長い道のりの大学受験、その道のりをどのように進んでいくのか、それを明確にしていくのが勉強の計画です。高校受験ぐらいだと、なんとなく勉強していてもなんとかなっていたことも多いでしょうが、大学受験については、絶対的に求められる勉強量がグググんと増えることもあり、勉強計画を立てずに学習を進めていくことはお勧めできません。
勉強の計画を立てる際には、先人のアドバイスを聴きながら色々な手法、考え方を参考にしていくと思うのですが、今回はその「全て」に共通すると言える「時間予算」という考え方、簡単な活用方法をご紹介したいと思います。
時間は有限。時間は平等
1日24時間、人間には時間だけは平等に与えられています。僕には1日は50時間あるのさ、という人がもしいたら、素敵な革命です。しかし、世界を股にかけてビジネスを展開するソフトバンクの孫社長も1日は24時間だし、だらだらと日々を過ごしている夏休みの高校生の1日も24時間です。
ホンダの創始者である本田宗一郎さんの言葉に「時間だけは神様が平等に与えて下さった。これをいかに有効に使うかはその人の才覚であって、うまく利用した人がこの世の中の成功者なんだ。」という言葉がありますが、まさにその通りです。部活のある子も、家から学校が遠い子も、家庭環境で色々な制約もある子も、それぞれ事情があるでしょうが、大学受験ぐらいのことならばどんな環境であろうと、「有効に、うまく」時間を利用できれば、必ず突破することはできます。
時間予算とは
では、時間の使い方を考えるときに、まずファーストステップとして何をすべきかといえば、「自分の現状の時間予算を知ること」でしょう。
時間予算とは、「自分がコントロールできる時間の総量」です。例えば、とある1週間を考えてみましょう。
A君は、朝630に起き、0730に家を建て、0830に学校につきます。学校は6時間授業で1530に終了します。部活が週に4回あり、部活があると終わるのは1830ごろ。帰ってくるのが1930ぐらいになります。部活のない日は遊ばなければ1700には帰ります。
土曜日は基本的には授業はないですが、午前中は部活、です。日曜日は特段決まった予定はありません。
では、このA君が自分がコントロールできる時間量はどのくらいでしょうか?
(平日部活なし)
通学時間 往復2時間
朝 0630ー0730 1時間
夕方 1700ー2300(就寝時間)
合計 9時間
(平日部活あり)
通学時間 往復2時間
朝 0630ー0730 1時間
夕方 2000ー2300(就寝時間)
合計 6時間
(土曜日)
午後 1400ー2300
合計 9時間
(日曜日)
終日 0800ー2300
合計 15時間
1週間の合計 57時間。この57時間が、A君のこの1週間の時間予算、ということになり、この自分でコントロールできる時間をいかに使うのか、が時間の使い方の基本の考え方になります。
今週すべきことの棚卸し
1週間の時間予算を確認して見ると、自分が思っているより自分がコントロールできる時間というのは多いのだな、と感じることが多いのではないか、と思います。部活を週に5日やっていても、60時間近くあるわけで、その全てを勉強に注ぐなんていう選択肢はあまり考えられません。
時間予算を確認したならば、次に行うのは、今週すべきことの「棚卸し」です。これは、箇条書きで今週すべきことを書いていき、それをするのに必要な時間量を書いていきましょう。
・英語Ⅱのワーク提出のための準備 2h
・数学の模試の見直し 1h
・今週の対戦チームのVTR確認 1h
などなどなのですが、ここで大事なことは、「勉強の予定だけにしない」ということです。
勉強の予定ほどつまらないものはありません。例えば、ニンテンドースイッチを買ったから、ゼルダの伝説をやりたいというならば、
・ゼルダの伝説をプレイする 2hを3回
とかを入れましょう。自分がやりたいこと、楽しみたいこと、そういうことも勉強と一緒に棚卸しをしていくことが大事です。
勉強時間にパワーを与えるのは、自分の日々の生活の充実や、やりたいことをやれているという充実感です。
すべきことを時間予算の中に埋め込んでみよう
棚卸しができたならば、自分の時間予算の中に、すべきことを埋め込んでいきましょう。
・月曜日 0630ー0730 数学の模試の見直し
・火曜日 2100ー2200 今週の対戦チームのVTR確認
のよう感じですが、ここで大事にして欲しいのは、「まず、勉強以外の自分が本当にやりたいことを先に入れていく」ということです。視点としては、自分にとって「緊急的に大事なわけではないけれど、自分のために大切にしたいこと」です。僕ならば、ゼルダの伝説をプレイすることは、もちろん緊急性は全くないけれど、自分の楽しみとしては何よりも大事です。
そういう「緊急ではないけれど大切にしたいこと」をまず優先的にスケジュールに入れましょう。なぜならば、人間の生活は、緊急な事案であふれています。ですので、緊急性の高いことからスケジュールにしていくと、結局、緊急性の高いことばかりしていき続けることになります。
ところが、自分にとって自分に活力を与えるもの、あるいは本当にやりたいことというのは、今、今週に必ずやらねばならない、ということではないことが多いです。
でも、考えてみてください。雪が降ったら雪かきをするのですが、そればかりしていると、永遠と雪かきをし続けることになります。どこかで、時間をとって「雪除け」を作って、雪かきをする必要性を減らすことが、緊急ではないけれど、絶対に重要です。
そういう時間を、まずきちんと確保するということが、長期的にはとても重要になります。
まとめ
今回は時間予算について、例として週単位で見てみましたが、受験に向けての長期の学習計画を立てる時も同様です。自分が使える時間がどれくらいか、それに対して何にどれだけ時間を費やしていくか、それを考えて意思決定していく、そういう取り組みを、まずは毎週のスケジューリングの中で取り組んでみて欲しいと思っております。
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