間違いやすい英語表現 受動態とその作り方

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受動態(受け身)は中学で習い始める文法事項ですが、かなり間違いやすい表現です。能動態「~する」が受動態になると「~される」という言い方になります。

今回は受動態の基本的な部分から少し難しいと思える部分まで説明をしていきます。

受動態の基本

  • be動詞+他動詞の過去分詞
  • 表現としては固く書き言葉でよく見るもので、会話ではあまり使わない

能動態「名詞A+動詞+名詞B」は受動態「名詞B+be+過去分詞+by+名詞A」という形になります。

by~とすることで、動作の主体主を表現することが可能です。

She runs her company. (彼女は彼女の会社を経営している)という文でrunは他動詞「経営する」という意味になります。

この文であれば、Her company is run by her.と受動態にすることが可能です。

「be動詞+他動詞の過去分詞」についてですが、動詞だからと言ってなんでも受動態にできるわけでもありません。

動詞が自動詞の場合、受動態にすることはできません。

She runs every morning. (彼女は毎朝走る)という文でrunは自動詞「走る」という意味になります。

この文を受動態「~される」という形にしようとしても、意味が通じる文になりません。

受動態で注意すべき点

be動詞は受動態の文の主語の人称・数と一致

Her company employs a lot of workers.

→A lot of workers are employed by her company.

能動態の文であれば主語は単数でしたが、受動態にすると主語が複数形になります。この変化に合わせて、動詞の部分も変化させる必要が出てきます。

助動詞

Her company can employ a lot of workers.

A lot of workers can be employed by her company.

文中に助動詞が入る場合、動詞部分を「be動詞+他動詞の過去分詞」という形にすれば問題ありません。

by~の省略

by~とすることで、動作の主体主を表現することが可能です。ですが、この表現は省略されることが多いです。

動作の主体が一般的な人や漠然とした人をさす場合

They sell books and newspapers at that store.

→Books and newspapers are sold at that store.

They love that singer.

→That singer is loved.

上記の受動態の文は、by themとつけても問題ありません。ですが、by themまたはby usという表現の場合、省略されることが多いです。

動作の主体が不明な場合

A lot of people were killed in the accident.

This seat is occupied.

上記2文の様に動作主体が不明な場合、by~は書けないので表現を省略することになります。

動作の主体が前後の関係から明確であって明示する必要が無い場合

This topic will be discussed later.

例えば会議の場において「このトピックは後で議論される」と言った場合、動作の主体主は会議参加者となります。

SVOの受動態

That small Chinese woman lifted a heavy barbell.

→A heavy barbell was lifted by that small Chinese woman.

この様なSVOのパターンは既に例として出していますし、見慣れているパターンでもあると思います。

注意すべき点としては、be動詞の時制と形、動詞の過去分詞形となります。

People say that she is the strongest woman in the world.

→It is said that she is the strongest woman in the world.

People say that~の部分を受動態にした文となります。

文末にby peopleとつけても可なのですが、上述の通り「動作の主体が一般的な人や漠然とした人をさす場合」には、「省略」されることが多いです。

SVOOの受動態

SVO1 O2(第4文型)は目的語が2つあります。

O1は間接目的語で、通常ひとを目的語とします。

O2は直接目的語で、通常もの、ことがらを目的語とします。

O1とO2ともに受動態の主語になる動詞

allow, give, grant, hand, leave, lend, offer, pay, permit, promise, send, show, teach

※SVO1 O2→SV O2 to O1と変換することが可能な動詞

His coach showed her a way to lift the barbell.

→She was shown a way to lift the barbell by his coach.

→A way to lift the barbell was shown me by his coach.

His coach showed a way to lift the barbell to her.

→A way to lift the barbell was shown to me by his coach.

これらの場合、O1、O2どちらでも主語にして文を作ることが可能です。

また、人を主語にする方が一般的です。

A way to~の文が2パターンあり、O1が人称代名詞の場合はto を入れることが普通で、O1が人称代名詞以外の場合はto を入れない方が普通となります。

O1(間接目的語)を主語にすると不自然になる動詞

read(読んで聞かせる), write(書いて送る), pass(渡す), sing(歌ってあげる)

That teacher read his students a textbook. (あの先生は生徒に教科書を読んで聞かせた。)

→(a) A textbook was read his students by that teacher.

→(b) His students were read a textbook by that teacher.

