参考書は大半の受験生にとって欠かせない存在です。塾や予備校に通う人でも、自主勉強のために参考書を利用する人がほとんどだと思います。
そもそも参考書の役割は
・教科書だけでは理解できない、カバーしていない部分の内容理解を助ける(参考書)
・演習問題を解いて実践力を身につける
という2つの大きな役割に分かれるかと思います。前者を参考書、後者を問題集と分けて考える人もいますが、両方の要素を含んでいるものも多いため、本記事では全て参考書という記載に統一します。
受験勉強に欠かせない参考書ですが、使い方を誤ってしまうとあまり効果を発揮できませんし、無駄にお金もかかってしまいます。実際、どのように参考書を有効活用すればよいのでしょうか。
1冊をとにかくやり抜く
参考書を使う上で陥ってしまうミスは、色々やってみたほうがよいだろうと考え、多くの参考書に片っ端から手を出してしまうことです。「これは自分には合わない」、「こっちの方が分かりやすそう」などと選り好みしていると、結局大して理解ができず、お金だけが無駄になってしまうという結果になりかねません。
ですので、まずは「これをやる」と決めて選んだ参考書を1冊やり抜いてみましょう。1冊をやり抜くことでその分野の理解が深まりますし、やり抜いたという事実が自信につながります。どの参考書を選ぶべきかは悩むポイントではあると思いますが、いわゆる「王道」のものを選んでおけば基本的には間違いないでしょう。多少の相性の良し悪しはあるでしょうが、王道の参考書には「王道」たる所以があるので、それを信じてまずはやり抜いてみましょう。
反復する
さて、その1冊をやり抜いたらどうするか? 別の分野に変える? 次のレベルに進む?
しかし、そこで一度踏みとどまって考えましょう。1つの参考書を1周したからと言って、その内容をマスターできるわけではありません。よほど簡単な内容のものでない限りところどころ理解が抜けてしまう部分が出てきますので、もう1周します。
当然1周目よりもサクサク進むとは思いますが、1周目でつまずいたところ、特に演習問題などはしっかりと復習しながら進めるようにしましょう。2周目が終わったら3周目。必要であれば、4周目に突入するというようにしっかりと理解できるまで繰り返しましょう。
どの科目にも言えることですが、その内容を理解するためにはとにかく反復あるのみです。「同じ問題を何回やっても意味ないよ」と思うのではなく、「同じ問題を何度も解くからこそ理解が深まる」のだと意識して取り組むようにしましょう。
完璧主義にならない
反復せよとは言うものの、全てのページに渡って100%の理解を追い求めてしまってはいくら時間があっても足りません。これくらい理解できていればいいだろう、という自分なりの線引きも必要になります。完璧主義で参考書に取り組んでしまうと、そこから抜け出せなくなってしまいますので注意です。
今の自分のレベルからして明らかに難易度の高い内容、あるいは重要性が低いものについてはあまり気にせず、重要なポイントを押さえて反復するようにしましょう。
基礎→応用
当たり前のことですが、基礎の内容を押さえてから応用問題を解いていくというのが原則です。しかし、当たり前と分かっていてもどうしても難しい参考書に手を出してしまう人がいます。特に受験期が近づけば近づくほど、自分の現状の力と目標とするレベルの差を実感したときに焦りが生じ、基礎が固まる前に応用問題に手を出してしまう傾向が見受けられます。
焦りを感じるときこそ基礎をしっかりと見直すことが重要です。無理に難易度の高い参考書に手を出すのではなく、しっかりと自分のレベルに合ったものを選び、急がば回れで確実にステップアップしていくようにしましょう。
まとめ
今回の記事では一般的な参考書の使い方のコツについて書きました。どの科目の勉強をするにも通用する考え方です。しかし、一言に参考書と言っても、科目全体を網羅しているもの、1つの分野に焦点を当てているもの、解説メインのものもあれば演習問題がメインのものもあるでしょう。レベルもピンキリなので、どの参考書をどの時期にどれくらいやるべきかというのはまた別の話になってきます。
学校や塾・予備校の先生がお勧めするもの、友人に勧められたもの、あるいはネットで検索してレビュー評価の高いものなど選び方は人それぞれです。自分に合ったやり方で参考書選びをしましょう。また、本大学受験ラボ内にも「参考書情報」を載せていますので、ぜひ参考にしてみてください。