社会科の科目において「地理」という科目は、とても特異な科目であると思います。同じ社会科であっても、歴史は今まで日本や世界で起こった出来事を学び、公民では政治・経済、昔の哲学者の考えなどを学んだりしますよね。しかし、地理という科目は、世界中の地形や気候、農業・工業など、「位置」に関することを学ぶため「位置の科学」とも呼べます。
ここでは主に、高校の地理分野で学ぶ上で大切な部分になってくる「ケッペンの気候区分」についての勉強法を解説していきます。
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ケッペンの気候区分とは?
ケッペンの気候区分はドイツの気候学者のケッペンが、植生景観を基準に世界を5つの気候帯といくつかの気候区に区分したものです。これは、農業、牧畜、林業など、あくまで植物が関係している人間活動には役立ちますが、大気現象を区分していないことが原因で、気候の地域的な相違を説明することができない欠点が存在します。
雨温図とハイサーグラフをうまく読み取れるようにしよう!
教科書や参考書をよく見るとわかりますが、気候を学ぶ上で「気温と降水量」は必要不可欠な要素です。これらを「雨温図」と「ハイサーグラフ」と呼ばれるもので表すことができます。
雨温図は気温(折れ線グラフ)と降水量(棒グラフ)で表し、ハイサーグラフは縦軸に気温、横軸に降水量を取り、月ごとの気温・降水量を点で結んでいるグラフのことです。しかし、雨温図を読み取れても、ハイサーグラフを読み取れない、という人も中にはいます。ここでは、どちらも簡単に読み取れるような方法を解説します。
雨温図の読み取り方
雨温図の特徴として、気温を表す折れ線グラフをよく見てみるとわかりますが、赤道に近くなるほど、折れ線が一直線になっています。高緯度地域では、尖った形をしたグラフになっていて、特に海から遠い内陸な土地ほど大きな尖り方をしています。
この2点を重点的に覚えておくと良いとおもいます。高緯度側が尖っているのなら、赤道に向かって緩やかになり、最終的に一直線になっていきます。特に温帯地域では尖ってもなく、かといって一直線でもないので、容易に判別しやすいと思います。
ハイサーグラフの読み取り方
ハイサーグラフは、高校に入って初めて見る人が多く、普段の授業で学習しても理解できずに終わってしまう人が多いと思います。どう読めばいいのか、考えればいいのか、わかりませんよね。でも、考え方次第では読むことも可能です。
まず、ハイサーグラフを雨温図に置き換えてみてください。わからなければ、実際にノートなどに書いてみると良いと思います。縦軸を折れ線グラフに、横軸を棒グラフに置き換えることで、わかりやすくなると思います。
植生と土壌をよく学習しよう!
ケッペンの気候区分は、植生と土壌の分布をもとにした気候の区分法であるので、各気候区・気候帯の植生・土壌の分布、種類をしっかりと学習すると良いです。
例えば、日本が属している温暖湿潤気候区(Cfa)は、「夏季の高温多雨であるため稲作が盛んである」とか、ステップ気候(BS)では、「黒色土(チェルノーゼム、プレーリー)や栗色土の肥沃な土壌が分布し、地域によっては灌漑農業が行われている」といったような簡単なまとめを行うことも大切なことです。
各気候帯、気候区を図にしてみよう
それぞれの気候帯、気候区の特徴を一通りまとめ上げた後、それらを図にしてみてください。白地図の世界地図があると一番良いのですが、各気候帯の分布図を書くことによって、世界の気候をより詳しく理解することが可能になります。赤道を中心にして「熱帯→乾燥帯→温帯」と高緯度になって行きます。大まかに気候帯を書いた後に、細かく気候区に区分分けをして、各気候の分布を確かめていきましょう。
まとめ
今回は、気候に勉強に関して、特に重点的に自主学習を行ってほしいところをピックアップしました。高校の地理は世界地理を勉強していきます。中学校でもある程度、地理については習っていますが、高校の地理はその既習範囲よりも大きく、広いので、より思考的にならなければいけません。気候分野は、主に「雨温図・ハイサーグラフ」、「植生・土壌」をしっかり勉強すれば確実に覚えられるので、予習・復習を行う際は、これらに注意して行ってください!
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