受験のテクニック:英文和訳の注意点

和英01

英文和訳は中学から英語の勉強を始めてから、大学受験までずっとついて回る問題形式です。理解は出来ていたのに、日本語表現でミスをしてしまって減点されたことがある人も多いと思います。

今回は英文和訳の是非や英文和訳の減点されにくい方法を紹介していきます。

英文和訳って効果あるの?

和訳02

まず結論から言えば、私の意見としては効果がありますし、無駄ではないと思います。

英文和訳に対する批判としては、「そもそも英語は英語として理解すべきなのに、日本語に訳す必要はあるのか」が最大のものだと思います。

この批判を分解して、それぞれ私の意見を紹介していきます。

1.英語は英語として理解すべき

2.英語を日本語に訳す必要性

英語は英語として理解すべき

この批判は、受験レベルをはるかに超えて英語を不自由なく使いたい場合、ある意味では正しいです。ある意味ではというのは、仮に日本語の文だとしても、日本語として理解しているかという疑問がつくからです。

何か日本語の文を読んだ時に、その理解の過程を全て言語化出来るのでしょうか。言語化出来ない漠然としたイメージで理解していることも多いはずです。そういう意味で「ある意味では」という但し書きが付きます。

では、受験レベルではどうかと言いますと、別に英語がただの受験の一科目である程度なら「英語と英語として理解すべき」というのは当てはまりません。

英文和訳問題は英単語や文法を理解しているかを確認するために出される問題です。英単語と英文法を理解しているなら、後は日本語表現の問題と言っても良いくらいです。

英文和訳で確認したいことを、簡単な文を使って紹介します。

I have an apple.を和訳せよ。

この文を和訳する時に、I, have, an, appleの意味を思い出して、次にIは主語で、haveは動詞で、an appleは目的語だ。この様なことをこの順番通りか、もしくは同時に行っています。

その結果、「私はりんご(1つ)を持っている」という和訳が出来ます。

学校の授業では、英語と日本語を対応させて勉強している以上、この様な確認方法をとるのは妥当だと思います。

勿論レベルが高い授業では、英語の内容を英語で質問されて英語で答えるなんてことも行われます。

各単語の意味、文法の理解を確かめるためには、和訳は有効だと思います。

英語を日本語に訳す必要性

既に書いたことも含まれるのですが、英語を日本語に訳す必要性は単語と文法の理解の確認です。授業形式の多くが英語と日本語を対応させている以上、この様な確認方法になるのは当然と言えます。

ですが、より高いレベルで英語を勉強したいという場合、英語を他の言語に訳して理解するということはなくなります。構造や単語が難しい文を日本語やより自分が理解しやすい言語に訳して理解するということはしますが、そんなに多いことではありません。 

ある程度自分で不自由なく英語を使えると、わざわざ英語を日本語に訳して理解することはありません。わざわざ訳す場合、それは通訳や翻訳といった仕事になると思います。

受験以外の状況で、英語を日本語に訳すのは、通訳や翻訳となります。この2つに関しては、英語も日本語も両方で高い言語能力が求められます。これは受験とは違う状況の話なので、ここでは当てはまりません。

 

一旦まとめると、より高いレベルで英語を理解したり、使おうとすると、英語だろうが日本語だろうが、その言語のまま理解出来るし、わざわざ他の言語に訳し直す必要はなくなります。但し、受験レベルでは学校の授業の関係や英語で専門的な知識を学ぶのでない限り、英語を日本語を介して理解したり、和訳したりする必要性はあります。

英文和訳の勉強方法

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上でも述べた通り、英単語・英文法の知識を確認する手段として和訳するのは適切な方法の一つだと言えます。

英単語・英文法の勉強

まずは英単語・英文法の知識をなるべく多く正確に覚えていく必要があります。正確な知識の量を増やせば増やすほど、後々の勉強で楽になっていきます。

ここで重要視して欲しいのは、英単語は単語の意味だけではなく、その発音、使い方、単語の組み合わせなども覚えてしまうことです。

英文法も単に問題集を解くのではなく、何故その解答になるのか説明できるようにしないと少し形や単語が変わっただけで問題が解けなくなります。

この勉強は今後どんなレベルの英語の勉強をするにしても非常に重要になりますので、手を抜かないようにしてください。

和訳の勉強

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英文和訳と言っても、大きく2種類あります。

  1. 問題の英文をそのまま和訳
  2. 文脈を交えながら英文を和訳

どの問題がでやすいかは大学ごとに違いますが、基本的に2の「文脈を交えながら英文を和訳」の方が大変だと思います。

問題の英文をそのまま和訳

このタイプの問題は基本的に前後の文脈を読まなくていいし考えなくても良いので、対象となる部分だけを読めばいいという点で簡単ではあります。

勿論、その分、単語が難しかったり、文の構造が難しかったりします。

文脈を交えながら英文を和訳

 対象となる部分の指示語を具体的にしたり、文脈を踏まえて具体的に説明しつつ和訳するタイプの問題です。

この問題はどこまで具体的に解答を作成するかの判断が難しかったり、そもそも指示語の内容を見つけにくいという場合もあります。

 

