保護者のみなさんにとってはすでに経験した方も多いであろう大学受験ですが、お子さんはなかなか目の前の課題に集中することはできません。
高校に行けば、部活や友人との付き合いがあり、すべてを捨てて受験勉強に向かうということは容易ではありません。
一方、保護者のみなさんからすれば、人生の転換期ともなりうる大学受験ですから、勉強の優先順位を上げて、一生懸命やってほしいという気持ちが湧くのももっともです。
そこで今回は、受験勉強における生活の優先順位の付け方を、親子でどのように話していくべきかについてご紹介したいと思います。
何でもかんでも、は無理
お子さんに告げなければならない真実として、何でもかんでも思い通りにはならないということです。
東大や京大に現役合格するような受験生の多くは、部活を高校2年生の夏に引退していたり、友達と遊ばず1日10時間以上勉強していたりします。
これは合格体験記などを見てもそうですし、逆に高校3年生の夏まで部活をやっていた「イレギュラーな」受験生もいますが、彼らと同じようにやって不合格となった山のような人数がいることも忘れてはいけません。
必ず、自分の生活の中で優先順位をつけるよう、告げるべきです。
部活や遊びをしたいお子さん
受験勉強よりも部活や遊びに熱中したい場合は、ご家庭の教育方針もありますが、基本的に現役での志望校は厳しいでしょう。
もちろん、すでに基礎学力が完成しているとか模試などでも上位で安定しているといった理由があれば良いものの、そうではない受験生が部活や遊びと並行して難関大学に合格するのは不可能に近い話です。
そんなときは、将来の夢や職業選択の話をしながら、お子さんがどのような将来を希望していて、そのままの生活で良いのかを問いかけてあげましょう。
優先順位付けができないお子さん
意外と多いのが、このケースです。受験勉強も頑張りたいけど、部活でも自分が必要とされていて頑張りたい。しかしなかなか勉強に手をつけられていないケースです。
こういうケースに有効なのは、具体的な優先度設定をしてあげることです。例えば部活と受験勉強が同等に大切なら、部活に割く時間を決めてそれ以上は自主練習をしないとか、部活と受験勉強以外の遊びの時間を制限するとか、具体的なルールを作ってあげるのです。
本人は大抵「このくらいはやらなければいけない」ことを認識していますから、保護者のみなさんが何かを押し付けなくても、自然と自分で考えることができるでしょう。今までできなかったのは、ひとえに「約束する相手、見てくれている相手」がいなかったことが大きいのです。
まとめ
受験生は勉強以外にも様々なことを抱えています。家庭では勉強のことしか見えないかもしれませんが、高校生は高校生なりにいろいろあるのです。
もちろんそれを理由にサボっていてはいけませんが、お子さんの事情も踏まえながら、今後の生活スタイルについて一緒に考えていきましょう。