皆さんは一日のうちの何時間を睡眠時間に充てていますか?
「受験生だから睡眠時間を削って勉強する」
「勉強と趣味(部活動や習い事も含む)の両立のため夜更かししてしまう」
といった方も多いのではないでしょうか。
睡眠時間を削るとかえってパフォーマンスが下がり、勉強の効率が下がってしまいます。
趣味や部活動、習い事にも支障が出ることでしょう。
それでは、どこから「削りすぎ」と判断すればよいのでしょうか。
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取るべき睡眠時間はどれくらい?
様々な調査結果から、最低でも7時間~7時間半は睡眠を取ったほうが良いことが分っています。
6時間も眠れば、十分な睡眠時間のように感じられる方も多いのではないでしょうか。しかし後述の「ペンシルベニア大学病院の実験」では、6時間睡眠を10日間続けると、2日間寝ていないのと同じ状態になるとの結果が出ています。
一番パフォーマンスが高いはずの午前中から既に眠気が来ている人、休日に昼過ぎまで寝てしまう人は要注意です。
睡眠は貯蓄すること、いわゆる「寝溜め」は出来ませんが、足りなかった分は睡眠負債として溜まっていき、様々な健康被害を引き起こすことにもなります。
日本人の平均睡眠時間
OECD(経済協力開発機構)の2018年調査によると、日本人の1日あたりの睡眠時間は平均442分(=7時間22分)。
これはOECD加盟国の中でダントツの最下位であり、OECD平均の505分(=8時間25分)を1時間も下回っています。
ちなみに1位は南アフリカの553分(=9時間13分)、2位は中国の542分(=9時間02分)でした。これは我が国のGDPの低さにも表れているのではないでしょうか。
受験勉強も同様、パフォーマンスの低い状態で活動するのはもったいないので、睡眠時間の確保に努めましょう。
睡眠時間が必要な理由(ペンシルベニア大学病院の実験から理解)
2003年にペンシルベニア大学病院で行われた実験では、48人の成人(21歳~38歳)を4時間睡眠・6時間睡眠・8時間睡眠・3日間徹夜の4グループに分け、2週間観察しました。4時間睡眠のグループは日に日にパフォーマンスが落ちていきました。
一方、6時間睡眠のグループは始めのうちは上手くやっているように見えましたが、10日前後が経過した辺りから、2日間寝ていないのと同レベルまでパフォーマンスが落ちていました(例外あり)。
※なお、4時間睡眠のグループはこれよりも早くそのレベルまで作業効率が落ちています。
また、6時間睡眠の人には、パフォーマンスが落ちているにも関わらず「眠い」という自覚症状がないという特徴が見られました。
「なんだか集中力がない」「勉強が捗らない」と感じている方は、一日のスケジュールと睡眠時間を見直してみましょう!
寝つきが悪い人はどうしたら良いか
「布団には入っているのに眠れない」という方がいます。
考え事をしたり、友達との連絡のやり取りに夢中になってしまったりするのは良く分ります。
しかし、パフォーマンスが落ちてしまい勉強が捗らなければ本末転倒です。
眠れなくても目をつむっているだけで頭や体は休まりますが、いずれにしても眠くならないのは困ってしまいますよね。熟睡できるコツを以下にまとめました。
38~40度のお風呂に10~15分漬かる
お風呂の温度が高すぎると交感神経が刺激され、覚醒状態になってしまいます。
お風呂の温度は38~40度にし、10~15分漬かりましょう。副交感神経が刺激されリラックスできます。
長くお風呂に漬かり過ぎると、かえって疲れてしまい、体にも良くないので注意しましょう。
寝る1~2時間前に入っておくと良いでしょう。
ブルーライトは寝る1時間前までに断つ
脳はブルーライトで覚醒するため、寝る1時間前までにはテレビやスマホの使用を止めましょう。蛍光灯やLEDライト(特に昼白色)もブルーライトを多く含むので使用を避けるのが無難です。
また、ブルーライトカットの眼鏡や、スマホ・テレビ・液晶ディスプレイにブルーライトカット機能が付いているものもあるため、日が落ちたらそういったものを活用すると良いでしょう。「疲れ目」にも有効です。
※ブルーライトのカット率は様々ですし、これらを使えば寝る直前までブルーライトを浴びていても問題ないという訳ではありません。
朝、たっぷりのブルーライト(日光)を浴びる
寝る前とは反対に、朝にはブルーライト(日光)を浴びることで、夜の寝るべき時間帯に自然な眠気を感じることができます。
特に長期休み中に外出しない方や浪人生の方は、朝の散歩等で積極的に日光を浴びてみましょう!
就寝時間・起床時間を固定する
睡眠にはリズムがあります。就寝時間・起床時間を固定することで、日中の眠気が軽減されパフォーマンスも上がります。
万が一、休日に睡眠負債を返したい場合は8時間までにして下さい。長時間寝たからといって疲れが取れるわけではなく、かえってリズムを崩してしまいます。
睡眠サイクル
睡眠サイクルには眠りの浅いレム睡眠(Rapid eye movement sleep=急速眼球運動睡眠)とノンレム睡眠があります。
眠りに落ちるとすぐにノンレム睡眠に入り、90分毎にレム睡眠とスイッチすると言われています。
また、レム睡眠時に目覚めることでスッキリ起きることが出来ます。
これだけを見ると3時間サイクルで起きるのが合理的といえますが、睡眠サイクルには個人差がありますので、自分のベストな睡眠時間を見つけましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?心身ともに健康であるために、睡眠時間の確保、睡眠リズムの維持は、学生時代のみならず社会人になっても是非大切にして下さい。
少しでも睡眠の大切さを理解して頂けたら幸いです。