 和訳における日本語表現

上の2つに共通することは、英語として理解出来ていても、日本語表現でミスをすると当然減点となってしまうということです。

和訳する際は以下の注意点を心に留めておいてください。

1.強調構文などの英語的な言い回しに対する日本語の訳し方を覚える

2.単語・文法の意味からずれないように、日本語としてなるべく自然な訳にする

英語的な言い回しに対する日本語の訳し方

例えば、強調構文は訳しにくい英文の一つだと思います。

It is today that you meet her.

It is A that Bの強調構文は「BなのはAである」と訳すのが一般的であると思います。

その訳し方に従えば、「あなたが彼女に会うのは今日だ」となります。しかし、todayを強調するための訳し方は他にもあります。「今日だよ。あなたが彼女に会うのは」としても強調されています。他にも訳し方はありますが、「BなのはAである」と訳すのが無難ではあります。

もう一つ例を挙げると関係代名詞の訳し方も難しい訳の一つです。

A: This is the book which I bought yesterday.

Aの訳は、「これは私が昨日買った本です」となります。恐らくこのように訳すように言われると思いますが、文が長くなったり、読解をしている時はこれとは異なる訳となります。

「これがその本です。その本を昨日買った」

whichで繋がれた関係代名詞の文だと分かるので、boughtの目的語が無くても買ったものがthe bookだと分かります。

この様に一旦文を切って訳す方法も時には必要になります。

英語を和訳しようとする時には、まず教わった方法をしっかりと覚えて試してみることが大事です。次に、意味を損なわないように、文を組み替えることも考えましょう。

単語・文法の意味からずれないように、日本語としてなるべく自然な訳

上述の通り、訳しにくい文を訳す時にはまずは授業や参考書で推奨する訳し方を試す必要があります。更に、意味がずれないように、組み替える必要もあります。

このことに加えて、和訳問題では日本語としてなるべく自然な訳語を心がけてください。

この時の注意点は2つあります。

1.カタカナ言葉

2.文法通り訳してみたら変になった

3.逐語訳

カタカナ言葉は、訳が相当難しい部分です。受験では英語を理解出来ているか、日本語に訳せるかが主に問われているので、カタカナでの解答はあまり推奨しません。

ですが、文脈的にカタカナの方が良い場合もあるのが難点です。一概にカタカナ言葉は全部駄目とは言えないので、文脈や問題のレベルで判断していくしかありません。

次に、文法通り訳してみたら変になったという状況です。

It was only in the 18th century that Saint-Germain began to appear in the history.

強調構文を使っているので、It was A that B=「BなのはAだった」と訳すべきです。ですが、その中にonlyが入っていることで、「Bなのは初めてAだった」との訳になります。これに更に、Bの部分でbegan to~:「~始めた」という要素が加わり、「B始めたのは、初めてAだった」となります。

ですが、「B始めたのは、初めてAだった」よりは「Aで初めてBし始めた」の方が自然な日本語と言えます。訳しミスを防ぐために、覚えた強調構文の訳し方を活用するために、「B始めたのは、初めてAだった」を使うのが、多少不自然ではあっても無難です。

この様な文に出くわした場合、まずは自分がしっている訳し方を1つ1つ当てはめて訳文を作ることが重要です。余裕があれば、日本語として自然なものを目指しますが、そうではない場合、多少のぎこちなさはあってもミスではないだろうと判断した方法を使ってください。

最後に逐語訳についてです。

上手く訳せないからと言って、分かる単語の意味や文法の意味を逐語訳的に訳していく答案をよく見かけます。部分部分で見た時は合っているのですが、文としての整合性が無いので大きく減点されます。

単語や文法単体での意味を問題にしているわけではないのですから、当たり前の結果です。

知識が不正確な段階で、時間に追われて問題を解きながら、整合性のある文にするというのは難しいことではありますが、問題演習を重ねることで慣れていきます。

慣れのためには、和文問題を多くこなすことも勿論重要ですが、単語・文法の勉強段階で和訳を意識した勉強をすることも重要です。

まとめ

以上が、和文英訳問題についての是非や問題の解き方となります。英語としては理解しているのに、日本語表現で間違えることが多い人にとって参考になればと思います。

単に英語を逐語訳的に訳していくのではなく、整合性のとれる文を書くようにしないと、単語レベルではあっていても結局点数が取れる解答にはなりません。

そのことをしっかりと覚えておいてください。

 

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