英語の勉強をする上で、皆さんは何を基準に教材を選んでいますか?「色々ありすぎで何から始めていいのか分からない」、「同じような教材ばかり使っていて面白味がない」等、人それぞれ英語学習における悩み事があるかと思います。
本記事では、そんな英語学習をより良質なものにするための、「英語Newsの効果的な活用法」をご紹介していきます。
Contents
そもそも英語Newsは英語学習の素材として適切?
英語の勉強を始めようというときに、真っ先に思いつくのは単語帳や文法書です。これらを使ってまずは基礎固めをしないと始まらないので、いきなり英語のNewsを聞いてみようとはなりませんよね。
そのため、英語Newsを学習素材として活用するのは比較的中級・上級者向けと言えます。単純に「英語力をアップさせたい」というだけでなく、「本格的な英語の聞き取りがしたい」、「国際的な観点でニュースに触れたい」といったより高い目標を持つ人にもおすすめの学習法となります。
しかし、ただやみくもに英語Newsを見たり聞いたりしてもあまり効果は上がりません。そこで、本記事では英語Newsを学習素材で使用するときのポイントをリスニングとリーディングに分けて紹介していきます。
リスニング編
まずはNewsの聞き取りをする上でのポイントを説明してきます。リスニングで重要になってくるのは「話すスピード」と「扱う内容」の2つです。
話すスピードを考慮しよう
リスニングの学習をする上で何よりも重要なのは、キャスターが話すスピードです。英語学習の教材でない限り、CNNやBBCのキャスターは当然ながら容赦ないスピードで話しているので、ネイティブスピードにまだ慣れていない人が挑戦するにはやや無謀です。そもそもついていけないというのであれば、学習素材としては使い物になりません。
だからといって、英語学習者向けにゆっくりと話している教材を利用すると、上級学習者には物足りなくなってしまいます。
そのため、英語Newsのリスニング教材は自分が「少し早いかな」と思うくらいのペースで話しているものを選ぶようにしましょう。具体的なものは以下で紹介します。
興味がある内容を選択しよう
自分に合ったスピードの音声を聞いていても、内容が面白くないと長続きしません。一言でNewsと言っても、政治、経済、社会、国際、スポーツなど、様々な内容を扱っているので、興味のある分野もあれば、そうでないものもあるでしょう。あくまでも英語学習のために用いるわけですから、自分とは関わりの薄い難しい内容を選択するのは避けましょう。
リスニング素材の紹介
それでは上記の2点を踏まえた上で、具体的にどのような素材を使えばいいのか紹介していきます。
◆VOA Special English
VOA Special English
アメリカ発「Voice of America」の英語学習者向けに編集されたもので、英語Newsの学習素材としては王道の一つです。Special Englishとは英語学習者に向けて遅いスピードで録音されたものなので、容易に聞き取ることができるようになっています。内容がしっかりしているので、リスニングが苦手で、まだ量をこなせていないという人にとっては重宝するでしょう。
◆BBC learning English
BBC learning Englishこちらはイギリス発BBCの英語学習者向けのものとなっています。BBCで扱っている内容をアレンジして英語学習者にとって扱いやすいものに編集されており、様々なプログラムがあります。VOAと同様、英語初学者にとっては重宝するNews素材となります。
◆CNN 10
CNN 10
これはもともとCNN Student Newsという名前でやっていたものが「CNN 10」という形で再スタートしたものです。Student Newsとあるように学生向けに作られていますが、アメリカ人の学生が対象なので、英語のレベル自体がそこまで下げられているわけではありません。
それでも、CNN 10をおすすめする理由は以下の3つの理由からです。
1. 動画のため、映像と英語がリンクし内容を理解しやすい
2. 1回が10分という時間にまとめられているため、程よい長さで最後まで見ることが比較的容易
3. 平日は毎日更新されるため、継続して学習できる(アメリカの学校の長期休暇期間を除く)
上の2つとは違って話すスピードが速いので、初学者にとっては難しいとは思いますが、ある程度リスニングに慣れてきた人にとっては良質な学習素材となります。受験勉強だけでなく、ずっと英語学習を続けていきたいという人にとってもおすすめです。
リーディング編
続いてはリーディングへの活用法です。リーディングはリスニングと異なり、スピードの要素が無いので、いかに興味のある内容の記事を読むかというのがポイントになります。
興味がある内容に絞ろう
リスニングと同じことですが、自分の興味の範疇外で難しい内容のものを素材として選んでしまうと、あまり長続きしません。学習はいかに継続するかが重要になりますので、「これなら定期的に続けられる!」というものを選択しないと、学習効率が悪くなってしまいます。
New York TimesやTime、Economistといった本格的なものを選んでしまうと、おそらく9割以上の人が挫折します。そもそも英文自体が難しいことに加え、日本語で読んでも難しいような内容も多く含まれているので、おすすめはしません。
これらをすんなりと読めるようになるとカッコいいと思うかもしれませんが、まずは無理なく続けられるレベルのものを選ぶのが非常に重要であることを覚えておきましょう。
リーディング素材の紹介
選ぶ際のポイントは、英語の記事だからといって英語圏で発行されているものを選ぶのではなく、日本で発行されているものを利用することです。
そうすれば、英語が多少難しくても内容自体になじみがあることにより、理解がしやすいことです。「理解できる」ということは「継続できる」ということにつながっていきますので、このポイントを外さないような素材を選ぶように心がけましょう。
◆Japan Times ST
Japan Times ST
定番ではありますが、迷わずおすすめするのはJapan Times STです。大元のJapan Timesが英語学習者向けに発行している週刊誌であり、とっつきやすい構成になっています。
様々なNewsに触れられるだけでなく、キーワードの日本語訳がついているので、辞書なしでも読み進められるようになっているのがポイントです。
また、Japan Timesという名の通り、日本に関連した記事がほとんどなので、普段日本のテレビや新聞で情報を追っていれば、内容が全く分からないということは無いでしょう。そのため、「無理のないレベルで継続できる」という学習する上での重要なポイントを押さえられているので、Newsを利用したリーディング素材としては最もおすすめのものです。
◆Japan Times
Japan Times
こちらは、STの大元であるJapan Timesです。英語学習者向けに編集されているわけではないので、初学者にとっては難しくなってしまいますが、BBCやCNNなどとは違い、国内のニュースが中心となっているので、内容的に把握しやすいというメリットがあります。STでは物足りないという人はこちらも利用してみるとよいでしょう。主要記事は無料で閲覧可能です。
まとめ
いかがでしたか?書店に行けば英語Newsを素材にした参考書は数多く出版されていますし、インターネットで検索すればいくらでも情報は見つかります。ここで紹介したもの以外でも自分に合ったものを見つけることはできるでしょう。
何よりも重要なのは「自分のレベルに合っていること」と「継続してできそうかどうか」という2点です。これらをしっかりと押さえた教材であれば英語Newsが皆さんの学習をより良いものにしてくれるでしょう。
無理に取り入れる必要はありませんが、学習がマンネリ化してしまっていると感じているひとはぜひ一度試してみてください。