were a true goddess.
→彼女はまるで自分が本当の女神であるかのように感じた。
He looked as if he had seen a goddess.
→彼はまるで女神に会ったかのような顔つきだった。
※女神に会った方が先に出来事になります。
I respect her as if she were a goddess.
→まるで彼女が女神であるかのように私は彼女を尊敬している。
~らしい、~らしく
仮定法の意味がなく、単に様子・状況を表す場合には直説法として表現します。
直説法現在・未来・現在完了の動詞が来ます。
It seemed as if they did not come to the gym.
It looks as if it is going to rain.
He succeeded that attempt. It is as if he will win the tournament.
~がなかったら
文語的な表現として、仮定法過去If it were not for~、仮定法過去完了If it had not been for~で「~がなかったら」を表現することができます。
If it were not for power, you could not lift that barbell.
If it had not been for power, you could not have lifted that barbell.
if it were not for~とif it had not been for~はwithout~やbut for~で表現することが出来ます。
withoutやbut forを使うと動詞の時制を考える必要がなくなります。
Without power, you could not life that barbell.
倒置の方法
英文法の基礎:仮定法をマスターする その1での説明そのままで倒置をすることが出来ます。
Ifを消去、動詞部分を倒置
Were it not for power, you could not lift that barbell.
Had it not been for power, you could not have lifted that barbell.
いわば
as it wereで「いわば」という意味になります。
文の途中や文末に置かれます。
He is, as it were, a living dictionary.
(…するくらいなら)~した方がましだ
would rather~(than…)で(…するくらいなら)~した方がましだという意味になります。
次の3つの表現でも同じ意味となります。
would sooner~(than…)、had rather~(than…)、would sooner~(than…)
上記以外にも同じ意味となるものはあるのですが、あまり見かけないのでここでは表記しません。
~した方がよい
had better~で「~した方がよい」という意味になります。
had better 動詞の原形という形になります。
否定形はhad better not 動詞の原形
You had better get up early.
You had better not get up early.
「~した方がよい」という言い方になっていますが、「~しないのはおかしいぞ」位の強い意味なので、人に対して使う際は注意する必要があります。
まとめ
細々とした表現を説明してきましたが、これらは一つ一つ理解して覚えていきましょう。コラムを読んで、問題演習をして身につけましょう。
インプットだけではなく、アウトプットをすることで理解は増していきます。また、実際に問題を解くことでどのような問題形式で出題されるのかも理解することが出来ます。