上記の動詞では、O1(間接目的語)を主語とすると不自然だと考えられます。

※イギリス英語では不自然で、アメリカ英語では自然だとされる。

そのため、(b)の例文はイギリス英語では不自然だとされます。

SVO1 O2→SV O2 for O1と変換することが可能な動詞

build, buy, choose, cook, get, make

My mother made me a grilled fish.

=My mother made a grilled fish for me.

→(a) I was made a grilled fish by my mother.

→(b) A grilled fish was made for me by my mother.

SV O2 for O1と変換することが可能な動詞で、O1(間接目的語)を主語にして受動態の文を作るのは不自然です。

O1(間接目的語)を主語にした文だけが一般的だと認められる動詞

envy, refuse, save, spare, strike

That action will save us 1000 yen.

→(a) We will be saved 1000 yen by that action.

→(b) 1000yen will be saved us by that action.

上記(a)(b)の例で、(a)というように受動態に変化させることはありますが、(b)の様に変化させることは一般的ではありません。

SVOCの受動態

補語が名詞・形容詞の場合

They called that boy Taro.

→That boy was called Taro by them.

Her words make us happy.

→We were made happy by her words.

この例の場合に注意する点は、Oを主語として、動詞をbe+過去分詞とした後に、Cをそのまま残すということです。

補語が不定詞・分詞の場合

She told him to wait there.

→He was told to wait there by her.

That lady kept him waiting for two hours.

→He was kept waiting for two hours by that lady.

受動態の作り方は「補語が名詞・形容詞の場合」と同じです。

知覚動詞・使役動詞の場合

知覚動詞の場合

Students saw a professional baseball player throw a ball.

→A professional baseball player was seen to throw a ball by students.

使役動詞の場合

Her act made us smile.

→We were made to smile by her act.

知覚動詞・使役動詞の場合でも、受動態にするとV2の部分はto不定詞の形になります。

S V1 O V2→O be+V1過去分詞+to V2 by S

句動詞の受動態

句動詞は「自動詞+(副詞)+前置詞」と「他動詞+目的語+前置詞」のどちらかになります。

自動詞は受動態にすることはできないと説明しましたが、「自動詞+(副詞)+前置詞」として句動詞として使うことで他動詞扱いになります。

「自動詞+(副詞)+前置詞」の場合

Every player looks up to that Georgian player.

→That Georgian player is looked up to by every player.

They do not speak ill of him.

→He is not spoken ill of by them.

上記の例の様にlook up to、speak ill ofなどの句動詞は受動態になっても、そのまま形を保ったままとなります。

「他動詞+目的語+前置詞」の場合

 

前置詞の目的語が受動態の文の主語になる

That strong player made fun of weak players.

→Weak players were made fun of by that strong player.

A girl caught sight of him.

→He was caught sight of by a girl.

他動詞の目的語が受動態の文の主語になる

You keep an eye on her baby.

→Her baby is kept an eye on by you.

We take pride in winning the game.

→Winning the game is taken pride in by us.

前置詞及び他動詞の目的語が受動態の主語になる

You must pay attention to your remark.

→(a) Your remark must be paid attention to (by you).

→(b) Attention must be paid to your remark (by you).

She takes care of her grandmother.

→(c) Her grandmother is taken care of by her.

→(d) Care is taken of her grandmother by her.

上記の(b)(d)の様にattention, careを主語にして受動態の文を作ることもできます。

ですが、pay attention to、take care ofの目的語を受動態の主語とした方が文を作る上で簡単だと思います。

不定詞・分詞・動名詞の受動態

下記3例の様に、不定詞・分詞・動名詞の場合でも受動態にすることができます。

不定詞 I like to be taught.

分詞 Having been taught in class, we knew that teacher.

動名詞 Everyone does not like being spoken ill of.

従節の主語を文の主語にする受動態の文

Japanese people believe that four is ominous.

→It is believed that four is ominous.

→Four is believed to be ominous.

They say he is lucky.

→It is said that he is lucky.

→He is said to be lucky.

sayを使った場合、上記2例の様に表現可能です。

He is said that he is lucky.とすることはできません。

It seems that he was a good tennis player.

He seems to have been a good tennis player.

まとめ

上記に説明した通り、ややこしい部分もありますが、まずは原則を理解してください。それから、複雑な構造の文を覚えていくことが大事です。

能動態「名詞A+動詞+名詞B」は受動態だと「名詞B+be+過去分詞+by+名詞A」という形になる。

by~とすることで、動作の主体主を表現することが可能

 

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